旅かっくん✳︎いのうえかずたか

#ちょっと手伝って!からはじまる生活 #文化人類学 的 #マージナルマン #コンダクタ…

旅かっくん✳︎いのうえかずたか

#ちょっと手伝って!からはじまる生活 #文化人類学 的 #マージナルマン #コンダクター #むずかしいことをやさしく #幸せになりたいけど頑張りたくない #わざわざ訪ねてまでも会いたい人がいる  #旅×生活=居候

記事一覧

泣いた青鬼

カチカチ山、さるかに合戦、したきり雀、エトセトラ……。 日本には悪い奴らやズルい奴らをやっつける昔話が残っていて、おとなにも子どもにも人気がある。こんなにもこら…

ほんとうの子ども ほんとうの教育学

30年近く、なんとなく横にちょこんと置き続けてきた関心ごとを立ち止まって整理していたら、あらためて学ぶ時間をつくりはじめていました。 『被抑圧者の教育』(1968)パ…

里山を選ぶ

今年の夏も、東北へ向かいました。 訪ねたのはいわき市大久町(おおひさまち)の山の中。 埼玉県から移住して6年目を迎える小島剛さん(たけしさん)、悦子さん(えっちゃ…

旅をしよう

ナースのたまごっち12月といえば、山形県立保健医療大学・看護学科!というほどに、ここ数年は冬のこの季節をたのしみにしています。 看護学科の特別講義『相互理解連携論…

青鬼は旅人

手伝い こうしてはじまる役割の中では、『泣いた赤おに』の主人公たちのような関係が生まれることがよくあります。何処かの誰かに声をかけてもらって訪ねてみると、本人た…

じどうはったつしえんの巻

「かっくんいまどこにおると?! 手伝って!!」 ひと月ほど前から、しののせきのふく(下関のふぐ)の仕事を減らしてもらっています。午後はのんびりこれからのことに想い…

人間か、労働力か

「ある小国の支配民族は危険を感じている。労働力を呼んだはずなのに、やって来たのは人間だったからだ」 マックス・フリッシュ / Max Frisch スイスの作家(1911-1991) …

旅になんか出るな!

はじまり 1995年1月17日 阪神・淡路大震災が起きた時、ぼくは25歳の大人だった。自分で自分の行動を選択できる大人だった。テレビの向こうで起きている現実を知ろうと、何…

日の入り − はつひのでのうらがわで

西からのぼったおひさまが、東へしずむ 太平洋に昇る太陽ばかりが、ちやほやされているニッポンのお正月。 たとえばぼくは、電車の車窓から流れてゆく風景を眺めるのが好…

風景印はありません。

はがきに押される消印の代わりに、原風景を思い起こすような絵が描かれている風景印。 はがきはいつも、ポケットに忍ばせている。ひとところへ留まらず古今東西ニシヘヒガ…

風景印は原風景。

万年筆とはがきは、いつもポケットに忍ばせている。ひとところへ留まらず古今東西ニシヘヒガシヘと移動をやめないぼくが、唯一、習慣というべきものを身につけられたもの。…

出稼ぎ手帳を手に入れた。

生まれてこのかた、わざわざ訪ねてまでも会いたい人を訪ねる毎日。訪ねるとたいてい、「ちょうどいいところに来てくれた!」と、なにかの役割が待っています。それはだいた…

一弾指

瞬きひとつ、ほんの一瞬の中に、たくさんの物語が散りばめられている。それに気づけるかどうかはむずかしいこと? 日々の生活に疲れていたり、代わり映えのない生活にうん…

オンラインを捨てよ、町に出よう / 周回遅れのすすめ♪

〈蟄虫坏戸 / むしかくれて とをふさぐ〉 七十二候より 暦の上では、自然界 ー虫や花や草木や空や海や川や山ー は冬ごもりの準備に入る頃。戸をふさいで土に隠れた虫たち…

鬼退治、オニって誰だ?

前略 「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」 ↑遙照山温泉(ラジウム霊泉)/岡山 「むかし、この山に鬼が住んでおり吉備津彦命(桃太郎?)が鬼退…

他をあたれ!旅に出ろ!足を使って考えろ!

