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#詩集

【詞】暁

【詞】暁

空想の梯を上る人々の夢の中
暁は何よりも 満たされていた

両手を広げ 腕の帆に
星が零れる瞬間に
暁は賑やかに 振り向いていた

緩やかな川のほほえみに
車輪を漕いだ一心と
猫のまどろみ 暗闇に
のどを鳴らして 朝を待つ

景観が 隙間から走る

景観が 隙間から走る

暁の街に降る

陽射しに実は分かっている

誰もいない未来を少し想像している

りんご飴のような月を深く抱いて眠っていた

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【詞】砂上の楼閣♯

【詞】砂上の楼閣♯

砂を掴めば掴む程に
ルアーを凝らす池の畔で
遠く微かに 人の幻
暁を一つ越えて来る火は
千里の夢を見ているらしい

雲の滲んだ蒼茫
錆びた歯車の散らばる辺りで
グラフィックの私は独り
きらめくように吹く
風向き あつめている

砂を編んだ
陽の光の差す空き瓶を
拾ったようで より色は
モノトーンに染まってく

影だけがそこにある
影だけがそこにある
不思議な都がある

砂を編んだ
陽の光 ぐるり 

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【詞】雲のスープ

【詞】雲のスープ

眠りの薪をくべる

囀りならずっと

羽の擬音で 雲の上まで

そこから降る雨や川を

模る 音を走らせ

向かい側から見上げてみたら

捩じれる空の由来がなびく

縁側の風







眠れる夜が明ける

夢の奥底からそっと

柑橘の声 果実の舟で

そこで目覚める瞳の意味が

彩る 指を走らせ

キッチンの火とサラダのボウル

思い浮かべる日々はサラサラ

直喩の川へ

詩集 "真夜中

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【詞】花の思慮

【詞】花の思慮

街が目の前にある

街が目の前にある

(いよいよ、いよいよ)

ビル群の幻に

(いよいよ、いよいよ)

花びらの思慮を重ね

街がこの前にある

街がこの前にある

(いよいよ、いよいよ)

連綿の葉脈から

(いよいよ、いよいよ)

事象 幾千 夜を数え

エモーション

悠久

花の思慮を重ねる街へ

暁闇

戸惑いの住む人へのモーション

探求

時々の別れから

エモーション

エモー

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【詞】ナイロン

【詞】ナイロン

カーテンを開けた瞬間がはじまりだとしたら
閉めきったままでもいいと思えたり
少し正直になれたら
手を振る物もあるでしょ 物もあるでしょ

歩き出す春を数えて どれぐらい
風の数だけ 先を行く
夢に見るまで もう少し
佇む未来

光にもなれるかもしれないね
弧を描く音へと深く
行けるかも あと少しだけ
星を向く 顔を上げて
風を呼ぶ

青の花火鳴る日いつまでも胸に仕舞っていてよ
ここからの握った手を

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【詞】ラストシーンの向こう側

【詞】ラストシーンの向こう側

僕らの最深部のあの夏は欲しがったって手に入らない
最初から無いものだって思った方がいっそいいのかと思ったりもしたよ
よくある話を積み上げたその何気なさを振り返ることしかできないのだと

自転車に乗ってどこまでも行けそうさ
風に髪を泳がせて、全力で息を吐いたあの人の背はあの時のまま
段々自分だけ大きくなって、街と変わって、

あれから何年目の夏だっけ すっかり世界は別の物
時には恍惚とした日々に笑っ

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【詞】冬の心

【詞】冬の心

少し暗いです

空の星を指で繋いでいた
自分だけの星座創っていた
星座はやがて夜の向こうへ消えていった
消えていった光が優し過ぎるんだ
強く柔らかく包み込むんだ
芝に寝転ぶ僕には壁が出来ているのに

この時間だけ、時間だけ味方でいてくれればいい
分からなくなっていく
冬の心、誤魔化さないでくれ
自分が分からなくなっている
冬の心、誤魔化さないでくれ
誤魔化さないでくれ

