第7話「デジャヴ」
アキは都会に勤めるアラサー。
今朝は少し早めに家を出て会社に向かう。余裕もあって、混んでもいない電車は新鮮で気持ちがいい。
ふと、そこで突然前にもこんなことがあったような気がした。
こんな早くに出社するのは初めてなのにも関わらず、前にも経験したような気持ちになった。
フラッシュバックともデジャヴとも言うこれは一体なんなのだろう。
アキは少し考えてみることにした。
この経験したこともないことをあたかも前にも経験したかのような気持ちにさせるのは一体何のせいなのだろう。
インターネットで調べてみた。
なるほど、デジャヴはフランス語から来ていて日本語では「既視感」と言うらしい。
このデジャヴにも色々パターンがあるらしいが、まとめて言うと「経験したこともない事柄をあたかも以前経験したかのような感覚」のことを言う。
今回は認識の齟齬はなさそうだ。
しかし、この現象の原因はよくわかっていないらしい。以前みた夢だとか、左右の目の認識のわずかな差だとか(ただ、この場合赤眼の人の場合は説明がつかない)、以前の記憶を思い出す時の抽象化された記憶が重なったのだとかそういう説明がされているそうだが、結局のところよくわからない。
統計的にこれが起こりやすい人はわかってきているらしい。
若い人で起こりやすく、感受性が豊かな人でも起こるらしい。
若い人は記憶とエピソードを結びつける回路がうまくいかなくて、引き起こすことがある。
感受性が豊かな人は感情の揺れ動きが記憶と結びつきやすいので、引き起こされることが多いらしい。
幸福感が高い人も記憶の結びつきが強いらしくこういうことが起こりやすい。
他にもストレスを抱え疲労している人、脳にエラーが起こって引き起こされることが多くなるらしい。
ただ、どの説も確かなことは書いておらずまだまだ未知の現象のようだ。
スピリチュアルの世界では、何かしらのメッセージらしい。
自分は脳のバグな気がするけれどなとアキは思った。
2/3の人が経験していると言われているデジャヴが未だ解明されていないというのも面白い話だ。
時間が経つにつれて人がどんどん増えてきた。
雑念が入るからこの話題はいったん置いておいて動画をみよう。