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頭のすみっこ日記

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頭のすみに残っている些細なことを、せっせと文字に起こした日記。
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#小説

仙台駅で伊坂幸太郎作品の舞台を巡る

仙台駅で伊坂幸太郎作品の舞台を巡る

つい先日、休暇をとって仙台に行ってきた。

これまで北海道を除けば、栃木より上の県は訪れたことがなかったので、初めて東北の地に降り立つことに。

旅館で2泊3日。特に観光もせずに、2日目などは宿でだらだらと本を読んだり、思い立ったら温泉に入ったり、ぶらぶらと散歩をしたりして過ごそうかと画策していた。まるで文豪みたいな過ごし方だ。

しかし、とは言っても、旅館のチェックインまでそれなりに時間があった

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ゆぴさんと中村さんの本に対する想いが、自分の心を代弁してくれたような気がした

ゆぴさんと中村さんの本に対する想いが、自分の心を代弁してくれたような気がした

6月16日、note placeで開催された、書く仕事を続けるための「Marble」が主催のライター交流会。

今回のイベントで登壇されたのが、インタビューライターで作家としても活躍するゆぴさんと、SNSで発信されているスタバ朝活でもお馴染みのライター・中村洋太さん。

行きの電車で読んだ中村さんの1万字ぴったりのエッセイに、涙が溢れそうになりながら辿りついたnote placeは、noteのイベ

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子どものころの不思議で止まっていること

子どものころの不思議で止まっていること

最近、不思議な本を読んで、子どものころに不思議だったことを思い出した。

ミステリ、ファンタジー、SF、青春、恋愛。
5つのジャンルの物語が一同に会する街で、真相を知っているのは読者だけ。

ここまで舞台設定に惹かれるあらすじがあるだろうか。
とてつもないワクワクを感じる、森バジルさんの短編小説。

とある街を舞台に描かれる、全く異なるジャンルからなる5つの物語は、それぞれの世界と交わらずとも、少

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15年の時を経たとしても、まっさらな気持ちで作品を読みたい

15年の時を経たとしても、まっさらな気持ちで作品を読みたい

先日、初めて湊かなえさんの「告白」を読んだ。

中学校の終業式の日に行われたホームルーム。

幼い娘を校内で亡くした女性教師が放った衝撃の告白によって、騒がしかった教室は一転して静まりかえり、異様な雰囲気をまとったまま、物語は幕を開ける。

彼女の告白によって火蓋が切られると、それぞれの章でクラスメイト、犯人、犯人の家族と語り手を変えながら、しだいに事件の全容が浮き彫りになっていく。

語り手とな

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繋がりの無い2つの言葉に「エモさ」を感じる

繋がりの無い2つの言葉に「エモさ」を感じる

以前こんなnoteを書いた。

特に何てことないnoteなのだけど
タイトルに関しては自分なりのこだわりがある。

それは「一見繋がりのない2つの言葉を並べてみる」ということ。

なぜこんなことをするのかと言うと、俗っぽい言い方をするのなら、関係のない2つの言葉に自分は「エモさ」を感じるのだ。

抽象的な「エモい」と言う言葉。
あまり好きではないのだけど
これ以外良い言葉が見当たらないのでしょうが

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本屋にて「冒険心」を養う

本屋に入って自分の目当ての本を探すとき
皆はどうやって探すことが多いだろう。

フロアマップを見たり検索機などを使うのも手だろうけど、一番手っ取り早いのは店員さんに聞くという方法。

研修中などのよほどの事情がない限りは、自分の求めていた物が並んでいる本棚まで連れて行ってくれるに違いない。

しかし、自分は店員さんに尋ねることはあまりない。

そもそも人見知りということは差し引いても、本屋に限らず

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いつもは買わない本を買う

いつもは買わない本を買う

ずっとやってみたかったことがあった。

それが「本屋に行ってその場で表紙やタイトルだけを見て、気になる本を好きなだけ買う」こと。

贅沢の極みのようなこの所業。学生の頃はお金もないし、気になる本を事前に調べて厳選した上で買うようにしていた。

ただ、そうやって買った本はまず面白いだろうと分かっている本でもあるし、自分の好みが存分に反映されているものに違いないのだ。

買うものを事前に決めずに、フラ

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物語で出会った知識を忘れたくない

物語で出会った知識を忘れたくない

小説を読んでいると
よく知らない言葉に出くわすことがある。

単語自体は知っているけど意味は分からないものだったり、はたまた言葉丸ごと何なのかまるっきり分からない時も結構ある。

そんな時、自分は少し得した気分になるのだ。

普通の生活の中では知り得ないこと。
自分の興味の外側から入ってくるもの。

きっとこの小説を読んでいなかったら、永遠に調べようとしなかっただろう知識に関して「物語を読むこと」

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自分なりの小説を読む順番

自分なりの小説を読む順番

小説を読んでいると、どうしても「積読」という現象に出くわす。

これは本を集めていると必然的に起こることで、回避するのはほぼ不可能に近い。読むペースを上回るスピードで、買った本は積み上がっていく。

そうやって「積読」していると、たまに「次は何を読もうか」と迷ってしまうことも多々あるだろう。

買った順に読めばいいと言われればそれまでなのだけど、まぁその日の気分もあったりするので、絶対的な序列だと

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小説の一行目で好きになれる

小説の一行目で好きになれる

小説を読むとき
最初に目にする文章のことを「書き出し」という。

「メロスは激怒した」や「吾輩は猫である」みたいに、もはやタイトルに匹敵するぐらい有名で誰もが知っている文章もある。

この書き出しがすごく好きなのだ。
むかしむかしに読んだ本でも、この書き出しが頭に残っているものがあるぐらいには好き。

ちなみに、書き出しは作者によって全くもって異なる。

単純な状況描写であったり
すぐに主人公の視

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