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記事一覧
第14話「小さな戦士」
アキは都会に勤めるアラサー。
朝晩の吐く息が白い今日この頃、今日も頑張って働いた。
就業間際、夏ならばまだ明るい時間帯だが冬の今はすっかり日も落ちていた。
アキは伸びをして外を見た。ビル街の中にあるこのオフィスは景色がものすごくいいとかではなく、ただただ周囲のビルの灯りが見えるだけだった。
普段であったら何も思わないアキはなぜか綺麗だと思った。
特に嫌なことがあったとか、ストレスも抱えていないが
第13話「無知の罪」
アキは都会に勤めるアラサー。
今は仕事終わりの帰宅後、郵便ポストに入っていた地域新聞を読んでいる。
少し前までは読んでいなかったが、考えが改まり読むようになった。
周りに「知らなかった」とか「分からなかった」とか言い訳をする人は一定数いると思う。
そう言う人は情報は目の前に降ってくるものだと思っている。そして、目の前にない情報は「情報を伝える手段に問題がある」と考える。私もかつてそうだったが、本
第11話「アンチコメント」
アキは都会に勤めるアラサー。
夜寝る前ショート動画をついつい見てしまう。
寝る前にスマホはいじってはいけないというけれど、体がいうことを聞かないのだ。
すっすと見ていると、ある動画でぴたりと動きを止めた。
若いというにはあまりにも幼い、幼すぎるインフルエンサーがアンチコメントについてコメントをしていたのだ。
こんな幼い子になんて言葉を浴びせているんだ、とアキは思った。
中にはそういったアンチコメ
第10話「別れの儀式」
アキは都会に勤めるアラサー。
今日はお休みだが喪服を買いに来た。近くはないが親戚の人が亡くなったため、葬儀に出ることになったからだ。
こんなに嬉しくない買い物はないだろう。
買い物をして帰宅した。
真っ黒い服を見たせいか、気分まで暗くなり何もする気にもならない。
こういったときは何か考え事をして気を紛らわせるしかない。
んー。葬儀について考えてみよう。
そもそも葬儀と言うのも不思議なものだ。
第二話「恋愛と結婚と絆」
アキは都会に勤めるアラサー。
この日は仕事が休みで1人、観光地に出掛けていた。
リフレッシュのつもりだったが、想像よりも多くの人で賑わっていた。
カフェのテラスからボーッと人の流れを見ていると、
カップルや家族連れが多く見られた。
こちらは1人なので、ただただボーッと「ここにいるみんなは恋愛を楽しそうにしているなあ。」と考えていた。
近頃アキの周りは結婚ラッシュの流れに呑まれ、
恋愛相談が多かった