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「生活と追憶」文学フリマ東京38 第一展示場w-11
1作目のエッセイと共に、新作『生活と追憶』を販売します。
2023年11月から2024年2月まで
フランスのディジョンという街で暮らしていました。
華やかではないけれど、まばゆい瞬間があった90日間。インスタにのせるにはひかえめすぎる、
忘れたくはない日々を書き留めました。
お手にとっていただけたら嬉しいです!
本作に載せているエッセイを1編、noteでも公開しています。こちらもぜひ。
世界と虚無を行ったり来たりしたい
旅が日常になって、新しい習慣ができた。ありふれているけれど、銭湯や日帰り温泉に行くようになった。
ハマったわけは、スマホを手放すことができるから。誰も、わたしの邪魔をすることができないから。スマホでさえも、わたしの時間を奪えない。スマホを持ち込んでしまう自宅のお風呂(嫌な習慣だ)とはわけが違う。
強制的にスマホから切り離される環境で、ようやくわたしは孤独に成れた。
ひとりきりの時間、べつに特
天草 アルバムをめくるように
ついに天草へ訪れることが叶った。
「天草」という土地に興味を持ったのは、今からおよそ10年も前。大学の講義で、隠れキリシタンについて学んだことがきっかけだった。たしか、隠れキリシタンの歴史そのものの講義というより、日本に影響を及ぼした異文化について時代別に学ぶものだった。隠れキリシタンのパートは、2,3週取り上げられただけで終わった。
その後、多くの作品でキリスト教を題材にしていた小説家・遠藤
Instagramは一番長く続けているSNSだから連携できるようになってうれしい~!ストーリーで素を出しがち。
宍道湖のかたすみでアヌシーを愛した
目の前の旅に夢中だ。それでも、4月に訪れたフランスを頻繁に思い出す。観光らしいことは大してできなかった13日間の最終日、わたしはアヌシーにいた。アヌシーはスイスとの国境にある街だ。
(書くといって放置状態だった旅行記。お次はパリについて書くといいつつ、最終日のアヌシーについて書き散らす...)
パリから始めた旅路はリヨンへ、そして最後にアヌシーへと向かった。移動するたびに澄んでいく空気に共鳴す
分かち合えないことは、ふしあわせなことなのだろうか
次なる旅暮らしの拠点に向かう島根県 JR木次線の車両内。一両編成のこの電車は、山間や広々とした田んぼを通り過ぎた。綺麗。
「今日の花火、キレイかなぁ?」
ふと耳にした家族連れの会話をきっかけに、近くで開催されるらしい花火大会に行くことにした。花火大会なんて随分久しぶりだ。いや、わたしだけじゃない。日本のあちこちで中止が続いたコロナ禍を経て、みんなが数年ぶりに体験するお祭りなはずだ。
風情を感
自分の世界の大きさを、彩りを、自分で定めない
自宅に戻らず、旅先から旅先へと旅を続けること、民泊施設に滞在すること。
旅に関することで「絶対にしない」と思っていたのがこのふたつだった。旅をするなら「絶対に」ホテルに泊まりたいと思っていた。見知らぬだれかと生活領域を共にすることは、受け入れがたいことだった。
どうやら今年は、そういう”頑ななもの”を変容させていく年らしい。
変容というか、「あれ、こんなもん!?」「意外といけるじゃん」という
物にいだくいとおしさの正体
今回の渡仏は、蚤の市を巡る買い付け旅。
だから自分のお買い物はほとんどしていない。でも、ヴィンテージアクセサリーは例外。古いもの、引き継がれたものの魅力に憑りつかれてから、ちょこちょこ収集しているものだ。自分の時間をあまり取れない分、蚤の市を巡るついでに、良き出逢いがあったらヴィンテージアクセサリーをお迎えしようと思っていた。実際、いくつかの出逢いに恵まれた。
ヴィンテージならではの佇まいは、