小川あう

小学生の頃からかれこれ20年以上詩を書いてます 小説、エッセイも挑戦中 元中学校教員 …

小川あう

小学生の頃からかれこれ20年以上詩を書いてます 小説、エッセイも挑戦中 元中学校教員 7年間国語科の先生してました 7さい1さいの娘溺愛ちゅう👧👶(たまには育児しんどくて泣いてる) お仕事募集中

記事一覧

つばめ【自由律俳句】

遺骨を抱く細い背中 煙細く伸びつばめがびゅんと切った 晴れてる

小川あう
7日前
3

ジャズ【詩】

それでも私は病気でしょうか こんなに軽くて こんなに舞っているのに でも誰も待っていられなくて 凍えるほど冷房が効いていて ライブハウスほどの大きなスピーカーで 大…

小川あう
12日前
10

おやゆび【自由律俳句】

おやすみと言ったら あなたは わたしのこめかみにそっとふれた

小川あう
2週間前
4

問いかけ【詩】

お弁当を詰めた、朝 泣きました まだ夢をみてる もう、真っ茶色になっちゃった じゃん 私 その時とは もう違う、と と 問いかけ きりきりと細い穴を開け 地球の清拭 拗…

小川あう
3週間前
13

このわずらわしい世界 #未来のためにできること

3年前、私はメタバースという言葉を初めて聞いた。 人が作り出した仮想世界。 VRヘッドセットでメタバースへテレポート。 私は、ぞぞぞと鳥肌が立つのを感じた。 怖か…

小川あう
4週間前
9

あつい島【詩】

「ゴムの樹液が、ぼくを、からめとろうとす   るの。動けんくて、力をふりしぼると、そっとしろと取り押さえられて、そもそも、動けんのに、ぼくは」 と笑う君のいつも…

小川あう
2か月前
6

地球にはだれがいるの【詩】

卵を産めない郭公が 意味のないすうぷを一匙 あらん限り慟哭オリエンタル、料理 来る眼鏡ランドマークgirl 吸えば 吸うほどおかしくなる およ いだり角カクあるいたり …

小川あう
2か月前
3

氷にキスして【詩】

あなたは内診台に乗ったことがあるの?と彼女は言った。 ぬるいジェルを塗られ、器具が入ってくる。 画面に子宮を映し出されたことが? 上半身と下半身をカーテンで仕切ら…

小川あう
3か月前
4

ねえ【詩】

ねえ あなたはいつもナンバーワンにこだわって 何度も負けては部屋にこもって 声をころして泣いているよね 私はあなたが1番だろうが2番だろうが じつは どうだってよくて…

小川あう
3か月前
3

ねがい【詩】

悪魔が私の外耳道を、ことこと歩いたり。 転けたりするんです。今も。 昨夜のダンスバトルで、タバコの煙が立ち込め、立っているのがやっとだった。 見かねた娘が小さな…

小川あう
4か月前
3

Kはなんで死んだ【詩】

その日は雨が降っていた。水たまりが靴下に染みるほど、なのに、なぜだか、乾いた、埃が喉に絡むような、変な空気だったんだ。と彼は言った。葬儀は公民館で行われた。 K…

小川あう
4か月前
2

あの部屋【詩】

君と100回セックスしたあの部屋 君のブレザー、私のプリーツスカートは蹴られ皺になった 駅に近いあの部屋 電車の音が窓枠に響いて揺れた 君は手を唇に添え 胎児の様…

小川あう
4か月前
2

わたしのこそだてのうた【詩】

どうしてうまれてきたの わたしにすこしにていて ぜんぜんにていない あたたかくてぽちゃぽちゃで クリームをぬらないと すぐかさかさになる かおをまっかにして泣いて …

小川あう
4か月前
ジャズ【詩】

ジャズ【詩】

それでも私は病気でしょうか
こんなに軽くて
こんなに舞っているのに
でも誰も待っていられなくて

凍えるほど冷房が効いていて
ライブハウスほどの大きなスピーカーで
大型犬ほどの小さな人々が
それこそ舞っていました
可愛く舞っていました
難しくて泣いていました

とうとうあの子が7歳の目で
私のかかとにそっと触れました

美し
写し
写し

薄いし

広くて料理もラクラクでした
獏ほどの大きさの

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おやゆび【自由律俳句】

おやゆび【自由律俳句】

おやすみと言ったら
あなたは
わたしのこめかみにそっとふれた

問いかけ【詩】

問いかけ【詩】

お弁当を詰めた、朝
泣きました
まだ夢をみてる
もう、真っ茶色になっちゃった
じゃん

その時とは
もう違う、と

と 問いかけ

きりきりと細い穴を開け
地球の清拭
拗ねた針先の百年史
 滲みだし 滲みだし
  滲みだし 沁みたし

ひとつふたつ順に目を閉じた古の、戸の
ひびをなぞり蒸かす、芋
蒸し蒸し蒸し蒸しとして

虫虫蟲蟲と し て

ずっと悲しかった、私
外耳道を、とことこ転けたり

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このわずらわしい世界 #未来のためにできること

このわずらわしい世界 #未来のためにできること

3年前、私はメタバースという言葉を初めて聞いた。
人が作り出した仮想世界。
VRヘッドセットでメタバースへテレポート。

私は、ぞぞぞと鳥肌が立つのを感じた。
怖かったのだ。

環境破壊が進み、この世界で生きることが困難になる時がもし来たら。
人間はリアルの世界で活動することをやめ、メタバースの世界に没入するだろうか。
私はアニメキャラクターのようなメタバースアバターを思い浮かべた。
そうしたら、

