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辛いこと

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いつかこれを読む私がきっと、これを書いた私を救ってくれるから
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何が辛いかについての考察

何が辛いかについての考察

私の職場は他の部署と比べると恵まれた環境だと思う。基本的に定時で帰れるし、理不尽に怒るようなお局もいない。そこまで忙しい日も多くないので、教育もそれなりに手厚く行われていると思う。他の部署の人からみたらゆとりと言われそうなこの環境に身を置きながら、私は今の仕事を辛いと思っている。

特に怖い人と思う人はいないし、定時で帰ってプライベートな時間もちゃんとある。経験年数を重ねてそれなりに任される仕事が

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ジョーカーをひいた日

ジョーカーをひいた日

生きているとときどき
やることなすこと面白いくらいに
上手くいかない日があって

昔は毎回絶望していたんだけれど
最近は「あ、また来たか」                                   くらいに思えるようになった

努力したり気をつければ
変えられることは山ほどあるけれど

それでも時々やってくる「上手くいかない日」は
トランプのジョーカーみたいなものかもしれない

ジョーカ

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休日の絶望

休日の絶望

午前10時。

お腹がすいた。だが動くのは億劫だ。

昨日はほとんど1日何もせずに眠りに耽っていた。朝早くから時計を気にして身支度を整え、寒空の下出勤する必要のない休日は、朝からそれだけで幸せだった。休みの日になると、とりあえず飽きるまで眠るのが日課で、それだけで1日が終わることもしばしばある。しかし、そんな休みも2日目となると、流石にもうこれ以上眠ることは難しく、寝すぎたせいで身体は寧ろ怠くさえ

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生きるのは面倒だけど、死ぬのはきっと迷惑だから

生きるのは面倒だけど、死ぬのはきっと迷惑だから

生きているのが面倒だ。
悩むことも、落ち込むことも、
自己嫌悪で消えたくなるのも
もう嫌だ。やめたい。

愛する人に生かされるのだってごめんだ。
"生きる意味"なんて足枷になるより
はやく死んで、
綺麗な思い出になりたい。

そんなこと言うと
心配してくれたり、怒られたりするけれど
否定されたところで、そう思ったことは変わらないから
どうか、私の感情を悪く言わないでよ

思うのは勝手でしょ
大丈夫

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わたしは押入れの奥の置物

わたしは押入れの奥の置物

生きていれば辛いことはある

トーストが真っ黒に焦げた
洗濯機の裏に洗濯バサミが落ちていった
しょうもない失敗で昨日も人に迷惑をかけた

そんな小さな不幸が部屋の隅の埃のように
知らぬ間にゆっくりと心の溝に積もっていく

いつの間にか拭い取れないくらいにこびりついて
埃まみれになった心は
押入れの奥で忘れ去られた置物のように
いつしか自分を用無しの役立たずだと
思うようになってゆく

ここに存在す

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うまくやろうとしなくていいわよ。うまくいかない人の気持ちがわかる人になってあげてね。零れてきた涙を拭きながら、私もそういう人になりたいと思った。

柿8年コース

柿8年コース

なんだか、わたしだけ遅れているような気がする。まわりの流れのはやさについていけない。自分だけがカメで、他のみんなはうさぎに見える。

どれだけ力を振り絞っても のろまな足はのろのろ動く。はずかしい、くやしい、情けない、消えてしまいたい。

こんな負けレースなんて今すぐ辞めて、カメらしいのんびりとした生活がしたい。だけど諦めるにはまだ早いかもしれないと、諦める前にもう少し先に行ってみようと歩みを進め

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stomachache

stomachache

 お腹が痛い。下腹部の臓器を内側から絞られているような、大きくて鈍い痛みの波が寄せては返すこの時間が、あと何十時間続くのだろうかと想像するだけで気持ちが悪くなってくる。どんな体勢をとっても痛みが付いてくるこの状態を、身の置き所がないと表現するのだろう。横になって何もしないでいる方が、幾分楽になる気はするが、薬を飲んでこうしてじっとしている他に、為す術がないのがなんとも悔しい。
 何かをしていた方が

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baton

baton

 「働き始めた頃は、仕事が嫌で嫌で仕方がなかった。」休みの度に実家に帰って、仕事に行きたくないと言っていたなんて信じられないくらい、今その人は責任ある立場にいて、堂々と仕事をしている。私と同じような気持ちの時があったなんて、考えたこともなかった。
 優しく励ましてくれるような人ではないし、私は正直少し苦手な人だった。私のような性格をあまり好まないと思うし、嫌われているのだとすら思っていた。辛かった

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不幸な健康

不幸な健康

あの頃の彼の心には、仕事を辞めたいという気持ちが雑草のように根を張っていて、そこに何かを実らせる余裕なんて、これっぽっちも持ち合わせていなかった。

仕事を終えて家に帰ると、毎日のように独り涙を流していた。他人のことを気にしなくていい自分だけの部屋は、あの頃の彼にとって、家賃以上の価値があった。思いっきり嗚咽をあげて泣いたあとは、少しだけすっきりしたような気持ちになった。もう少し頑張ってみよう、今

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