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#エッセイ
【写真エッセイ】季節を連れてくる人々
最近身体が東京の秋を忘れかけている。
トライアスロンのような夏を走り切って、倒れ込むように辿り着く秋。火照った全身をひんやり優しく冷やしてくれる秋。
メキシコシティの気温は今ちょうど東京のそれと同じくらいなのに、過酷な夏を越えていないだけで、秋の感じ方がまったく違う。ここでは季節は自然に移り変わっていくのではなく、ぐいぐいと人々が引っ張ってくるものらしい。
目抜き通りで行われたフラワーフェス
【写真エッセイ】この色彩のなかで
メキシコで暮らしていると、ときおりはっとするほど美しい色彩に出会う。
そしてそのたびに思うのだ。3歳の娘の小さな瞳に今この景色はどんなふうに映っているのだろう、と。
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旅が得意なわけじゃない。とりわけ「街歩き」がメインの旅は、ベビーカーに不向きながたがたの石畳に、子どもが食べづらい伝統料理のレストランばかりで、正直言って楽しさよりもまず疲れを感じてしまう。
それでも、ホテルのプールで遊ぶ
【写真エッセイ】メキシコ最大の祭り「死者の日」を彩るマリーゴールド
一年に一度メキシコが最も盛り上がる季節が、今年も終わりを告げた。"Día de Muertos"(ディア・デ・ムエルトス)、「死者の日」だ。
映画『リメンバー・ミー』によって世界に広く知られたこの祭りを、メキシコの人々は昔から変わらず愛し、守り続けている。
そんな「死者の日」には、いくつもの伝統がある。なかでも欠かせないのが太陽のように輝く花、マリーゴールドだ。今回は、スペイン語でcempas