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受けて立つ

「血に抗いつつも、自分なりに転換の時代を生きよう。受けて立つ。沈む時は思い切って沈もう。沈む力さえあれば、浮上する力も生まれる。自由とは責任を持つことだ。」
秦 早穂子『影の部分』より。
喫茶店で何気なく手にとった雑誌の一節に、撃ち抜かれた。

〝受けて立つ〟

穏やかに、できるだけ静かに。
柔らかく、しなやかに。
意識的にそう努めてきたここ数年、私は、女に備わる強さについて怠けていたのではあるまいか。
決して捨てることのできない、小さくて繊細で、産まれながらに女に与えられた
鋭利なナイフ。
捨てることができぬのなら、錆びつかぬよう、やさしさに包んで芯に持ち、磨き続けねばならない。
受けて立つ。
華々しい意思の表明と決意。
この言葉の強さに、血が騒いでいる。
この動悸を見過ごすことなどできない。
誰の目にとまらずとも、浮上の力を信じ、数年をかけて沈んでゆく覚悟を私は決めた。

深く深く潜る。

麻佑子

#エッセイ #日記

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