11月5日、EICMA(ミラノショー)において、ビモータbyカワサキの2025年WSBK参戦車両、KB998の公道版である、KB998 Rimini が発表されました。ビモータのHPでは諸元も公開されています。今回は現時点で公開されている情報からKB998を考察したいと思います。 名称は単にKB998ではなく、KB998 Riminiのようです。Rimini(リミニ)というのはビモータの本社所在地の地名です。ドゥカティの「パニガーレ」も本社工場所在地の地名に因んだもので
今回は10月22日と23日、2024年シーズン終幕直後にヘレス・サーキット、29日と30日にアラゴンサーキットでで行われたテストと先日発表されたBMWの2025年型M1000RRを取り上げたいと思います。 オフシーズンテストのカレンダー WSBKはオフシーズンに行うテストのスケジュールが決められています。2024年終幕後〜2025年開幕前のテストスケジュールは以下のとおりです。 2024年 10月22日〜23日 ヘレス(済) 10月29日〜30日 アラゴン(済) 11月
WSBK2024年シーズンが終了しました。今回は2024年シーズン全体を振り返ってみたいと思います。併せて、各社がオフシーズンに行えるコンセッションアップデートについても後半で取り上げます。 予想外のシーズン 今シーズンを一言で言い表すならば、やはり「予想外」の一言に尽きるのではないでしょうか。開幕戦フィリップアイランドにおけるアレックス・ロウズのダブルウィンに始まり、ジョナサン・レイの絶不調、ドゥカティ圧倒有利と思われた第4戦ミサノにおけるトプラク・ラズガットリオグ
2024年のWSBKが終了しました。今回はWSBK最終戦ヘレスについて扱いたいと思います。 ラズガットリオグル自身2度目・BMW初の戴冠 最終戦ヘレスを残して前戦エストリルでポイントリーダーのラズガットリオグルはSPレースこそタイトル争いの直接の対象であるニッコロ・ブレガに僅差で敗れたものの、レース1・レース2を勝利、ポイント差を46に伸ばしており、レース1でブレガとのポイント差を37以上に保てばタイトルが確定する状態でした。 ここへレスではプレシーズンテストの
BbKRTが2025年の参戦車両、KB998を公開しました。現時点で公開されているのはこの1枚の写真だけのようで、この写真から簡単に考察してみたいと思います。 これまでのビモータの車名の命名パターンでは、テージなど一部の例外を除き、搭載するエンジンメーカーの頭文字+ビモータのB+何車種目であるかを示す数字、の組み合わせでした。ビモータがカワサキ傘下になってからNinja1000SXのエンジンを搭載したKB4が発売されているので順当に行けばKB5となるのではないかと予想し
後編ではヤマハとホンダ、各社固有の問題について考察していきたいと思います。ホンダについては特にマルク・マルケスに批判的な内容となっております。ファンの方は気分を害されるかもしれませんのでご承知おきください。 ヤマハ固有の問題・多勢に無勢サテライトチームの不在 ヤマハが現在劣勢を強いられている原因の一つとして、サテライトチームの不在が大きいのではないでしょうか。ヤマハのサテライトチームは長年テック3が担ってきましたが、テック3は2018年限りでヤマハとの契約を終了し参戦
MotoGPでは昨年来国産メーカーであるホンダとヤマハがかつて無い程に低迷しています。両社がかつての栄光が嘘のように低迷しているのはなぜなのでしょうか。今回は近年のMotoGPにおける国産メーカー、ホンダとヤマハの低迷について考察してみたいと思います。 なお、これはあくまでも素人の考察です。的はずれなことを書いているかもしれないことを最初にお断りさせていただきます。 散々な結果に終わった地元GP 先日モビリティリゾートもてぎで開催されたMotoGP日本ラウンドでは
フランスのモータースポーツニュースサイト、Paddock-GPが2027年からの新レギュレーションで行われるMotoGPに向けてV型3気筒エンジンの採用を検討しているという記事を公開しています。今回はこの記事を検証したいと思います。 最初に結論から言ってしまうと、これはガセネタです。残念ながら実現の可能性はありません。 2027年以降3気筒はレギュレーション違反 ホンダにはV型3気筒の市販車発売の噂もあり、市販車用のエンジンであれば研究開発していてもおかしくはあり
