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#324「ビジネス頭の体操」 明日、6月4日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


6月4日(金) 「虫」は人類を救う!?

漫画家・手塚治虫らの呼びかけで1988年(昭和63年)に設立された日本昆虫クラブが制定した「虫の日」です。


…というわけで、昆虫について調べてみました。
(写真ちょっとは出てきます。苦手な方はこちらから進まない方が良いかと…残念ですが…)

昆虫。実は昔から人間はかなり活用しています。
農林水産省「昆虫テクノロジー研究からその事例をご紹介します。

代表的なところでは「蚕糸業」です。
実は20世紀前半には世界の繭生産の6割を占めていたこともあるのです。貴重な外貨獲得手段だったのです。現在では0.2%ほどだそうで、絹製品の25%を消費している日本ですが、生糸はほぼ輸入に頼っています。

次に思い浮かぶのは「養蜂業」です。
ミツバチを飼育して蜂蜜等を利用する養蜂業はすでに江戸の後期には盛んに行われていたそうです。またミツバチは花粉媒介昆虫としての利用も拡大しています(以前、3月8日「ミツバチの日」で以下投稿しました)。


さらに新しい「昆虫産業」として様々なものが紹介されています。

☑️ 坑血液凝固物質プロリキシンS
 ヒトの血を吸う、オオサシガメという昆虫から、血液が固まるのを抑える抗血液凝固物質と筋肉を弛緩させる作用を持つ物質が見つかりました。要は、人を指すときに刺しやすくするために筋肉を柔らかくして、血を吸うときに固まらないようにするためのものです。これらを分離、抽出することで人体に副作用がほぼない医薬品を作ることができるのです。

☑️ 絹の超微細粉末
 絹は、優れた吸湿性、放湿性を持ちますが、その絹タンパク質を超微細粉末とし、樹脂と混ぜることで新しい感触のコーティング剤「シルクレザー」が開発されています。また、この特性を生かした化粧品も開発されています。

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☑️ 昆虫工場
 昆虫を物質生産の工場とみなして、インターフェロン、ヒト成長ホルモンなどの人間の体内に微量しかない有用物質をカイコなどの昆虫に産出させる技術が注目されています。特にその有用物質が糸とともに対外に吐き出されれば、精製の手間が大幅に削減される点で他の昆虫に比べてカイコは特に有望とされています。

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さて、現在最も昆虫が話題となったのは例えば、無印良品の「コオロギせんべいといった「昆虫食」ではないでしょうか?


切り口は「環境」です。
日本能率協会総合研究所によると、こうした昆虫食の市場は2019年には70億円であったものが、2025年には1,000億円規模になると見込まれていいます。

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国際農林水産研究センターの「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発という、壮大なタイトルの資料によれば、昆虫は、
☑️ 穀物資源を奪わない
☑️ 発展途上国でも生産できる
☑️ 温室効果ガスの排出量が少ない
☑️ 生産に必要な水資源が少ない
☑️ 食品ロスに適応可能

といった様々な点で、植物肉、培養肉、藻類より優れているとされています。

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温室効果ガスでは、牛に比べて1000分の1以下、豚に比べても40分の1以下のメタンしか排出しません。

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も地域によっては貴重な資源ですから少ないに越したことはありません。牛に比べて5000分の1以下、鶏に比べても500分の1以下、の水しか必要としません(出典:無印良品HP)。

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食品ロスというのは、食品廃棄物でも十分に育つので無駄のない循環型社会が確立できるという点ですね。

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また、食材としても、同じ重量におけるタンパク質量が圧倒的に高い、という優れた点もあります(出典:無印良品HP)。

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このように、昆虫、これまでも、そしてこれからも、人間の役に立つ「益虫」としてお付き合いしていくことになりそうです。

→フードテックは盛り上がっている分野の1つで、人造肉が話題となったこともあった。昆虫食と人造肉、それぞれ今後どのように成長していくだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

1つでも皆様の頭の体操ネタになるものがあれば嬉しいです。

昨年7月からこのような投稿をしています。だいぶ貯まりました。以下のマガジンにまとめていますので、よろしければ覗いてみてください。


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