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さよならの音は、からりと明るく。

ある時
木蓮の花が
ぽたりとおちた
まあ
なんといふ
あかるい大きな音だつたらう
さやうなら
さやうなら

山村暮鳥
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今現在、日本語の詩の中で最も好きな、山村暮鳥の「ある時」。
私が諳んじることのできる数少ない詩。
さよなら、という言葉を用いても、からりとして朗らかで湿っぽさを感じさせない類なき詩。
わたしもいつか、自らの身を以ておちるとき、暮鳥が耳にした木蓮のごとく、
あかるく、からりとした音をたてて散りたい。
そのために生きる毎日に、嘘はいらない。
自分に偽りのない毎日に、迷っている時間はない。
迷っている間に、音が鈍ってしまうよ。

さようなら
さようなら


麻佑子

#詩 #エッセイ #日記

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