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毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

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連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。
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2023年1月の記事一覧

水深800メートルのシューベルト|第442話

 シャワーの蒸気が体を包んで心地良くなってきた頃、バスルームの扉がドンドンと揺れた。 「…

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水深800メートルのシューベルト|第441話

 こんなことをしていいのだろうか? 美人とはいえん、恋人でもない娘とこの後……。脱衣スペ…

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水深800メートルのシューベルト|第440話

 これから起こることが現実とは思えず、僕は居たたまれなくなった。突っ立ったまま何をしてい…

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水深800メートルのシューベルト|第439話

 しばらくすると彼女は振り返って「その階段を昇って、二階よ」と僕に告げてきた。  ずらり…

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水深800メートルのシューベルト|第438話

 メイソンたちが見えなくなる場所まで来ると、彼女はすぐに手を振りほどいて、先に早足で進ん…

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水深800メートルのシューベルト|第437話

 彼女の言う通りだと思ったが、女の子と二人きりになる気まずさと、メイソンたちがすぐ傍にい…

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水深800メートルのシューベルト|第436話

「悪いけど、子どもの相手はしないの。それに、高いんだから」  彼女は軽蔑したように、空色の目を向けてきた。 「金はあるよな、アシェル?」  メイソンの言葉に、僕は財布をちらっと見せた。中から札を取り出すべきどうか迷っていると、彼女は面倒臭そうに言った。 「いいわよ。近くにモーテルがあるから。歩くけど」 「俺たちが車で送って行ってやろうか? どこだ」  メイソンはにやにやと笑いながら尋ねた。彼女は首を振った。 「悪いけど、知らない人の車には乗らないの。それに私の相手をする

水深800メートルのシューベルト|第435話

「お前に何のリスクもねえ、行け」  そう言うと、横を向いてしまい、それ以上は何もしゃべり…

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水深800メートルのシューベルト|第434話

 彼女は、周囲を見回して、一瞬、僕らの方を見つめたが、関心がないというように、すぐに店の…

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水深800メートルのシューベルト|第433話

 爺さんの「店にいると酔っ払いやたまに警官も来るから、外で待っていた方がいい」という助言…

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水深800メートルのシューベルト|第432話

爺さんには関係ないけど。こいつが気に入った女だから、奢ってやろうと思ってな」 「ほっほ。…

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水深800メートルのシューベルト|第431話

「おお、それなら知っとるぞ。『ジェシカ』じゃな。そういう名前で『商売』をしとるよ。  雪…

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水深800メートルのシューベルト|第430話

相手のリーダーは呆れたように言った。 「ここでおっぱじめたら、大人も来るぞ。やめておくか…

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水深800メートルのシューベルト|第429話

「ふん、それなら教えてやってもいいが、くれぐれも俺たちの商売の邪魔はするじゃねえぞ」  リーダーらしき男は、ポケットからナイフを取り出してちらつかせた。それは照明から光を反射して、チラチラと目障りな光を放っていた。 「おいおい、俺たちは喧嘩しに来たんじゃねえ。でも、どうしてもというならなあ……、アシェル」  やにさがった目をしていたメイソンは、急に鋭い目を僕に向けてきた。合図だと思ったので、拳銃のある左腋に手を突っ込んだ。  白髪の後ろのチビたちは、顔を引きつらせて、てん