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旅と暮らしのエッセイ。暮らすように旅する日常 🕊

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暮らすように旅する滞在記。ADDressで、家を持たない多拠点生活をしていたときの記憶です。旅先での日々の暮らしから芽生えた感情や気付きを綴っています🕊
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#暮らし

1年間家を持たずに暮らした私が家を持とうと思った理由

1年間家を持たずに暮らした私が家を持とうと思った理由

私はこれまでの1年間、家を持たずに日本全国のいろいろな街で暮らす、多拠点生活をしていた。いわゆる世間的には「アドレスホッパー」といわれる類のライフスタイルだ。

もともと、「移住先を決めたい」と思って始めた多拠点生活だったので、当たり前だけれど、将来的には「好きな街に定住する」ことがゴールだった。だけど、「じゃあ、なぜ、いまこのタイミングだったのか」については、あまり考えたことがなかった。理由を深

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住む場所の最重要条件は、散歩に出かけたくなるかどうか、ということ

住む場所の最重要条件は、散歩に出かけたくなるかどうか、ということ

京都に引っ越して5日目。はやくも、この部屋が、京都での暮らしが、お気に入りになっている。

家探しや引越しは、とてつもないエネルギーを消耗する。暮らしそのものをすべて変える、とても大きなできごと。住むエリアや日当たり、防犯面、間取り、キッチンの広さ、家賃。家探しの条件は、考え出せばキリが無くなる。

そんな中で私が1番重要視した条件は「散歩に出るのが楽しくなる場所」である。いわゆる、立地だ。そのほ

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秋の訪れをじっと「見る」

秋の訪れをじっと「見る」

秋。私の大好きな季節。私の生まれた季節でもある。そんな秋がだんだんと深まっていく日々。

私は秋の訪れをじっと「見る」ことにした。「感じる」だけで通り過ぎるのはなんだかもったいないから、少し立ち止まって「見る」。今年はそんな心の余裕がある気がして秋の心地いい空気を存分に吸い込んでみることにする。

たとえば、朝の空気。部屋に太陽の光がさんさんと差し込んできてあたたかいはずなのに、窓を開ければひんや

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ひとりだけどひとりじゃないひとり旅

ひとりだけどひとりじゃないひとり旅

1年間、家をもたずに旅をしながら暮らす多拠点生活をしてきた。今日はちょっと個人的な話になってしまうかもしれないけれど、「景色の見え方」に大きな変化があったので、どうしても書き残しておきたいと思ってnoteに向かっている。ひとりである私と向き合うことと、ひとりだけどひとりじゃないという新たに芽生えた感情について。

心の中の「私」と向き合うひとり旅この1年間、私はずっとひとりで旅をしている。基本的に

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何もすることがないからこそ、できること

何もすることがないからこそ、できること

3ヶ月半ぶりの旅暮らしを再開した。家を持たずにスーツケースとリュックサックに全ての荷物を詰め込んで。

私はどこにだって行けるんだというワクワク感と、多すぎる荷物に「あぁ、もう」とイラつく疲労感と。けれど、荷物を置いてからなじみのない街に手ぶらで繰り出すときの開放感や、夜好きな音楽を聴きながらわけもなくただただ歩いてみたりできる自由さ。全然自分のテリトリーではないはずなのにベッドに横になるとついほ

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僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって

僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって

しあさって、久しぶりに旅に出る。スーツケースとリュックサックを持って足取りは軽やかに。新幹線のきっぷを買って、電車の窓からの景色をぼーっと眺めて。駅のホームに降り立ったときのそわそわとした気持ち、駅から青空に突き抜けるビル群を眺めたときのまぶしさ。そんなものを想像するだけでワクワクな気持ちが育ってゆく。もちろん、BGMはくるりのハイウェイだ。

