水深800メートルのシューベルト|第491話 2 吉村うにうに 2023年3月21日 17:15 居心地の悪さに耐えきれず、熱いコーヒーを一口すすると、帰る素振りを見せた。それを合図にしたように、奥の部屋に行ったメリンダから荷物と上着を受け取り、彼女の家を出た。 部屋の外は、陽気とじめじめとした空気が混じって肌にまとわりついていた。ドアを閉めて一緒に出て来たメリンダが、髪をかき上げて、空色の目を僕に向けた。「タイミングが悪かったわね。嫌になった?」 僕は黙って首を振った。部屋の中の彼女のとげとげした雰囲気より穏やかになっていて、ほっとした。 第490話へ戻る 第492話へつづく ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #連載小説 #長編小説 #連載長編小説 #潜水艦 2