「電車の先頭3両には乗るな」 「ホームの先頭には立つな」 「夜は出歩くな」 「河原にテントを張るな」 「おばけが出るぞ」 「危険に近づくな」 子どものころ見聞きした、…

泣いた青鬼

泣いた青鬼

カチカチ山、さるかに合戦、したきり雀、エトセトラ……。

日本には悪い奴らやズルい奴らをやっつける昔話が残っていて、おとなにも子どもにも人気がある。こんなにもこらしめられる話がたくさんあるのに悪い奴らはいなくなりません。

きょうはそんな、こらしめなきゃいけない令和の時代の悪い奴らのお話です。旅の途中で出会ったある〈オニ〉から聞いたお話です。むかしむかしでも、いまはむかしでもなく、いまのお話。それ

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ほんとうの子ども ほんとうの教育学

ほんとうの子ども ほんとうの教育学

30年近く、なんとなく横にちょこんと置き続けてきた関心ごとを立ち止まって整理していたら、あらためて学ぶ時間をつくりはじめていました。

『被抑圧者の教育』(1968)パウロさん著
『子供の誕生』(1960)フィリップさん著

この2冊には……
・大人と子どもの本来の学び(意識)
・文化的背景や時代の感情(情動)

これらを知るための基礎知識が詰まってた。

今までのぼくの学びの根っこにあるものは、

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里山を選ぶ

里山を選ぶ

今年の夏も、東北へ向かいました。

訪ねたのはいわき市大久町(おおひさまち)の山の中。
埼玉県から移住して6年目を迎える小島剛さん(たけしさん)、悦子さん(えっちゃん)、そして震災後、東京生活に別れを告げて両親の元へやってきた和美ちゃんが迎えてくれました。

大きな被害を受けた太平洋に面した久ノ浜(ひさのはま)から車で10分。山を開墾して、とても素敵な里山になっていました。

剛さんとえっちゃんは

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旅をしよう

旅をしよう

ナースのたまごっち12月といえば、山形県立保健医療大学・看護学科!というほどに、ここ数年は冬のこの季節をたのしみにしています。

看護学科の特別講義『相互理解連携論』で、ナースのたまごっち(看護2年生)たちと共に「相互理解って?」「連携って?」とあれこれ思いを巡らす時間を過ごすようになって数年。昨年からは山形県内で活躍する友人に声をかけ、シンポジウム方式の講義をするようになりました。

昨年に続き

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青鬼は旅人

青鬼は旅人

手伝い

こうしてはじまる役割の中では、『泣いた赤おに』の主人公たちのような関係が生まれることがよくあります。何処かの誰かに声をかけてもらって訪ねてみると、本人たちが気づいていなかったり手をつけられずに困っていることが、そこには隠れているからです。泣いた赤鬼と村人の間にある関係。そこに現れる青鬼の存在。

ぼくの役割は「人が足りない」という友人知人の手伝いです。それ以上でもそれ以下でもなく、その場

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じどうはったつしえんの巻

じどうはったつしえんの巻

「かっくんいまどこにおると?! 手伝って!!」
ひと月ほど前から、しののせきのふく(下関のふぐ)の仕事を減らしてもらっています。午後はのんびりこれからのことに想いを馳せる時間に充てることにしました。

↑〈しののせきのふく〉の仕事の舞台裏。

が、のんびりしようとしていた矢先!(……ネンガラネンジュウのんびりしてるんだけど)。

【放課後等デイサービス】
児童福祉法を根拠とする、障害のある学齢期児

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人間か、労働力か

人間か、労働力か

「ある小国の支配民族は危険を感じている。労働力を呼んだはずなのに、やって来たのは人間だったからだ」

マックス・フリッシュ / Max Frisch スイスの作家(1911-1991)

動物占いでは〈陽気なオオカミ〉
オオカミは、基本的に気にかけてくれる人や気にかかる人に対しては、どんなことがあってもこちらからは噛みついたりはしません。

実は、オオカミが家族をとことん守るという生態だということ

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旅になんか出るな!

旅になんか出るな!

はじまり
1995年1月17日
阪神・淡路大震災が起きた時、ぼくは25歳の大人だった。自分で自分の行動を選択できる大人だった。テレビの向こうで起きている現実を知ろうと、何かをしようと思った。募金、物資を送る。でも本当は何をしていいのかさえ分からなかった。ましてや現地に行くなんてことは想像できなかった。そしてぼくは何もしなかった。何もできなかった自分自身を見て見ぬ振りをした。

自分の中の大きな負い

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日の入り − はつひのでのうらがわで

日の入り − はつひのでのうらがわで

西からのぼったおひさまが、東へしずむ

太平洋に昇る太陽ばかりが、ちやほやされているニッポンのお正月。

たとえばぼくは、電車の車窓から流れてゆく風景を眺めるのが好きだったり……。たとえば、来た道を振り返りふりかえり立ち止まりながら歩くのが好きだったり……。たとえば、自転車のニケツで後ろを向いて座っていたり……。

もう完全に後ろ向きLOVE!

