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熊本熊
2025年2月11日 00:35
境目を探しあぐねて島に着くたぶん向こうが西方浄土さかいめを さがしあぐねて しまにつくたぶんむこうが さいほうじょうど失業中の2012年の今時分、宮島にお参りした。宮島に行こうと思ったわけではなく、広島というところを見ておこうと二泊だったか三泊だったかで出かけてきた。当時はまだ広島も長崎も訪れたことがなかった。埼玉県南と東京、それと横浜の一画だけで社会人になるまでの生活がほぼ完結してい
2025年1月19日 15:29
寒仕事甕に名残りの古味噌を集めて愉し糀寄せ植えかんしごと かめになごりの ふるみそをあつめてたのし こうじよせうえ毎年今時分に味噌を仕込む。味噌作りを始めた頃は、作った味噌が足りなくなって、翌年は仕込みの量を増やすなんてこともあったのだが、いつのまにか使いきれずに余るようになった。余る量はそれほどでもなかったのだが、ツレは味の加減で新たに出来上がったほうから使うことが多いので、古い味噌
2024年12月31日 05:55
大晦日巡った先に今があり見てきたような見たことない日おおみそか めぐったさきに いまがありみてきたような みたことないひこれからツレの実家に出かけるのだが、つい先日行ってきたばかりのような気がしている。今年は元旦に大きな地震があり、帰りの新幹線がどうなるかと思ったが、予約していた列車は大宮までは時刻通りの運行だった。そこから変わり映えのしない毎日が過ぎ、当たり前にいろいろあったが、ただ
2024年10月31日 17:30
あかさたないろはにほへとちりぬるを一夜人世に出逢う必然あかさたな いろはにほへと ちりぬるをひとよひとよに であうひつぜん9月20日に日本民藝館で林家たい平の講演を聴いた。芹沢銈介の企画展が開催中で、たい平が芹沢への想いを語るというものだった。話自体は他人事で、一緒に聴いたツレは「あれは、ちょっとねぇ」と不満気だったが、それはそれで私は面白いと思った。たい平はもともと教師になりたか
2024年10月25日 23:21
思うこと口に出したら罪になるやがて哀しき浮世の暮らしおもうこと くちにだしたら つみになるやがてかなしき うきよのくらし職場でパワハラ・セクハラ研修があった。講師は大手法律事務所の弁護士。1時間半たっぷり語った。実際の訴訟で認定された損害賠償額は数十万円規模が多いようなので、訴訟にかかる費用を考えると、その手の訴訟はカネの問題ではなさそうだ。しかし、刑事事件となる場合もあるので、そうな
2024年10月17日 20:56
「よ、しばらく」親しき会話交わしつつしばらくかかる記憶発掘よ、しばらく したしきかいわ かわしつつしばらくかかる きおくはっくつ先日、中学の同窓会に出席した。実家が中学時代から変わっていないので、そこに郵便で届いた案内に返信することができた。担任の先生を含めて14名が出席した。公立のごく普通の中学で、卒業後も付き合いのある人はひとりもいないので、こういう場から声がかかることが滅多にない
2024年10月16日 20:45
いつになく記し置きたいこと多く駄文重ねる秋の夕暮れいつになく しるしおきたい ことおおくたぶんかさねる あきのゆうぐれ見出しの画像は地元在住の松居清恵さんが趣味で描いたスケッチ画の作品「長濱浪漫ビール」の絵葉書。10月1日に歌を詠んで10月2日に投函。10月7日に手元に届いた。わずか三泊四日だったが、長浜と彦根で楽しい時間を過ごすことができた。関係者の皆様に感謝する。noteのネタ
2024年10月15日 22:37
昔から暮らしのなかで城仰ぐ背筋が伸びて遠くが見えるむかしから くらしのなかで しろあおぐせすじがのびて とおくがみえる宿をチェックアウトし、長浜駅を午前9時5分に発車する普通列車に乗る。米原駅で加古川行きの列車に乗り換えて、午前9時28分に彦根駅に着く。そのまま彦根城へ向かって歩く。天守が間近に迫ったところに滋賀縣護國神社があったので、とりあえず参拝する。神社の裏手に佐和多聞櫓を再現し
2024年10月14日 14:40
神仏出世大名天下人賽銭だけであやかるつもりかみほとけ しゅっせだいみょう てんかびとさいせんだけで あやかるつもり天下人一夜限りの宴にて明日は落武者夢の随にてんかびと ひとよかぎりの うたげにてあすはおちむしゃ ゆめのまにまに見出しの画像は地元在住の松居清恵さんが趣味で描いたスケッチ画の作品「木杭に波打つびわ湖畔に佇む秀吉の居城・長浜城」の絵葉書。9月30日に歌を詠んで10
2024年10月13日 22:50
観音を守る人在る里に住む人の居る里心ある里かんのんを まもるひとある さとにすむひとのいるさと こころあるさと白洲の『かくれ里』にはこうある。私の場合は、菅浦から長浜市街へ向かう途中で高月に立ち寄った。その前に、長浜市街から余呉湖に向かう途中、木之本駅の踏切を渡ってすぐのところに大きな寺があるのを認め、帰りに参詣することにしていた。菅浦から高月に至る前にその浄信寺にお参りし、門前の
2024年10月11日 20:31
誰が為に仏を守り神祀る誰が為でなく我が為でなしたがために ほとけをまもり かみまつるたがためでなく わがためでなしここで竹生島と菅浦の位置関係を確認しておく。琵琶湖の北側の湖畔はかなり入り組んでいる。43万年前に形成された世界屈指の古代湖の一つで、地形としては丸くなってもよさそうなものだが、日本列島周辺の地殻活動はよほど活発らしい。湖底の地形も複雑だ。湖の最深部というのは、漠然と真ん中
2024年10月8日 04:46
入り江にて幾歳続く営みを沖の白波ただ見つめおりいりえにて いくとせつづく いとなみをおきのしらなみ ただみつめおり再び梅棹忠夫の『行為と妄想』から引用する。これは先日noteに書いた同書からの引用部分のすぐ後に続く文章だ。竹生島に行こうと思うなら、菅浦にも足を伸ばそうと思うのが自然かもしれない。しかし、私はそう思わなかった。地図を見ると菅浦に続く道が一方通行なのである。おそらく公共
2024年10月7日 04:36
神の島往復船を予約する端から縁は無いかの如くかみのしま おうふくふねを よやくするはなからえんは ないかのごとく竹生島は「神の島」と呼ばれているが、私のように何も考えずに事前に往復の船を予約してやって来るような奴を神は相手にするものだろうか。「信仰」が意味するところは人によって様々だろう。人それぞれであることが当たり前であるとは思うのだが、やはり、当事者意識というもの無しに当事者(
2024年10月6日 09:28
弁天の琵琶の音いずこ本宅を探し求めて島々巡るべんてんの びわのねいずこ ほんたくをさがしもとめて しまじまめぐる長浜2日目は竹生島へ渡る。連絡船は往復で申し込むことになっていて、島の滞在時間は90分と決められている。時間で拘束されるのは嫌なので、90分で足りるかと心配していたのだが、大丈夫だった。竹生島は湖北に位置する信仰の島で、宝厳寺と都久夫須麻神社がある。この島に参詣することも