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#冬

【詞】orion

【詞】orion

北国は間近 吐息は白い

淋しい木々や雪は 夜そのものなんだ

明けない夜は無いんだって

歌は鱗を散らして歌う

暗闇の迷子の手を引くように

夜空のオリオン

いつも見守っているから

もう少しだけ もう少しだけ 踏む歩幅

もう少しだけ もう少しだけ 減る歩幅

その繰り返しが 僕そのものなんだ

冬の遥か 月に近く 息を飲む 星羅

星になった すべてのものの

声が降りそそぐ今日だ

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【詞】橇や言葉や狐の

【詞】橇や言葉や狐の

橇を履いて雪原を進んでいくのは

紙の中に言葉を書き連ねていくみたいだ

先々の余白に道を踏み固めていく一心で進む

アイデアのひとしずくを筆先で膨らませるように綴る

その相似を考えながら 息を吐いている

誰かが待ってるわけじゃないけど 寂しいわけでもない

ずっと考えていると すべてが止まるように感じる

橇や言葉の足音はゆらゆらと夕日に差し掛かる

橇を履いて 狐をイメージしてみる

紙の

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【詞】ゆきどけ

【詞】ゆきどけ

斜めの季節だ 斜めの季節が来たんだ

亡霊みたいな希望が 砂を掴んでやまないのだ

一人でいいのに というか 一人じゃないのに

不安で押し潰されそうなわけじゃないのに

斜陽は笑う 人波は人波なだけで

とけこもうとするから 思い出せればいい

晴れてるのに 雪が降るから 悲しいんだ

そうじゃなくても 虚しいんだ

答えもなく 電車に乗る 世界を見送った

夜の湾へ向かった

斜めの季節だ 斜

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【詞】落日

【詞】落日

落日の後には 夜の花が咲く

魚の群れをなして 揺れる色彩

段々 とけていく

放課後のブランコの水性が

じわじわ とけていく

今日書いた日記をすべて

シュレッダーにかけた

落日の後には 消えてしまいたかった

深い海の砂や風に巻かれて 旅してみたかった

うみべの石の上を歩く

私の想像のともだちはもっと上を浮かぶ

落日の後には 窓の傷が疼く

ごうごうと嵐のような虚無が包む

そこ

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【詞】ユリイカ

【詞】ユリイカ

春夏秋冬はすぐに終わるから

窓の外の表情も

過去形にすれば過去形で

雪が降り積もる

雪が降り積もることばかり考えている

瀟酒な冬か

部屋はガラクタで埋まっている

この通りの僕か

気持ちが有れば

ひとしずくの息は風になる

駆け抜けたのは

獣道の一縷

春夏秋冬はすぐに消えるから

あれは部屋に姉がいた頃

眠りの奥で思い出す

右耳まで髪が伸びては

切るタイミングを逃している

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【詞】壁

【詞】壁

なんにもないのを穴埋めするのは難しいので

雀の涙ほどの気持ちで言葉を重ねていったら

自分の立てる足下が無くなっていました

自分で自分を削り続けて

世界から居なくなってしまおうと思っていたのか

闇を引っ掻いていた

まるで空蝉の羽根みたいな昼下がりが

トンネルを抜けた先の自分を貫いて

にやけるような日々が続いていた

高低差のある夢の切れ端で現実を編んだ

壁を撫でれば すぐに壊れる気

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【詞】夏の影

【詞】夏の影

生きているのは もしかしたら何かを探索するため

去った夏の影見つけ 暖炉で編んだマフラーと

どこまでも行き交い 行き交う 雪の宵闇が

掌に冷たかったりする

海の絵を描いた 波の細部まで

数ヶ月前の夏は塔のように佇んでいる

夏が淋しく通り過ぎるほどに

雪原の足下の凍えが大きくなる

きっといつかは比例する

生きているのは もしかしたら 夏を模るため

夏の影のもう少し先の 見慣れた建

