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暮らしと旅とそこで芽生える感情
私のここ最近の日々のテーマは「暮らしと旅とそこで芽生える感情」だ。2022年も家を持たない多拠点生活をする中で、いろんな街といろんな人に出会って、本当に多様な暮らしと旅と感情に巡り会えた。
そこで、2022年の半年を振り返ってみることで、私自身にどのような感情の変化があったのか、日記や過去に書いたnoteを見ながら感情を味わってみたいと思う。
1月:なんでもない暮らしを愛する
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1月は、まとめると「旅をしない旅暮らし」をしていた。どういうことかと言うと、「旅先でなんでもない日常を送る」ということ。旅先で旅をするのではなく、日々をただただ暮らす、その心地よさを味わっていた。
旅は、非日常を味わうものだと思っている。だからこそ新しい景色を見たり珍しいものを食べたりすることが多くなる。もちろん旅も好きだけれど、私はやっぱり日常の延長線上にあるような「日々の暮らし」を愛したいなあ、という想いが強い。
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大好きな街・京都で1ヶ月滞在してみて、このハイブリットなような暮らしをとても気に入った。旅先のわくわくするような新しい景色の中で、ささやかな日常を送る、これができるのが旅暮らしの何よりのいいところだ。
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そうやって「日々を愛する」という意識を持てば、日常のなかの何でも無い景色でさえも、好きになろうと思える。その景色から何かを得ようと思える。旅という非日常を楽しみながらも、とことん愛すべき日々の暮らしとたくさん向き合えた1ヶ月だった。
『住まいにあった暮らし方』ではなく『生き方にあった住まいを』
この言葉に出会って、周りと比べる必要は無い、私でさえいいと思える生き方と暮らしを見つめたいなあ、と思えた。
2月:夢を持つということ
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2月は京都から移動して、静岡・用宗と、神奈川・小田原、鶴巻温泉に滞在。1月の旅をしない旅暮らしから一転、旅をするように漂った1ヶ月だった。けれど、そんな移動した先にはまた新しい出会いがあって。コンフォートゾーンを少し飛び出してみた感覚があった。
仕事関係でも新しい業務委託先でお仕事をはじめて、なんだか今までの自分を変えたい、という気持ちがあったのかも。心地良い空間も大好きだし大切にしたいけれど、その感覚の中で新しいことにも挑戦したい、みたいな。
そんなことを思っている矢先に出会えた方々には、本当に刺激をもらった。あまり夢を持ってそれに向かって熱くなることがない私にとって、みんな輝いていてかっこよくて、時にかっこ悪くて、そんな姿が最高に見えた。
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だからこそ私も夢に向き合ってみた。そして宣言してみた。それをすることはとても勇気が必要だったし、苦しくもやるせなさもあったけれど、取り組んでみてよかった。掲げてみてよかった。
3月:気分に合わせて暮らしを変える
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3月はご縁があり、住んだ分だけ家賃が下がる「unito」というサービスのアンバサダーをさせてもらった。前半は、日本橋や汐留、千代田などの大都会で暮らし、後半は福岡へ。憧れの東京での暮らしの中で考えたことは、「気分に合わせて暮らしもコロコロ変えてしまっていいじゃないか」ということ。
家を持たない旅暮らしをしてから、おそらくこの先マイホームを構えたりマンションを購入したりすることはないだろうな、と漠然と思い始めた。そして、さらには賃貸のアパートを契約することも、この先何年かは考えていない。
だって、価値観や住みたい場所は、移り変わっていくから。年齢や環境に対してももちろんだし、自分自身の感情でさえ、変わっていく。その変わることを狭めてしまう(私にとっては)最たるものは、「住む場所」だ。軽やかに気分に合わせて暮らしも変えていく、そんなスタイルが私には合っているんだなあ、と思えた1ヶ月だった。
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自分の気持ちの移り変わりや気分の変化を見て見ぬふりするのではなくて、ちゃんと向き合ってそれに合わせて生きること。
が私の人生のテーマだと思う。変わらずに貫いている人ももちろんかっこいいけれど、私はあえて「変わること」を楽しみたいと思っている。
4月:好きなことをやり抜くこと
