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アウトソーシング利活用とIT部門の位置づけ考察(6)~アウトソーシングへの考察 ~
前回(第39回)は、経営から見た「3.IT部門の位置づけ」と「4.IT部門の構成の考え方」ということについて考察しました。38回から続き、IT部門の方向性を決めること、そして自社内に保持すべき「役割と機能」を検証し、それを実現する組織構成について述べました。
続く今回(第40回)は、IT部門における経営戦略(DX戦略)への実効性、実現性を高める自社プロパーの集中化(経営が求めるコアコンピテンシーに注力すること)を可能にするための「5.アウトソーシング化の範囲」について考察します。
5.アウトソーシングへの考察
情報システム部門において、どのような機能をアウトソーシングできるのか、情報システム部門のあり方を含め、アウトソーシング範囲、形態についての考察を示します。ここではコンピュータ機器、インフラ関連など、ハードウェア・ソフトウェアのアウトソーシングについては、情報システム運用に含んでいるものとお考え下さい。
図1の「アウトソーシング検証範囲」(1)~(4)について、以下に示します。
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(1) BPR /情報システム構想立案(コンサル委託)
上流コンサルティングとして、企業のBPRおよび情報システム化戦略構想立案での外部活用を行うこと。また、要件に応じた経営戦略、営業戦略の立案までの外部ノウハウ活用までを委託すること。そこでは、大きく分けて、以下の3つについての委託の在り方があると考えています。
① IT化戦略を中心とした、情報システム化構想立案コンサルティング。
② 経営戦略、営業戦略そのものに対する、ビジネス構想立案コンサルティング。(図1赤線範囲)
③ 業務プロセス変革のための、BPRコンサルティング。
(2)情報システム構築(開発委託)
情報システムの基本計画から、設計、開発(プログラミング、テスト等)、メンテ等までを委託すること。所謂、開発のアウトソーシングです。ただ、検証フェーズにおいては、自社(現場を含む)要員での対応が必須と考えます。
(3)情報システム運用(運用委託)
日々のシステム運用をアウトソーシングすること。マシン運用から、デリバリー、各種問い合わせサービス(カスタマー・サポートデスク)までの範囲を委託することです。また、業務運用の観点からの各種デリバリーの他、データ登録/メンテサービス等まで含めた対応も考慮可能と考えます。
(4)その他(調査、研究委託(マーケティング))
世の中の動向をウォッチングしていくための活動として、外部機関(アウトソーシング)を活用、委託すること。ただし、そうした調査、研究の成果を受け、経営戦略、営業戦略、情報化戦略等の構想立案への適用力、応用力、並びにその『分析力の育成』などは、自社プロパーでの推進が必須と考えます。
現在、アウトソーシング(外部委託)可能範囲として、自社プロパーの役割を『企画、構想立案』と『マネジメント』に集約することが可能なところまで来ているのではないかと考えています。このことを前提に、今後の取り組み方を検証することが重要と考えます。(マネジメントには、現場部門(情報リテラシーの向上)育成指導を含みます)
どのようなことでも同様ですが、取り組む(検証する、実践する)にあたっては、「徹すること(中途半端にしない)」が重要だと考えます。自社の現状、実態を再検証される際、頭の片隅に置いて頂ければと思います。
さて、次回(第41回)は、アウトソーシングを導入するにあたって「考えられる形態と、その取り組みパターン」ということについて、考察します。
*1:BPR(Business Process Re-engineering)
これまでの業務構造を抜本的に見直し(改善ではなく、改革)、業務プロセスを再構築する取り組み。主に、顧客価値の向上を軸に再設計(職務や組織、業務手順、制度などを刷新)すること。特に、取り組みにあたっては、企業や組織カルチャー、しがらみ(取引慣行)などに縛られて漫然として継続してきたような業務の無理無駄を排除し、合理化、効率化を実現する取り組みが求められる。
【前5回までの掲載記事】
第35回
第36回
第37回
第38回
第39回