大晦日を、生まれて初めて日本海の海岸で過ごしてみま

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風景印はありません。

風景印はありません。

はがきに押される消印の代わりに、原風景を思い起こすような絵が描かれている風景印。

はがきはいつも、ポケットに忍ばせている。ひとところへ留まらず古今東西ニシヘヒガシヘ移動をやめないぼくが、唯一身につけられた習慣。

友人たちへの便りと風景印。

旅の途中の流れる風景を眺めていると、友人たちの顔が目に浮かぶ。
「はぁ、いいなぁ……。あいつ、どうしてるかな」

「久留米に来たら?」
瀬戸内の海を見下ろ

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風景印は原風景。

風景印は原風景。

万年筆とはがきは、いつもポケットに忍ばせている。ひとところへ留まらず古今東西ニシヘヒガシヘと移動をやめないぼくが、唯一、習慣というべきものを身につけられたもの。それが……

友人たちへの便り。

旅の途中の流れる風景を眺めていると、友人たちの顔が目に浮かぶ。

「あぁ、気持ちいいなぁ」
「あいつ、どうしてるかなぁ」

↑ 富士山の西側。地図をしまって走ることにすると、必ず迷子になります。その先には

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出稼ぎ手帳を手に入れた。

出稼ぎ手帳を手に入れた。

生まれてこのかた、わざわざ訪ねてまでも会いたい人を訪ねる毎日。訪ねるとたいてい、「ちょうどいいところに来てくれた!」と、なにかの役割が待っています。それはだいたい望むと望まざるとにかかわらず、相手のちょうどいいタイミングがきっかけで、新しい生活のはじまりはじまりー。

殊にこの10年は……
蔵人(日本酒造り)、お茶摘み、住み込みの管理人、いろんなところでお手伝いなどなど、ちょうどいいタイミングが続

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一弾指

一弾指

瞬きひとつ、ほんの一瞬の中に、たくさんの物語が散りばめられている。それに気づけるかどうかはむずかしいこと?

日々の生活に疲れていたり、代わり映えのない生活にうんざりしていたりと、大切なものを見過ごしてしまうのは世の常。なかったことにしてしまったことも少なくは、ない。

目の前のものごとを小さく細かく見ることができれば、むずかしそうな物語のちょっとした場面を見ることができるようになるかもしれない。

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オンラインを捨てよ、町に出よう / 周回遅れのすすめ♪

オンラインを捨てよ、町に出よう / 周回遅れのすすめ♪

〈蟄虫坏戸 / むしかくれて とをふさぐ〉
七十二候より

暦の上では、自然界 ー虫や花や草木や空や海や川や山ー は冬ごもりの準備に入る頃。戸をふさいで土に隠れた虫たちは、来春、〈啓蟄 / けいちつ)〉の頃までおやすみなさいなんだって。

オンラインを捨てよ

人間はというと、食欲だ、スポーツだ、なんだかんだと活動的な初秋。町を歩いていると、なんとなく落ち葉のような食欲をそそるようなオレンジ色のの

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鬼退治、オニって誰だ?

鬼退治、オニって誰だ?

前略

「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」

↑遙照山温泉(ラジウム霊泉)/岡山

「むかし、この山に鬼が住んでおり吉備津彦命(桃太郎?)が鬼退治にやって来た。鬼は矢が当たると逃げてこの地の温泉に入り、すぐに元気をとりもどして......」

遙照山(ようしょうざん)温泉に浸かってきました。
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あいかわらず見えないあれこれにやられ気味だったので、人里離れた場所へ避難!傷が癒

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他をあたれ!旅に出ろ!足を使って考えろ!

他をあたれ!旅に出ろ!足を使って考えろ!

「電車の先頭3両には乗るな」
「ホームの先頭には立つな」
「夜は出歩くな」
「河原にテントを張るな」
「おばけが出るぞ」
「危険に近づくな」

子どものころ見聞きした、大人の世界や自然の中で起こる事件や事故や身近な危険はファンタジー。

どうして?なんで?どうして?なんで?と大人に聞きながら、ビビリながら、失敗しながら、危険をおかしながら、ひとつひとつ確認をして理解をする。ファンタジーだったものが

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