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4月は大好きなバンドのライブに合わせて多拠点生活をしていた。大阪→静岡→東京→茨城→仙台→福島、1ヶ月でたくさんの移動をしていて。いま思えば物理的にとてつもなく疲れ果てていたのだけれど、なぜか気持ちだけは常に浮き立って楽しかった。
楽しかった理由、それは、単に「好きなバンドを追っかけた」ということだけではなくて。「好きなことを自分の意志と行動でやってのけた」ということに対して満足感や充実感を覚えていたのだと思う。
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私のライブ好きは中学生の頃まで遡る。当時から「いつか好きなバンドのツアーをお金も時間も気にせずにまわりたい!!」という密かな願望を持っていて。でも、「まあ、そんなこと無理だよなあ~」と中学、高校、大学、そして社会人になっても思っていた。だって、無理だったから。
でも働き方や暮らし方が変わったことで、「あ、やろうと思えば、できてしまうのか」みたい位置に知らない間に私自身がいて、なんだかナチュラルに中学の頃からの密かな願望を叶えてあげることができた。
その、自分の意志と選択で好きな暮らし、好きなことを選び取っている感覚がとても嬉しくて。やりたいことは自分が変わればできてしまうんだなあ、と思って嬉しくなった1ヶ月だった。
5月:そこにある景色と感情を味わう
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5月は、福島→茨城→神奈川→山梨→静岡、と比較的地方の小さな町を巡っていた。小さな町の、「そこにただただある景色」の空気感を味わっていた。
特によかったのは、茨城の海沿いにある大洗という町。海と山に囲まれて、大きな空が広がっていて、夕日がとても綺麗にみえた町。
そこにある景色、についてたくさん考えていた。本当にさりげなく、そこにあるものって、ついつい見過ごしてしまう。「いつもそこにある」ものは、当たり前すぎて大切にできなかったりする。
けれど、それをちゃんと味わうようになれたら。ささいな景色からも美しさを見いだせるようになったし、幸せをちゃんと感じられるようになった。
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「すでにそこにある」、景色でも人でもそう。そんなささいなものをしっかりと立ち止まって味わってみる。どんな感情を抱いたか、どんなことを思ったのか、それを蔑ろにせずに向き合うこと。
大洗での滞在は、「感情を味わう」ことを大切にし始めたきっかけの町だったな。
6月:京都でふつうの暮らし
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6月はADDressを休会して、京都にプチ定住をはじめた。本当は6月に小豆島とか尾道とかの瀬戸内のエリアに行って旅暮らしを楽しむつもりだったのだけれど、なぜか急に「京都住みたい」と思い始めて、そのタイミングで今滞在しているゲストハウスがマンスリーの募集していて。このタイミングは京都に行くべきだな、と思って京都暮らしを決めた。
京都での暮らしは、イメージ通りに、とてもよい。観光ではなくて日々の暮らしを楽しめる心地よさがあって、今まで20回以上は来ている京都にも改めて新鮮さを感じている。
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朝早く鴨川を歩けること。誰もいない観光地に行けること。鴨川を歩きながら繁華街に向かえること。電車の時間を気にせずに飲みに行けること。
何だかこうやって書いてみるとどうでもいいことかもしれない、って思うけれど、どうでもいいことに対して喜びを噛み締めて、その楽しさを味わえるってとっても幸せなことだと思う。
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確実に京都に住みたいなあ、という気持ちが大きくなっているから、たぶんきっと京都に移住するのだと思う。そんな予感を覚えながら仮住まいとして暮らすのもまた楽しい。
感情を味わうことを面倒くさがらない
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こうやって振り返ってみると、この半年間はずっとずっと私自身の気持ちと向き合っていたように思う。
「いまどう感じてるのか」「なんで好きだと思えるのか」「なにが嫌なのか」、つい気付かないふりをして過ぎ去ってしまう感情も、しっかりと味わう。
「味わう」ってときにはとても辛いことだとも思う。辛いことも嫌だなあと思うことも見ないふりはいくらでもできるけど。味わうことでその辛さも嫌なこともしっかりと意味を為していく。
2022年後半にはきっと、移住先を決めていて、そこで暮らし始めているのかな。もしかしたらまた多拠点生活が楽しくて、ふらふらっと旅暮らしを続けているのかも。どっちでもいいや。この気持ちの変化もしっかりと味わって、楽しみたいね。そのときの自分の「いい」と思える方向に向かっていればいい。
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