「お前に何のリスクもねえ、行け」
そう言うと、横を向いてしまい、それ以上は何もしゃべりたくない、といった調子で腕を組んだ。
僕は仕方なく、店の前にいる女の子に近づこうと、段差を昇った。彼女はちらとこっちを見たが、すぐに目を逸らした。店に入らず彼女のすぐ近くにいるという不自然さに耐えきれず、声をかけた。
「ハ、ハ、ハイ」
彼女はこちらを見ないで短く返事をして黙ってしまった。すると、いつの間にかついて来ていた三人の息づかいが真後ろからした。
「よう、お姉さん。こいつ、アシェル。あんたの相手をしたいって言うんだ」
ブライアントが僕の肩に手を置いた。
第434話へ戻る 第436話へつづく