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毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

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連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。
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水深800メートルのシューベルト|第1話

       第一部        (1)  ドンッ!   ロバートに胸ぐらを掴まれ、居住…

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水深800メートルのシューベルト|第1105話

「俺は諦めないぜ。個人脱出でも何でもやってやるからな」  その声に誰も応えなかった。これ…

吉村うにうに
16時間前
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水深800メートルのシューベルト|第1104話

「それだけ状況がまずいって事だよ。しばらく艦長の指示に従った方がいい。酸素発生装置はバッ…

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水深800メートルのシューベルト|第1103話

「アシェル、お前のお袋さんは?」 「湖に飛び込んだよ」  何も考えずに反射的に返答をした…

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水深800メートルのシューベルト|第1102話

それほど酸素残量に不安があるのだろうか? それとも騒ぎがあったというが、反乱に近いもので…

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水深800メートルのシューベルト|第1101話

これは命令だ。ノーマン中尉はただそれを伝えに来ただけだと。しかし、会話禁止と言うストレス…

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水深800メートルのシューベルト|第1100話

「い、いや喋るなって、無理ですよ。勤務にならない」 「勤務中は上官の許可があればよい」  セペタの反論に、技術中尉は苦しげに答えた。 「それじゃ、休憩中はずっと話ができないって言うんですか? ゲームしか、する事がありませんよ」 「その通りだ」  ボブの不満げな声にも、中尉は答えていた。 「馬鹿馬鹿しい。それで酸素がどれ位節約できるっていうんですか? 中尉殿はそんな滅入れに意見具申さえしなかったんですかい?」  ロバートは軽蔑したような目をしていたが、それ以上は言わなかった

水深800メートルのシューベルト|第1099話

「艦が着底して救援を待つことになった。現状では酸素はたっぷりあるが、長期の待機に備えねば…

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水深800メートルのシューベルト|第1098話

「おや、珍しい方が来ましたね。ところで、原子炉はどうなりました、中尉殿?」  ロバートは…

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水深800メートルのシューベルト|第1097話

「せめて、海上に味方が来るまで待とうよ」  僕は宥めるように言った。彼はこっちを見つめて…

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水深800メートルのシューベルト|第1096話

「なんて無謀な奴だ。どのみちあれが使えるのは水深二百メートルまでだ。たしかトラブルが起き…

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水深800メートルのシューベルト|第1095話

「脱出用装具を被って、脱出筒で出る気か? よく考えるんだな。水圧で押し潰されるか減圧症に…

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水深800メートルのシューベルト|第1094話

「ASRを要請したから来ると思うよ。それまで、バッテリーと酸素発生装置を持たせて……」 …

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水深800メートルのシューベルト|第1093話

「まだ決まったわけじゃない。それに、食料も酸素もまだあるんだ。バッテリーも原子炉の復旧までは持つだろう。それまでは不安だろうが、なあに、中世の蝋燭や灯火しかなかった時代を想えばどうって事はない」 「俺の家は、よく電気を止められたんだ。暗かったが、親父が発電機を回してくれておかげで真っ暗という事はなかったな」  ロバートが調子を合わせるように言った。  それきり、みんな黙りこくってしまった。セペタは柵の切れ目から両腕を回して抱きかかえるようにし、一段下のベッドを見つめていた。