
アトピー周辺知識42 : アトピーと和食
前記事にて日本人はセロトニンの産生や活用の不得手さからアトピー性皮膚炎に罹りやすい体質と述べたが、それを補うためなのか和食には抗アレルギー作用の高い食品が多い。最近重めの記事が多かったので今回は軽めに。
私自身朝のトリプトファンとビタミンB6(隔日でごく少量の5-HTPも)の摂取を習慣化して、セロトニン産生を向上させる様にしてから日中の痒みを全く感じなくなった。また夜のメラトニン摂取も併せて睡眠障害も改善された。
・味噌
トリプトファンが多く含まれトリプトファン代謝産物の産生を増やす。赤味噌の八丁味噌には特に多く含まれるとよく言われるが、実際は玉味噌や麦味噌の方がトリプトファンの含有量は多いらしい。
後述の煮干しや昆布と併せてしっかり出汁の利いた味噌汁は抗アレルギー作用の高い食事と言える。何よりイノシン酸とグルタミン酸の相乗効果で強い旨味が味わえる。
・茶
カフェインとカテキンの相乗効果でヒスタミンの放出を抑える。そのためにはカフェインは一定以上の濃度が必要だが、日本人はカフェイン耐性が高いため問題無く飲用出来る。
・煮干し
イノシン酸・核酸が免疫力を向上させ、免疫調整作用によりアレルギー症状を抑える。細胞分裂を促進させるため、皮膚修復も早まる。核酸≒プリン体であるため痛風には注意する。既に核酸を用いた治療も模索されている模様。
・昆布
海藻である昆布には水溶性食物繊維であるアルギン酸とフコイダンが豊富に含まれ、腸内細菌の増殖を助け腸内細菌叢を改善する働きがある。水溶性食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにして糖尿病を予防する働きもある。
昆布のグルタミン酸は旨味となると同時に、神経伝達物質として記憶や学習など脳の活動に必須であり、過不足により精神疾患にも繋がるため適度な摂取を心掛ける必要がある。
・糠漬け
糠漬けには酪酸菌や乳酸菌等腸内細菌叢を改善する細菌が多く含まれる。酪酸菌や乳酸菌は有用なポストバイオティクスを豊富に産生し、トリプトファン自体やトリプトファン代謝産物を増やすために必須な存在である。また糠自体も水溶性食物繊維であり腸内細菌の餌となってその増殖を助ける。
…和食は日本人のセロトニン欠乏に陥り易い体質に合わせて短所を補い長所を活かせる様に考え抜かれた食事と言える。ただ塩分の過剰摂取にだけは注意が必要である。