アウトソーシング利活用とIT部門の位置づけ考察(3)~ 経営環境・IT部門を取り巻く環境の変化 ③ ~
これまで、2回にわたり「経営環境・IT部門を取り巻く環境の変化」と、それに対応する「IT部門の実情」と「主な取り組み施策」ということについて、考察してきました。 取り組み施策について、再掲(一部改編)しておきます。
*1:プロフィットセンター化
自社のシステム開発だけでなく、社外からのシステム受託に道。
*2:ベンダーとの共同会社化
主要ベンダーとIT新会社を共同設立し、IT部門要員を移籍する方式。
この場合、新会社の株式はベンダーが半数以上を所有する形態が一般的。
今回は、そうした環境変化に対応するために取り組まれてきた、これまでの種々の施策について、それらをより「効果的なものにする(取り組む際の課題を解消する)」ために、予め検証しておくべき観点について考察しておきたいと思います。
5.課題解消に向けた検証観点
種々の施策を効果的に実践するにあたっては、予め考えておくべき課題があると考えています。具体的にどのような課題があるのか、解消すべき観点としてどのようなことを意識すべきなのかということについて、以下に示します。
*3:SLA(Service Level Agreement)
サービス提供者との間で、委託する「サービスの内容、その品質」について記載した合意(契約)書。
*4:不安
サービス規定内容における、「小回り性や、融通性など」についての不安。ある程度の割り切り(諦め)が必要に。
*5:IT-ROI(IT-Return on Investment)
投資対利益率。ITに投資して得られた利益の割合を示す指標。
*6:BPO/BTO
・BPO(Business Process Outsourcing)
業務プロセスに関わる仕組みを、一括して外部に委託すること。
・BTO(Business Transformation Outsourcing)
DX推進のために「業務・ビジネス変革」を外部委託すること。
以上、3回にわたり、経営、社会環境の変化に対応し得る「IT部門における実情とこれまでの取り組み、そして実践(解消)するために検証すべき観点」について考察してきました。
今、実践するべきことは、これまでの「社内しがらみ」を捨て、経営にコミットしえるノウハウと時間を作るための「仕組み」を確立することであり、そのためには、徹底した「外部活用(アウトソーシング)の可能性」を追求することが必要であると考えています。(利活用の検証)
ということで、次回から「アウトソーシングを利活用する」ためにどのような方法論があるのか、その際、自社のIT部門をどのような位置づけにすべきか、また考えておくべきか、ということについて考察していきたいと思います。
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