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Happy Journey 楽しい旅

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毎日、出会いと別れのくりかえし。 どんなはじまりも、おわりも笑顔でむかえられるように、はじめましてとさようならの手紙。
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2018年9月の記事一覧

Irving Penn のflowersに憧れて

Irving Penn のflowersに憧れて

Irving Penn のflowersに憧れて、朽ちてゆく花の美しさを写真に収めたいと、常々試みてはいるものの、いっこうに上手くいかない。
つまりそれは、枯れゆく姿を、本当に美しいと思う眼が、私の中にまだ、育っていないということだ。
日本という国は、若さやかわいさを重宝がるきらいがあるけれど、その瑞々しい魅力に怯むことなく、しわがれてこなれた気品や色気に、美しさを見出すことができたなら、もう何も

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いなくならない

いなくならない

「いなくならない」
2014年に、世田谷文学館で開催された茨木のり子展、入場してすぐの壁に記された、谷川俊太郎さんが茨木のり子さんに手向けた詩のタイトルだ。
その言葉のその確かさに、私は思わず、深々と平伏した。
ちょうどその会期中に、大好きな祖母が逝ったばかりだった。
誰よりも、話し相手として祖母の存在を拠り所にしていた。大事な話し相手を失い、途方に暮れていた私は、入場早々、胸をすくわれた。

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さよならの音は、からりと明るく。

さよならの音は、からりと明るく。

ある時
木蓮の花が
ぽたりとおちた
まあ
なんといふ
あかるい大きな音だつたらう
さやうなら
さやうなら

山村暮鳥
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今現在、日本語の詩の中で最も好きな、山村暮鳥の「ある時」。
私が諳んじることのできる数少ない詩。
さよなら、という言葉を用いても、からりとして朗らかで湿っぽさを感じさせない類なき詩。
わたしもいつか、自らの身を以ておちるとき、暮鳥が耳にした木蓮のごとく、

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受けて立つ

受けて立つ

「血に抗いつつも、自分なりに転換の時代を生きよう。受けて立つ。沈む時は思い切って沈もう。沈む力さえあれば、浮上する力も生まれる。自由とは責任を持つことだ。」
秦 早穂子『影の部分』より。
喫茶店で何気なく手にとった雑誌の一節に、撃ち抜かれた。

〝受けて立つ〟

穏やかに、できるだけ静かに。
柔らかく、しなやかに。
意識的にそう努めてきたここ数年、私は、女に備わる強さについて怠けていたのではあるま

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一日だけの秋

一日だけの秋

浮遊感漂う軽めのポップソングからゆるやかに移行し、秋、ジョー・ヘンリーではじめる。

やさしく枯れた声に手をひかれ、穏やかに、気分は秋へと向う。

大好きな秋も、あっと言う間に駆け抜けて、気がつけば冬になってしまうから、はじまる前から既に苦しくなりそうだ。

毎夕、夕暮れの数分間は 必ず足をとめ、まるで、生まれて初めて見る夕陽のように、毎日見惚れ、あたりが暗闇に包まれるまで、ずっと眺めていよう。

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会話の潤滑油としての映画

会話の潤滑油としての映画

以前、夫婦の会話は業務連絡になりがちだと書いた。
一緒にいる時間も、できるだけ業務を進めるための、話し合いに使いたいという気持ちがどこかにあって、「映画でも借りるか!」という、映画好きの夫の提案に、気持ちよくのれない節があった。
なかなか一緒にいる時間ないんだから、話しておかなきゃいけないことや、進めておかなくちゃいけないこと、そんなことが頭をよぎってのこと。
子どもが生まれてからは、尚更だ。

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はじまったときには、もうすでに苦しい。

はじまったときには、もうすでに苦しい。

5月も終わりに近づくと、もう気が気でない。
メンフィス・ジャグバンドの
「ピーチ・イン・スプリングタイム」を聞いていたら、今年も訪れるであろう、桃の季節を思い出して苦しくなった。

とにかく桃が好きすぎるのだ。

桃の季節のはじまりを逃すまいと、
気もそぞろになる。
そうして用心深く、はじまりを予感した時にはもう、いずれ終わってしまうという、逃れようのない事実に、私の胸は、既に苦しい。

江國

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カサブランカ202号室

カサブランカ202号室

上京してはじめて暮らしたアパートの名前は、「カサブランカ」といった。

「あなたの部屋はイングリッド・バーグマンの部屋ね。」
大家さんから鍵を手渡され、茶目っ気たっぷりにウィンクされた瞬間、胸にこみ上げてきた、あの嬉しさをふと思い出した。
これからはじまる東京での暮らしが、
急に色目きだち、すぐさま映画「カサブランカ」を借りに走ったのだ。

アパートで1人、バーグマンの美しさに魅入りながら、東京で

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本は悪友

本は悪友

私の傍に、いつも本がいてくれる。

熱心な読書家ではない。
「趣味は読書です。」なんて、とても言えないけれど、たったひとり、途方に暮れてしまったときには、必ず本に手がのびる。

本は、私のたったひとりの味方でもあり、悪友でもある。
もし、あの本に出会わなかったら、こんなひねくれた性格にならなかったかもしれない。
こんなに迷うことも、悩むこともなく、今よりずっと生きやすかったかもしれない。

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しあわせになる覚悟

しあわせになる覚悟

夫と桃パフェを食べる夢を見た。
しかも、ひえひえの桃、丸ごと1個も追加している。
どうやら、喫茶店のようだ。
息子はおらず、狭い席に、ふたりで向かい合って座っている。

まいったなぁ・・・

途方に暮れて、目が覚めた。
困り果ててしまった。どうしようもなく怖い。

だって、桃なのだ。
桃は、私の大好物だ。
一年のある一瞬の間しか食べることができない、特別な食べもの。
桃が出回る頃になると、

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あなたのためにできること

あなたのためにできること

一人の人間の手におえるのは、自分だけだと知れ。

誰かのためにできることなど、何もない。
みんな自分のためにしか生きられないし、生きるべきではない。
自分の機嫌をとることすら、容易くはないと、すぐに気がつくだろう。

「誰かのために」が、「自分のために」と同義になるその日まで、誰々のために、と口にするな。
その人の反応に一喜一憂して、何かがこんがらがってしまう。
中途半端に、他人を自分の道に巻き込

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いつもたったひとりのために。

いつもたったひとりのために。

何をするにも、たった一人の誰かに想いを向ける。

教師だった母はよく、「私が教師を続けてこれたのは、いつもたった一人の生徒のためだった。」と話す。
「私が学校に行かなければ、あの子の居場所がなくなる。そんな子が毎年必ず一人はいるから、定年まで働けたのよ。」
尊敬する著名な教師も、
「たった一人のために伝えようと考えた授業が、結局はみんなにわかりやすい授業になる。」と言っていた。

言われてみれば、

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肩を抱くように肉を焼く

肩を抱くように肉を焼く

何か物事を深く考えすぎてしまうきらいがある。

もっともらしい理由を探して、過去にまでさかのぼり、嘆いたり憂たりするくせに、それを論理立てることがカタルシスになっている。

いつも朗らかな友人に、上機嫌でいるコツを聞いてみたら、シンプルな答えがかえってきた。

「不機嫌な時は大抵お腹すいてるんだよ。ファンタでも飲んでおいでよ。」

炭酸でお腹もふくれて、糖分も一緒にとれるよって、底抜けに明るい笑顔

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