糖尿病とがんの関係からわかること「高血糖+高インスリン」の危険性
※画像FreePic、より
最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 溝口徹(著)、より
糖尿病とがんの関係からわかること
「高血糖+高インスリン」の危険性
がんの患者さんが、何を食べて何を食べるべきではないのか、また、
がんを患ったときの食事については、毎年新しい書籍が発売され、
多くの情報があふれています。
このがんの分野でも、オーソモレキュラーの考え方を応用することで、
そのときのベストの答えを得ることができると私は強く思っています。
がん細胞が活動するときは、ブドウ糖をエネルギー源にします。
そのため、血糖値が上昇している糖尿病の方は、
がんの罹患率が高いことが以前から知られていました。
また、がんを患っている糖尿病の患者さんの血糖値のコントロールが
改善することによって、がんの予後が改善することも報告されています。
さらに、糖尿病でがんに罹患した場合には、
短期・長期生存に関する予後が悪いのです。
つまり、がんのエネルギー源であるブドウ糖が多い糖尿病では、
がんになりやすく、がんになったときに血糖値を下げると予後が改善し、
血糖値が高いままだと生存期間が短くなるということになります。
これらの事実の原因としては、
①血糖値が高いため、
がん細胞のエネルギーであるブドウ糖が豊富にがんに供給されること、
②2型糖尿病ではインスリン抵抗性が形成されているため、
インスリンが過剰分泌されていること、の2つが考えられます。
2型糖尿病では、血糖値を下げようと大量のインスリンが分泌します。
実はインスリンは、血糖値を下げるだけでなく、
がん細胞の増殖を促進させることが知られており、
2型糖尿病における「高血糖+高インスリン」状態は、
がんにとって最も居心地の良い環境といえるのです。
私のクリニックでは、糖尿病と診断されていない多くの患者さんへ、
5時間糖負荷検査を行ってきました(なぜならこの検査は、
自律神経のメカニズムを診る究極の検査といえるからです)。
すでに3,000人ほどの患者さんに行っています。
その結果、
一般的な診断基準では糖尿病と診断されないような多くの患者さんで、
じっさいには食後に140mg/dlを越える高血糖となっており、
それとともに大量のインスリンが分泌されていることを確認しています。
つまり、糖尿病を指摘されていない方でも、
「高血糖+高インスリン」の状態は頻繁に起こっているのです。
ですから、がん患者さんの場合にも積極的に糖質制限を行い、
高血糖と高インスリン状態を作らないことは、
極めて重要な食事の概念になります。
☆☆☆☆☆☆☆
いかがでしたか。
糖尿病と診断されていなくても、高血糖の状態に無自覚なことが多いのです。
最近多くみられる、低血糖症は血糖値の乱降下が原因とされていますが、
その大元の原因は低タンパク糖質過多の食事です。
糖質過多が頻繁に起これば「高血糖+高インスリン」ということになります。
血糖値コントロールは心身の不調や疾患には欠かせません。
がんの予防、がんを発症してからはマストになります。
ですから、関心がありましたら、食事を変えてみてください。
見直してみてください。
不調や疾患の予防になります。
栄養療法は先ずサプリ!プロテイン!とされがちですが、それは誤解です。
最優先は、今までの食事を見直すことです。
不調や疾患は食事、口にしてきたものが主な原因です。
食事=栄養を改善することから始めます。
欠かせば不具合が起こる必須栄養素を必要十分に摂ること、
それにはサプリメントを利用する。
また、食べ過ぎ、摂り過ぎたら不具合になる嗜好品的な食品や、
明らかに粗悪で有害でしかない物質はなるべく避ける。
とてもシンプルなことですね。
ぜひ!ご自身でできるところから始めてみてください。
オーソモレキュラー療法に関心があるなら、こちらの本から読むのをオススメします。
食事に関してはとても参考になり、わかりやすいですよ。
漫画が挟まれており、本を読むのが苦手、初心者さんにも理解しやすいと思います。
漫画でわかる 子育て・仕事・人間関係 つらい時は食事を変えよう ー 初めてのオーソモレキュラー栄養療法 溝口徹(著)
こちらは私の過去記事です。どうぞお読みくださいませ。
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