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🌜随筆です🌛

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自分の日々物思いにふけりながら記した随筆です。 よろしければどうぞ。
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#大切

流行よりマイ流行を (随筆52)

流行よりマイ流行を (随筆52)

流行とは面白いものです。誰かが「これがいい」と言い始めたら、みんなが一斉にそれに飛びつきます。洋服でも音楽でも、食べ物でも。流行の中心にいる人々が指を指す方向に、私たちは無意識のうちに従ってしまう。SNSで盛り上がるトレンドは、次の日には街中で見かけることが増えます。それはまるで、見えない手が私たちを操っているかのようです。

でも、ふと立ち止まって考えてみると、この流行という波に乗ることが本当に

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🌌静けさを大切に (随筆・49)

🌌静けさを大切に (随筆・49)

私たちの生活は、絶えず光や音に包まれています。街の喧騒、スマートフォンの通知音、テレビの声。そんな中で、私は静けさの価値に気づくようになりました。

数年前、ある夏の日の午後、私は家の庭でぼんやりと過ごしていました。その日は特に暑く、木々の葉が涼しげな音を立てるだけで、周りの世界が少しだけ遠く感じられました。そこで、私は初めて「静けさ」というものが持つ力に気づきました。風が木々を揺らし、鳥のさえず

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🐌カタツムリ (随筆・38)

🐌カタツムリ (随筆・38)

ゆっくりと、しかし確実に、カタツムリはその小さな家を背負い、湿った庭を進んでいきます。彼の動きは緩慢ですが、その一歩一歩には意味があり、目的があります。彼は自分のペースで世界を旅し、小さな冒険を楽しんでいます。

彼の家は彼の城です。螺旋状の美しい形をしたその家は、彼に安全と安心を提供します。外の世界がどれほど騒がしくとも、彼はいつでもその小さな避難所に身を隠すことができます。彼の家は彼の個性を映

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🪙奇貨 (随筆・34)

🪙奇貨 (随筆・34)

奇貨とは、珍しい品物、または機会を意味します。しかし、私たちの日常生活において、奇貨は物理的なものだけを指すわけではありません。時には、一瞬の出会いやふとした瞬間が、人生を変える奇貨となることもあるのです。

奇貨を見つけるには、まず周囲の世界を注意深く観察することが大切です。日々の生活の中で、何気なく過ごしている時間にも、実は奇貨は隠れているのです。それは、新しいアイデアかもしれませんし、偶然耳

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🪷蓮華 (随筆・31)

🪷蓮華 (随筆・31)

蓮華は、古代から美と清浄の象徴とされてきました。その花びらは水面に浮かぶように咲き、その姿はまるで仙人の住む仙境からやってきたかのようです。蓮華は、池や湖の中で静かに咲くことが多く、その美しさは心を癒してくれます。

蓮華は、仏教の教義にも深く結びついています。仏教では、蓮華は「汚れなき心」を象徴しています。蓮華は泥の中から咲く花でありながら、その花びらはいつも清浄で美しい。このように、私たちも日

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🐕犬も歩けば・・・ (随筆・30)

🐕犬も歩けば・・・ (随筆・30)

犬も歩けば棒に当たる。このことわざは、何気ない日常の中で予期せぬ出来事に遭遇することの喩えですが、私たちの人生においても同じことが言えるのではないでしょうか。
歩き続けることで、良いことも悪いことも、思いがけず訪れる。そんな人生の不思議と魅力について、今回は少し述べてみたいと思います。

私がこのことわざを身をもって体験したのは、ある晴れた春の日のことでした。
いつものように散歩をしていた私は、ふ

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🗺️もったいない (随筆・29)

🗺️もったいない (随筆・29)

もったいない、という言葉は、日本の美徳として長い間大切にされてきました。物事を粗末に扱わない、無駄遣いをしない、という意味合いで使われることが多いですが、この言葉にはもっと深い、文化的な背景があります。それは、物への感謝と、全てのものに命が宿るという考え方です。

私たちは日々の生活の中で、さまざまなものを消費しています。食べ物、衣服、電気、水...。これらはすべて、私たちの生活を支え、豊かにして

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❤️‍🔥焼きもち (随筆・23)