WSBKアラゴン大会が終了しました。ポイントリーダーであるトプラク・ラズガットリオグルの復帰レースとなったこの大会を振り返ってみたいと思います。 ラズガットリオグル復帰 第8戦マニクールの転倒で負った気胸の回復が遅れて前戦は欠場を強いられていたラズガットリオグルがこのアラゴンから復帰しました。FP1ではいきなり一番時計を記録するなど速さに衰えはない事を印象付けていましたが、結局3レース全て2位に終わり、アラゴンで勝利することはできませんでした。ラズガットリオグルはマニ
WSBKのクレモナ大会が終了しました。今回はこのWSBKクレモナと、ヤマハがこのクレモナ大会より投入した新型YZF-R1を取り上げたいと思います。 ペトルッチ大躍進。ポイントリーダー交代ならず。 前戦マニクールの転倒で気胸と診断されたポイントリーダーのトプラク・ラズガットリオグルは回復が間に合わず、残念ながら欠場となってしまいました。このクレモナの3レースをランキング2位のニッコロ・ブレガが全て勝利すれば62ptを獲得、ランキングは55pt差を逆転し、7pt差でトップに躍
WSBKマニクールが終了しました。何かと波乱に富んだこのレースウイークを振り返ってみたいと思います。 本命不在 今回のレースでも本命視されていたのはBMWのトプラク・ラズガットリオグルだったのですが、そのラズガットリオグルは金曜午後のフリー走行で計時1周目の14コーナーで転倒、コースサイドの芝生を滑って行ってフェンスの端に脇を痛打、骨折は無かったものの気胸と診断され、レースは欠場となってしまいました。チャンピオンシップは2位のニッコロ・ブレガまですでに92ptの大差が
去る8月25日、モビリティリゾートもてぎで行われた2&4レースでドゥカティ・チームカガヤマの水野涼が今季初優勝を遂げました。ドゥカティに限らず外国車がJSB1000クラスで優勝するのはこれが初めてで、歴史的なことだと言えるでしょう。 4月の敗北からのリベンジ 全日本ロードレースは今季モビリティリゾートもてぎ(以下もてぎ)では第2戦として4月にも開催されており、水野はレース1は優勝した中須賀克行から0.5秒差の2位、レース2では17秒差で3位と、動力性能が物を言うはずの
今回はWSBKのコンセッションルールについて取扱います。過去の記事でもWSBKのコンセッションルールについて簡単な説明をしたことがありましたが、WSBKの記事でコンセッションについて扱う事が多く、ネット上には海外の記事でも正しく解釈されていないように思えるものが散見されるので改めて詳細な解説をしたいと思います。 WSBKのコンセッションルールとは WSBKにコンセッションルールが導入されたのは2018年のことでした。基本的にはカムシャフト等特定の部品を「コンセッションパー
WSBKポルティマオ大会が終了しました。またしてもと言うべきか、トプラク・ラズガットリオグルが3レース全てを勝利、チャンピオンシップのリードをさらに広げています。SPレースでの勝利はWSBKの最多連勝新記録の12連勝、レース2ではさらにこれを13に伸ばしており、この記録が一体どこまで伸びるのかも興味深いところです。 今回、ラズガットリオグルは前戦までに比べ余裕が無いようにも見え、フリー走行では一番時計を逃しており、3レース共比較的接戦のレースでした。特にレース2は序盤に
WSBKモスト大会が終了し、これで2024年のWSBK全12戦のうち丁度半分が経過したことになります。今回はモスト大会と前半戦のまとめを行いたいと思います。 WSBKモスト モストではまたしてもトプラク・ラズガットリオグルがPP獲得から全てのレースを勝利しました。ラズガットリオグルはこれで3大会連続のハットトリックで、アッセンレース2の勝利から数えて10連勝、WSBKの連勝記録11まであと一つと迫り、次戦ポルティマオのレース1とSPレースまで勝利すれば新記録です。チャンピ
2024年の鈴鹿8時間耐久ロードレースが終了しました。今回は今年の鈴鹿8耐を取り上げたいと思います。 終わってみればHRCが3連覇、通算30勝を達成し、最多周回記録も更新するおまけ付きで、近年MotoGPやWSBKがどん底の低迷に喘ぐ中、ホンダは最後の砦とも言える鈴鹿8耐の勝利でなんとか面目を保った格好でしょうか。 上位チームのピット戦略 今回の上位4チームのピットイン周回数と各ライダーのスティント当たりの走行周回数を表にしてみました。ヨシムラはアルベルト・アレナス