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あつい島【詩】

あつい島【詩】

「ゴムの樹液が、ぼくを、からめとろうとす   るの。動けんくて、力をふりしぼると、そっとしろと取り押さえられて、そもそも、動けんのに、ぼくは」

と笑う君のいつもはメジロのようにきょろきょろと丸い目は、溶けて高僧の皺となった。なのに桃のような頬の産毛、鳥のような唇はまるで赤ちゃんで私はじわりと泣きそうになった。

薄褐色の手の甲を何度もなでた。
かさかさとあたたかかった。

その部屋は夏の酸っぱい

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地球にはだれがいるの【詩】

地球にはだれがいるの【詩】

卵を産めない郭公が
意味のないすうぷを一匙
あらん限り慟哭オリエンタル、料理
来る眼鏡ランドマークgirl
吸えば 吸うほどおかしくなる およ
いだり角カクあるいたり

ミュージカルだあって、君が
「見た」
って言うから、疲れるし
ストーリーテラーもだし
役もあるし
額縁のうごく装置
書くカクあるいたり
はいって横向けば枠湧く。

一時間が過ぎた。
あるいは一分間が過ぎた。

地球にはだれがいるの

氷にキスして【詩】

氷にキスして【詩】

あなたは内診台に乗ったことがあるの?と彼女は言った。
ぬるいジェルを塗られ、器具が入ってくる。
画面に子宮を映し出されたことが?
上半身と下半身をカーテンで仕切られたことが?
その時私は二つに割れた。
カーテンの向こうでは医者が大きな目を開けている。

「こわい」
と彼女は言った。
足だけ逃げ出してしまいそう。
ちょっと気持ち悪いですよ、と診察される。気持ち悪い?確かにそう言われればそうとしか言い

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ねえ【詩】

ねえ【詩】

ねえ

あなたはいつもナンバーワンにこだわって
何度も負けては部屋にこもって
声をころして泣いているよね

私はあなたが1番だろうが2番だろうが
じつは
どうだってよくて
あなたの身体にあたたかい血がかよい
くやしくてくやしくて
涙になる

(生きてる)

それだけでじゅうぶんなの

ねえ
あなたは覚えていないと思うけれど
自分の足で立ち
歩けるようになった頃
足の裏につたう地面の感触が楽しくて

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ねがい【詩】

ねがい【詩】

悪魔が私の外耳道を、ことこと歩いたり。
転けたりするんです。今も。

昨夜のダンスバトルで、タバコの煙が立ち込め、立っているのがやっとだった。

見かねた娘が小さな5歳の手で。私のかかとにそっと触れました。

苦しかった。

ずっと苦しかった。

娘と言っても私が産んだわけではない。

こんな娘が、娘だったらいいなあと思っている娘です。

そんな娘は、たくさんいます。

今朝だってバスの中で数人見

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Kはなんで死んだ【詩】

Kはなんで死んだ【詩】

その日は雨が降っていた。水たまりが靴下に染みるほど、なのに、なぜだか、乾いた、埃が喉に絡むような、変な空気だったんだ。と彼は言った。葬儀は公民館で行われた。

Kはなぜ死んだのか。

そう、とにかくよく分からない葬式だったんだ。

「公民館、古いからね。」

湿気も吸い込んでしまうほど、乾いた《色々なもの》が詰め込まれているんじゃない。雨も飲み干してしまうほど。とにかく乾いてる。

彼はイヤな顔で

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あの部屋【詩】

あの部屋【詩】

君と100回セックスしたあの部屋
君のブレザー、私のプリーツスカートは蹴られ皺になった

駅に近いあの部屋
電車の音が窓枠に響いて揺れた

君は手を唇に添え
胎児の様にまるまって眠る
一つの布団にいても
子宮に包まれた君に触れることはできなかった
何時も一人だった
同じ部屋にいても

タバコの灰でさらさらになったベランダにト・ト・トと降り始めの雨が落ちた

いつもよりさらに暗くなったこの町

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わたしのこそだてのうた【詩】

わたしのこそだてのうた【詩】

どうしてうまれてきたの
わたしにすこしにていて
ぜんぜんにていない

あたたかくてぽちゃぽちゃで
クリームをぬらないと
すぐかさかさになる

かおをまっかにして泣いて
げっげっげとわらう

わたしのおなかにはいっていたってほんと?
昨夜もふとんのなかでわたしを蹴りとばした
きみだよ
きみ
ねえ

わたしをたくさんたくさん苦しめて
のどがつまるほど不安にさせて
今日も
ねむくてねむくて
朝日のまぶし

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