❤️‍🔥焼きもち (随筆・23)

焼きもち、それは人の心に静かに住む感情の一つです。
誰もが一度は経験するでしょう。友人が新しいスマートフォンを手に入れた時、同僚が昇進した時、あるいは恋人が他の誰かと笑っているのを見た時。そんな瞬間に、心の中で小さな火が灯ります。

この感情は、私たちが大切に思うものを守りたいという本能から生まれるものです。しかし、時にはその火が大きく燃え上がり、コントロールを失ってしまうこともあります。それが焼

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💈温故知新 (随筆・25)

💈温故知新 (随筆・25)

温故知新、古きを訪ねて新しきを知る。
この言葉は、私たちが過去を振り返りながらも、新しい知識や経験を積み重ねていく大切さを教えてくれます。

昔の人々は、今の私たちが想像もつかないような生活をしていました。彼らにはインターネットもスマートフォンもありませんでしたが、それでも彼らは自分たちの世界を豊かにし、多くの知恵を蓄えていました。その知恵は、今日の私たちが便利な生活を送るための基礎となっています

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👣足音 (随筆・22)

👣足音 (随筆・22)

静かな夜、月明かりが窓から差し込む部屋で、私はふと耳を澄ませました。

外はすっかり静まり返り、人々の営みも眠りについたかのようです。しかし、そんな静寂を破るかのように、遠くから足音が聞こえてきました。一歩、また一歩と、それは徐々に近づいてくるのが分かります。不思議と心地よいリズムで、私の耳には明確にその音が響いていました。

足音というものは、その人の生き様を映し出す鏡のようなものだと思います。

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🌳木 (随筆・15)

🌳木 (随筆・15)

私たちが日々の喧騒から離れ、自然の中で静かな時間を過ごすとき、木々はその古びた枝を通して何かを語りかけてくるように感じます。
都会の生活では見落としがちですが、木々は私たちにとって大切な存在です。
彼らはただ静かに立っているだけではありません。木々は、私たちの心に寄り添い、時には慰めや勇気を与えてくれるのです。

春には、桜の木々が満開になり、その美しさで私たちの心を癒やします。夏には、緑豊かな葉

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💁‍♀️隣人 (随筆・9)

💁‍♀️隣人 (随筆・9)

私たちの生活には、さまざまな「隣人」が存在します。彼らは、文字通り隣の家に住む人々かもしれませんし、職場で隣のデスクに座る同僚かもしれません。または、通勤電車で毎朝顔を合わせる人々のことを指すかもしれません。
隣人とは、単に空間的な近さにとどまらず、私たちの日常に溶け込んでいる存在です。

例えば、ある老夫婦は、毎朝早くから庭の手入れをしています。彼らの庭は四季折々の花で彩られ、通りを歩く人々の目

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♓金魚 (随筆・6)

♓金魚 (随筆・6)

金魚の世界は、静かな水面の下に広がる幻想的な宇宙です。
彼らは、我々人間が忘れがちな穏やかな時間の流れを体現しています。金魚鉢の中で優雅に泳ぐ彼らの姿は、見る者の心を和ませ、日常の喧騒から一時的にでも逃れさせてくれるのです。

金魚を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまうほどです。
彼の動き一つ一つには、何かを語りかけるようなリズムとメロディーがあります。それは、まるで水の中で踊るバレリーナのよ

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⭐はたして「人生は死ぬまでの暇つぶし」なのか? (随筆)

⭐はたして「人生は死ぬまでの暇つぶし」なのか? (随筆)

人生とは何か?
その問いは、古来より哲学者や思想家たちを悩ませてきました。しかし、あるフランスの哲学者、ブレーズ・パスカルは、人生を「死ぬまでの暇つぶし」と表現しました。一見、虚無的で無意味な言葉に聞こえるかもしれません。しかし、この言葉には、深い洞察と人生を豊かに生きるためのヒントが隠されていると私は考えます。

暇つぶしとは、一見無意味で目的のない行為のように思えます。しかし、暇つぶしにこそ、

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