私にも、旅に出る理由はだいたい百個くらいあるのだろう

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たとえ旅をしていなくても

たとえ旅をしていなくても

私はずっと家を持たずに旅するように暮らす、旅暮らしをしていると名乗っていた。移住先を決めるために好きな街探しをしているんです、と。

そうやって9ヶ月ほど旅をするように暮らしてきて、そして本当に住みたいという街をいくつか見つけて、いまは京都にプチ定住をしている。

京都での何気ない日常が穏やかに過ぎていって。ふと、気づいたことがある。「旅をしていなくても、普通の日々の暮らしが楽しいから、すごく満た

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旅とは、「あのときの私」を積み重ねること

旅とは、「あのときの私」を積み重ねること

今までしてきた旅って、いまの私にとってどんな存在なんだろう。先日、寝付けないときの暇つぶしで、昔のFacebookの投稿を遡っていて、そう思った。バイト代が貯まるたびに、航空券を取っていたあの頃の私。楽しそうに旅をしていた「あのときの私」をスマホの画面越しに眺めていて、思ったこと。

あのときの私にしかできない旅大学生の頃は、おそらく旅好きの多くの人が通る道であろうパックパッカーをしていた。いま思

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暮らしと旅とそこで芽生える感情

暮らしと旅とそこで芽生える感情

私のここ最近の日々のテーマは「暮らしと旅とそこで芽生える感情」だ。2022年も家を持たない多拠点生活をする中で、いろんな街といろんな人に出会って、本当に多様な暮らしと旅と感情に巡り会えた。

そこで、2022年の半年を振り返ってみることで、私自身にどのような感情の変化があったのか、日記や過去に書いたnoteを見ながら感情を味わってみたいと思う。

1月:なんでもない暮らしを愛する1月は、まとめると

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京都暮らしの備忘録vol.2「京都で暮らすふつうの1日」

京都暮らしの備忘録vol.2「京都で暮らすふつうの1日」

京都暮らしも3週間目に突入。とはいえ、どんな暮らしをしているのか、と聞かれると困ってしまう。本当にふつうの、ささやかな暮らしをしているだけから。最近はなんとなく生活がルーティン化してきたので(私にとってはいい意味で)、1日のだいたいの京都暮らしのスケジュールを振り返ってみたい。

京都暮らしの1日のスケジュール京都暮らしのスケジュール。大好きな街で、「ふつうの暮らし」ができる喜びを噛みしめながら日

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京都暮らしの備忘録vol.1「朝の空気を纏う京都の街」

京都暮らしの備忘録vol.1「朝の空気を纏う京都の街」

京都にプチ定住をして早1週間。こんな感じだとあっという間に2ヶ月過ぎてしまいそうでこわい。ので、ちゃんと感じていること、気づきを備忘録として書いていきたい。

この1週間で感じたことは、朝の空気を纏う京都の街って良いよね~~ということと、属するコミュニティが変わったことについて、かな。

朝の空気を纏う京都の街が好き京都に来てからというものの、仕事がたっぷりとたまっていて全然遊びにいっていないしず

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「いつでも変えられる」をお守りに

「いつでも変えられる」をお守りに

私はいま、間違いなく”不安定”な状況にいる。それは何に比べてかというと、世間のふつうと比べて、である(もちろん、普段から常に比べるわけではないのでご安心を。今回は分かりやすく表現するためにあえて比べている)。

どう不安定かというと、自分の家を持たずにふわふわと旅暮らしをしている。住む場所や拠り所がないという不安定さがある。会社員ではなくフリーランスなので、現実的に収入が不安定である。大学の友人が

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ゆるやかに交わってゆるやかに離れていく

ゆるやかに交わってゆるやかに離れていく

私はいま、日本全国定額住み放題サービス「ADDress」を使って、家を持たない多拠点生活をしている。簡単にいうと、日本全国にあるADDressの提携の家やゲストハウス、ホテルに月4.4万円で住み放題、というサービスだ。

今回は、そんなADDressを利用しながら日々感じている、”人との距離感”について書いていこうと思う。

ADDressで学んだゆるやかな人間関係ADDressは、机とベッド(マ

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旅先で観光ではなく”ふつうの暮らし”をすること

旅先で観光ではなく”ふつうの暮らし”をすること

私はいま家を持たずに旅をしながら暮らす、多拠点生活をしている。そんな旅暮らしも8ヶ月目に突入した。そのなかで私が最も意識しているのは、いくら年中無休で旅ができる環境とはいえ、旅先で観光をするのではなく暮らしをするようにしていることだ。

旅先で”ふつうの”暮らし””日常”を過ごす

これが私の心地よく日々を過ごすためのルール。6時に起きてストレッチをして朝ご飯を食べて。途中で散歩の時間をたっぷり2

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