空の星を指で繋いでいた

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【詞】暁闇-2

【詞】暁闇-2

風声鶴唳のその刹那が 沈んでいく重力と
残る感覚に沿って 招く光に蠢いていく
思い出せない言葉 
電燈
さざめく雑踏の方へ
ひた走るクラゲに見えたんだ

立ち止まる僕は影 心は絡繰り屋敷のように
感情の仕掛が次から次へと
立ち止まる僕は影 心は嵐の夜のように
表情の木々を荒々しく

その暁闇の通りを今一度
粒子ほどの憶えを読み返す
また忘れるほどの遠雷から来る
雨に部屋から抜け出そう
冷えた風に悴

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【詞】雨の轍

【詞】雨の轍

雨の轍消えた此処で
かの日の紅
忘れられないくらいの銀世界の虹
思い出した
君の話一つ聞かせて
嘘でもいいから
君の顔浮かび出した
アスファルトに立つ

ごめんね、そこで言葉の渦に
僕は回って夜な夜などこか
遠くの朝の踊る薫り
そこに居るからそこに居るから
カーテンの前で蹲る僕が重なる地平
君の話一つおしえて
日常の朝

雨の轍消えた此処で
かの日の儚い
忘れられないくらいの空を
思い出した
僕の

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【詞】題名のない...

【詞】題名のない...

通り過ぎた
焔みたい、紅い、紅い雲
夜の帷と
花の見える川面へ
きっと僕の言葉は泥濘
行ったり来たり
行ったり来たり
それでも伝えたいな
伝えたい


題名のない…
題名のない気分は
今を逆再生して
すべてやり直しそう
題名のない…
題名のない川面に
例えば、例えば
誰かを思い浮かべて

鮮やかに、鮮やかに
土手から見えたスターマイン
そうきっと知っていたはず
布団に入る前に
電柱、その先を照ら

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【詞】桟橋

【詞】桟橋

桟橋に船が着く頃
夜は徐々に熱帯
眠りの横に流れる風を聴き
残る季節を指で数える

この生活の路線図は
膨大でまだまだ端のない
どこまでも道を描ける
そう駆け抜けていく

星羅の夏を響くあの日、花火の音
羽をゆらす鈴虫と隣り合わせ

桟橋に船が着く頃
夜は徐々に薄白くなり
水面に映る顔を見て
髪が伸びたことに気付く

この生活の路線図は
壮大でまだまだ知らない
どこまでも声は駆ける
そう駆け抜けて

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【詞】春の名前

【詞】春の名前

軋んだ冬のブランコに名前を落としてきたらしい
そのまま遠くへ来たもので、心配そうな君
隅々まで名前のある世界にもうすぐ春の兆し
浮かない顔をする君にも、そのうち
春は来るからさ 心配しないで

道は延々と柔らかい言葉だけ映すけれど
君の中では、そういうことじゃないだろうことを分かっている
君の名前を見つけることが宿命なんだと思っている
春の兆しを見つけたときは孤独ではないと思ってほしい

今、目に

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【詞】日蝕

【詞】日蝕

とりあえず一人を貫く
一人は、それは気楽だけれど
色々とすり減ることがある

仕方ないとばっさり捨てた過去は
まるで煙のように薄暗い
星は点々と
月の名の船は終着へ

通り過ぎた記憶はまるで
近くて遠い道すがら
見つめるガラスは鏡になって
佇む僕と日蝕を映し

枝垂れ柳のように街を灯す
照明の中を汗ばみ急いだ
幼気な月と違う明日の風は
心の波間をゆらす

おおよその幻と影を踊らせた指で
今までに呟

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【詞】シャロー

【詞】シャロー

インプットして粘土のように
こねて出来た月の裏側
何もかも刹那の火花
時間を数えて一つ、二つ、三つ目には月の裏側
瓶に立てた水中花

雲間に飛ぶ鳥は気のせい
赤い夕暮れも気のせい
気のせいじゃないのはあなたの気配
どこからか懐かしく、言葉を言いたげに

何でもない夜の光る
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと
何にもない夜の笑う
ぐっと、ぐっと、ぐっと、ぐっと

インプットして粘土のように
こねて出来た

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