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2025年2月4日 19:30
北国は間近 吐息は白い淋しい木々や雪は 夜そのものなんだ明けない夜は無いんだって歌は鱗を散らして歌う暗闇の迷子の手を引くように夜空のオリオンいつも見守っているからもう少しだけ もう少しだけ 踏む歩幅もう少しだけ もう少しだけ 減る歩幅その繰り返しが 僕そのものなんだ冬の遥か 月に近く 息を飲む 星羅星になった すべてのものの声が降りそそぐ今日だ雪
2025年1月26日 19:30
橇を履いて雪原を進んでいくのは紙の中に言葉を書き連ねていくみたいだ先々の余白に道を踏み固めていく一心で進むアイデアのひとしずくを筆先で膨らませるように綴るその相似を考えながら 息を吐いている誰かが待ってるわけじゃないけど 寂しいわけでもないずっと考えていると すべてが止まるように感じる橇や言葉の足音はゆらゆらと夕日に差し掛かる橇を履いて 狐をイメージしてみる紙の
2025年1月15日 19:30
斜めの季節だ 斜めの季節が来たんだ亡霊みたいな希望が 砂を掴んでやまないのだ一人でいいのに というか 一人じゃないのに不安で押し潰されそうなわけじゃないのに斜陽は笑う 人波は人波なだけでとけこもうとするから 思い出せればいい晴れてるのに 雪が降るから 悲しいんだそうじゃなくても 虚しいんだ答えもなく 電車に乗る 世界を見送った夜の湾へ向かった斜めの季節だ 斜
2024年12月28日 19:30
落日の後には 夜の花が咲く魚の群れをなして 揺れる色彩段々 とけていく放課後のブランコの水性がじわじわ とけていく今日書いた日記をすべてシュレッダーにかけた落日の後には 消えてしまいたかった深い海の砂や風に巻かれて 旅してみたかったうみべの石の上を歩く私の想像のともだちはもっと上を浮かぶ落日の後には 窓の傷が疼くごうごうと嵐のような虚無が包むそこ
2024年12月27日 19:30
春夏秋冬はすぐに終わるから窓の外の表情も過去形にすれば過去形で雪が降り積もる雪が降り積もることばかり考えている瀟酒な冬か部屋はガラクタで埋まっているこの通りの僕か気持ちが有ればひとしずくの息は風になる駆け抜けたのは獣道の一縷春夏秋冬はすぐに消えるからあれは部屋に姉がいた頃眠りの奥で思い出す右耳まで髪が伸びては切るタイミングを逃している
2024年12月26日 19:30
なんにもないのを穴埋めするのは難しいので雀の涙ほどの気持ちで言葉を重ねていったら自分の立てる足下が無くなっていました自分で自分を削り続けて世界から居なくなってしまおうと思っていたのか闇を引っ掻いていたまるで空蝉の羽根みたいな昼下がりがトンネルを抜けた先の自分を貫いてにやけるような日々が続いていた高低差のある夢の切れ端で現実を編んだ壁を撫でれば すぐに壊れる気
2024年12月8日 19:30
生きているのは もしかしたら何かを探索するため去った夏の影見つけ 暖炉で編んだマフラーとどこまでも行き交い 行き交う 雪の宵闇が掌に冷たかったりする海の絵を描いた 波の細部まで数ヶ月前の夏は塔のように佇んでいる夏が淋しく通り過ぎるほどに雪原の足下の凍えが大きくなるきっといつかは比例する生きているのは もしかしたら 夏を模るため夏の影のもう少し先の 見慣れた建
2024年12月7日 18:30
PM9:00のバスは静かバスからの夜景が好きだった高速を照らすライトは一定の規則で並ぶいつまでも続く光に救われた気がしたよ遠い雨らしい onomatopéeのように落ちる百鬼夜行らしい 星や雲の間を埋める想像している 乾いた喉で水を飲むここで とある静けさ としてここで ひとつの観客 として夜の高速道路の分岐から、一定の距離でライトがずらっと並んでいる光景が面白く、イメー
2024年11月15日 20:00
遠い向こうの川の向こうの魚の鰭としてまたは嘘として逃げたい震えるのは窓の風が化け物の声に聞こえるから海の底の水母の足の一つとしてまたは闇として逃げたい震えるのは爪の影がやけに鋭利に映るから引っ掻いて 冬の寡黙を繕って 撫でる夜空を遠い向こうの川の向こうの山の向こうの海の向こうの人の向こうのヒトの向こうのヒトノムコウノ君詞の新作
2024年11月15日 19:30
明るく降る雪を 白い世界を小さい挨拶より大きく生きてみたい飲み干した空き缶を潰して何を思う 見慣れた部屋の天井寝転んでいても 剥がれないよ後ろ向き いつものことさはっきりした声で返せば変わるだろうかすべてが終わるその日までどこかに行くにも 剥がれないよ後ろ向き いつものことさはっきりした声で返せば変わるだろうかすべてが終わるその日まで明るく降る雪を
2024年11月8日 20:00
ノートが砂のようにざらついている頃食わず嫌いしていた明日の背骨が来る魔物のように炎を吐いて 新雪の陰影を溶かして 塒を巻いているんだ使い古した頁の余白の結露をぬぐい書き起こせば十代のゆらぎが今も部屋を流れるキッチンに沈むリンゴもきっと鏡を担うだろう見惚れた図鑑の言葉の意味を此処でいっぱい受け止める無色 透明 になりたい無色 透明 になりたいノート
2024年10月26日 20:00
冬の朝に冷たくなった本を開く頁の一枚一枚が結露するよう空に雲を刺繍する頃マフラーを巻いて旅をするように 本は進む木々のように佇む誰かが結露の先に見える浮かぶものに惹かれる劇場のドアの奥で世界は より 世界だ結露の先で今日がすぐそこまで来てる詞の新作です以前、早朝に起きた際、本を手に取ったところ、ひんやりとしていたので、そこからイメージしました一足早く 冬 を
2024年10月12日 19:30
眠れない夜に 魚が空の川渡る想像してる眩い鱗の冬の星 源流は白い私も鏡に映る記録を束ねては名前も付けずに風にのせこの世に似た地のあの人へ遠い土地で鳴いた鳥と舟を浮かべた旅人忘れたように 枯れ葉の束を抱き懐かしく眠る嘘もまた浮遊するどうにも話の蔵が錆びてく枝分かれのあの夢はいつの日も泥濘の花みたいに移ろう毎に見える言葉の隙間にまた冬季を通すこち
2024年4月30日 19:30
少し暗いです空の星を指で繋いでいた自分だけの星座創っていた星座はやがて夜の向こうへ消えていった消えていった光が優し過ぎるんだ強く柔らかく包み込むんだ芝に寝転ぶ僕には壁が出来ているのにこの時間だけ、時間だけ味方でいてくれればいい分からなくなっていく冬の心、誤魔化さないでくれ自分が分からなくなっている冬の心、誤魔化さないでくれ誤魔化さないでくれ空の星を指で繋いでいた自