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作業療法について

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作業療法の知識を使って皆さんの役に立つ内容をまとめていきたいと思います。
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記事一覧

ネガティブ・ケイパビリティと作業療法

ネガティブ・ケイパビリティと作業療法

Google AI (Geminiより)

ネガティブ・ケイパビリティと作業療法:深まる関係性ネガティブ・ケイパビリティとは?

ネガティブ・ケイパビリティとは、詩人キーツが提唱した概念で、「不確実性や矛盾の中に留まり、結論を急がずに耐える能力」を指します。つまり、答えのない問い、解決困難な問題に直面した際、焦らずにその状態を受け入れ、思考を深めていく能力です。

作業療法におけるネガティブ・ケイ

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作業療法について最近感じること

作業療法について最近感じること

作業療法について最近感じたことを書いておく。

それは、「作業療法を学んだだけでは何かをすることはできない」ということ。

作業療法は、哲学的な位置付けてで、一学問として存在していると感じている。「まさに作業療法学」

これは、人の捉え方を「作業」というフィルターを通して見ているということ。
人を解釈するときに新たな視点を与えてくれる学問だと思うけど、それを学んだだけでは、目の前の問題解決にはなら

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らしさ

らしさ

自分らしいって何だろうか。
作業療法士として、患者さんの支援をする際に「その人らしい生活を」というフレーズはよく聞かれる。

その人らしいってなんだろう。

これは多くのリハビリスタッフが迷うことなのかもしれない。

自分がコーチングセッションを受けて、少しずつ自分らしさというものに触れてきた中で少しまとめておきたい。

● want toを見つける
want toというのは、無意識に体が反応して

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障害者の働く意義と権利

障害者の働く意義と権利

総合リハ vol.52 no8 Aug.2024

普段自分は、脳卒中などの中途障害になった方のリハビリを提供している。
年齢層も5-6年前と比べると下がってきている印象もあり、40代や50代で発症している方も多い。

そうなると最大の関心ごとは、当然のように「再び働けるのか」といった問題となる。
身体の麻痺、高次脳機能の低下を中心に、私生活から社会参加までに与える影響は大きい。

今回読んだ論文

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自分が楽しむこと。

自分が楽しむこと。

今年からチームが変わり、リーダーとして働いています。
後輩のやる気を引き出すためにどうしたら良いか考えながら毎日を過ごしていますが、なかなか難しいなと感じています。

まず手をつけたのが、リーダーとスタッフでの面談です。
 これは、目標設定というよりは、日々何を感じながら過ごしていて、これからさきどんなことを頑張っていきたいかをざっくばらんに話す時間を作ろうというスタートでした。
 まずはそのスタ

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支援する前に自分はどうなの?

支援する前に自分はどうなの?

昨日、就労支援をしている地域のスタッフと共に研修をする機会をいただきました。
その中で感じたことがあったのでまとめておきたいと思います。

テーマはキャリア形成についてでした。
障害者の方のキャリアをどのように支援していくべきか。
それについて意見交換をしようといった場でした。

 少し前までは、復職する、あるいは新規就労をするといったことが目標でした。その後、就職するだけではダメだよね。というこ

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情熱って大切

情熱って大切

「どうしたら後輩指導がうまくいくんですかね?」

先日ある後輩と食事に行った時の話。

彼も5年目で、自分自身もまだまだスキルアップしていきたいところではあるが、組織の中では後輩の育成にも期待をかけられており、どのように関わった方が良いのか迷っている状態だった。

 そこで2人で、「そもそも後輩指導というけど、作業療法士として、あるいは対人支援者としてどのような人材が増えるべきか」という問いを立て

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「人が生きていく」という作業を共に紡ぐ専門家

「人が生きていく」という作業を共に紡ぐ専門家

こんにちは。
作業療法士のナオキです。

 自分自身が今コーチングを受けていて、これから先どのように働いていきたいのかを考えていました。
 対人支援が行いたいことは変わりないのですが、コーチングというものを受ける中で、また自分でもそれらの本を読んでいく中で自分もコーチになりたいのか?なんてことを考えるようになりました。
現在固定記事にしているこちらの記事も見ていただけると嬉しいです。
この記事では

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自分と向き合う

自分と向き合う

これを読んで確かになと思った。
確かに日本は利他的な人が多く、「誰か他のために」という人が多いように感じる。
それが自分という存在があっての利他的なら良いのだけど、日本の場合は「自分のことはとりあえず良いから、誰かのために」という思考が強い気がする。
むしろ自分が自分がというと自己中の烙印を押され比例的な反応をされやすい。
「自分だけが幸せになってはいけない」「自分のことばかり考えてはいけない」「

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仕事を楽しむには

仕事を楽しむには

今年の自分のテーマは後輩たちにいかに仕事を楽しんでもらうかです。

そして、作業療法という仕事において楽しむには、作業療法の本質を理解することと、数多くの理論を知り、思考の幅を広げていくことだと思っています。

本質については別の機会に書こうと思いますが、理論を知ることは、野球のピッチャーと似ているなと感じています。

野球のピッチャーもストレートだけでは勝負できません。
初めは勝てても、いつか打

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人との関わり方

人との関わり方

現時点でも未だかつてないほど後輩と話をしている。
基本的には患者さん関連の相談であるが、10年やってきて今ほど相談を受けていることはないくらいに、話をしていると思う。

 その中で感じるのが、やはり一人一人コミュニケーションの取り方を変える必要があること。
 当たり前のように感じるけど、実際これを一人一人やっていくのは結構大変。

 常にいつもの自分ではなく、丁寧にとか、この子には少し強く言っても

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働くことの意味

働くことの意味

昨日、後輩の患者さん副担当に入った。
脳梗塞だが、身体の後遺症は軽く、嚥下機能が低下いている方だった。
声量も小さいことも本人は気にされていた。

仕事は自動車産業系の企業で働いていた。
主には生産管理の部署で事務仕事を中心にしていたそう。
自宅は地元だが、仕事は遠方であったため単身赴任して働いていたと。
4月下旬に就労の相談会があり、そこで話をして決めるとのことで、働きたいかどうか迷っている状態

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環境から導き出される会話

環境から導き出される会話

昨日は、患者さんとバス訓練に行きました。
コロナ以降中々外出しての訓練ができなかったのでバス訓練も非常に久しぶりの訓練でした。

昨日の方は、退院後に当院の外来に通っていただく必要もあったため確認をということで実施しました。

背景には高次脳機能障害もあり、記憶低下が著しく低下しているため、1人で本当に移動ができるのかといったところからバス訓練が決まりました。

事前に主治医から許可をとり、コーヒ

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明日から作業療法士として働く皆さんへ。

明日から作業療法士として働く皆さんへ。

初めまして。
作業療法士11年目のナオキです。

国家試験合格おめでとうございます。
そしてようこそ、作業療法士の世界へ。
ワクワクと不安が入り混じっているのではないかと思います。

でも大丈夫。
作業療法士は素晴らしい仕事です。
自分は年数を重ねる毎に作業療法の奥深さに魅了されています。

● 作業療法=人生哲学
作業とは?幸福とは?健康とは?
作業療法を考えるときに、多くの哲学的な問と向き合う

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