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【詞】ハイウェイ

【詞】ハイウェイ

PM9:00のバスは静か
バスからの夜景が好きだった

高速を照らすライトは一定の規則で並ぶ
いつまでも続く光に救われた気がしたよ

遠い雨らしい onomatopéeのように落ちる
百鬼夜行らしい 星や雲の間を埋める

想像している 乾いた喉で水を飲む
ここで とある静けさ として
ここで ひとつの観客 として

夜の高速道路の分岐から、一定の距離でライトがずらっと並んでいる光景が面白く、イメー

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【詞】嘘として逃げたい

【詞】嘘として逃げたい

遠い向こうの川の向こうの魚の鰭として

または嘘として逃げたい

震えるのは窓の風が

化け物の声に聞こえるから

海の底の水母の足の一つとして

または闇として逃げたい

震えるのは爪の影が

やけに鋭利に映るから

引っ掻いて 冬の寡黙を

繕って 撫でる夜空を

遠い向こうの

川の向こうの

山の向こうの

海の向こうの

人の向こうの

ヒトの向こうの

ヒトノムコウノ



詞の新作

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【詞】結局

【詞】結局

明るく降る雪を 白い世界を

小さい挨拶より大きく生きてみたい

飲み干した空き缶を潰して

何を思う 見慣れた部屋の天井

寝転んでいても 剥がれないよ

後ろ向き いつものことさ

はっきりした声で返せば変わるだろうか

すべてが終わるその日まで

どこかに行くにも 剥がれないよ

後ろ向き いつものことさ

はっきりした声で返せば変わるだろうか

すべてが終わるその日まで

明るく降る雪を 

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【詞】背骨とか

【詞】背骨とか

ノートが砂のようにざらついている頃

食わず嫌いしていた明日の背骨が来る

魔物のように炎を吐いて 新雪の陰影を

溶かして 塒を巻いているんだ

使い古した頁の余白の結露をぬぐい

書き起こせば

十代のゆらぎが今も部屋を流れる

キッチンに沈むリンゴも

きっと鏡を担うだろう

見惚れた図鑑の言葉の意味を

此処でいっぱい受け止める

無色 透明 になりたい

無色 透明 になりたい

ノート

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【詞】本と結露

【詞】本と結露

冬の朝に冷たくなった本を開く
頁の一枚一枚が結露するよう

空に雲を刺繍する頃
マフラーを巻いて

旅をするように 本は進む
木々のように佇む誰かが
結露の先に見える
浮かぶものに惹かれる

劇場のドアの奥で
世界は より 世界だ
結露の先で
今日がすぐそこまで来てる

詞の新作です

以前、早朝に起きた際、本を手に取ったところ、ひんやりとしていたので、そこからイメージしました

一足早く 冬 を

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【詞】冬眠と泡沫

【詞】冬眠と泡沫

眠れない夜に 魚が空の川渡る想像してる

眩い鱗の冬の星 源流は白い

私も鏡に映る記録を束ねては

名前も付けずに風にのせ

この世に似た地のあの人へ

遠い土地で鳴いた鳥と舟を浮かべた旅人

忘れたように 枯れ葉の束を抱き

懐かしく眠る

嘘もまた浮遊する

どうにも話の蔵が錆びてく

枝分かれのあの夢はいつの日も

泥濘の花みたいに

移ろう毎に見える言葉の隙間に

また冬季を通す

こち

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【詞】冬の心

【詞】冬の心

少し暗いです

空の星を指で繋いでいた
自分だけの星座創っていた
星座はやがて夜の向こうへ消えていった
消えていった光が優し過ぎるんだ
強く柔らかく包み込むんだ
芝に寝転ぶ僕には壁が出来ているのに

この時間だけ、時間だけ味方でいてくれればいい
分からなくなっていく
冬の心、誤魔化さないでくれ
自分が分からなくなっている
冬の心、誤魔化さないでくれ
誤魔化さないでくれ

空の星を指で繋いでいた

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