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かどみなかずき
2023年7月15日 15:32
「生まれかわるならどうなりたい?」なんて疑問を持つことのないあなたの強さは、遭難者を探す救助隊の懐中電灯みたいに、容赦なく明るい。まっすぐすすんで、木、石、木、木、石、草、木、片端から照らし出して、効率的に確実に光をぶつけて見つけようとしてくれる。月に代わって遂行よ。強い言葉が苦手なんじゃなくて、強い言葉を押し出すために必要な強い声が苦手だとわかったんだ。正しさの中にある暴力性に怯えてしまうのは、
2023年7月13日 15:31
夏オブ海、の中につくった、冬オブザ氷、には縮こまった光がぎゅうぎゅう詰めになっている。局地的に刃物が降っている。ぼくの腕にも肩にも心臓にも刺さることは無くて、明かりに吸い寄せられて窓にぶつかる蝉みたいに、ぼくの骨を叩くだけ。痛みはないし、死ぬこともないけど、うるさいんだよ。音がなによりも苦痛だと知らないんか。氷は夏にではなく、蝉の声に溶かされる。夏オブ海、の中につくった、冬オブザ氷、が溶けて、日本
2023年7月6日 14:38
月光に月より月をかんじてしまうのは、にんげんに見えているのは光だから。光って影なのに光ってるから美しい。宇宙の隅々から地球に自己アピールが届いている。星々の承認欲求で輝く夜空を眺めて、愛を深めるにんげんがいる。夜空みたいに光を陳列した宝石店を強盗する、白昼堂々闇バイト。犯行映像視聴者提供。視神経の半分はタピオカカメラと繋がってんのかな。おもひでと言えば液晶の写真。光を取り込み過ぎて、金閣寺よりも金
2023年7月3日 14:56
向かってくる腕を、反射的に喰い破る。間伐材みたいに落ちた右腕を見て、じっくりしゃぶれる二の腕を一本無駄にしたことを後悔する。痛みで正気に戻ったトコに、口内の骨片を飛ばして怯ませて、跳び蹴りで倒して、左の太ももを喰い破る。大腿筋ってデカくて頑固だから、何回にも分けて喰らいついて破り捨てていく。動けなくしたら骨に守られてるトコを喰い破る。どこもクソ不味ィな。腐ったミカンと燃え残った樹の間の嫡出子みたい
2023年6月25日 16:53
商品化するって、自分の一部を結晶化させていくことで、大腸みたいな、とても見せられるような見た目をしていないものでなくて、スワロフスキーコラボみたいなもので、そうやってあなたは観光地になった結晶化させた右腕を太陽に透かすと、虹を纏った光が路地裏にも、密林にも、天国にも、角部屋にも、あたしが呑み下して溜まって倦んだ、粘性物質にも届くあなたは時代が違えば、神に捧げる儀式を執り仕切っていたん
2023年6月20日 16:06
指先一つで送りこむ 線状降水帯 飛沫をシミュレーションする スローモーション映像の動きニュースによると 川が氾濫して 道路が冠水して樹を薙ぎ倒す 轟音と物量で圧倒している襲い尽くして わたしの偉大さと 人間たちのちいささを分からせる淡い黄白色をした教室のカーテンが、ぶわっとなびくのを見るように、窓の外の飛雨を見る。太陽に照らされていたものに当たり散らす音は、ぼくの脳に、無意味と判断
2023年5月31日 19:40
風が頬を撫でるとき、僕は地球を撫でていることになるのだろうか?草花に触れることのなくなった僕のことも、地球は変わらず撫でてくれます。風に吹かれるススキの葉を見ていると、あなたを思い出します。買うべき本と同じ光を、「あ」という感覚で捉えてカメラを構える。光は便利だ。光は、お金みたいに変換できて、とても便利だ。みんなみーんな、光を求めて、夜は嫌われ者になった。ピカチュウは人気者になった。
2023年5月26日 16:03
春はその年の仕事を終えたと思い、夏は低気圧の頭痛に悩まされている時期季節の目を盗んで開けた窓から吹きこむ風は、エアコンの風みたいに剥き出しではなかったカドが剥き出しになった音程で月のように頭の回転が止まって、喉が詰まって言葉が絡まって心臓が地下室のように凍るという経験を嫌という程してきたのに自分からその音程が出ることがあるだから声帯を捨てることがやさしさだと思っていたしかし、茶化
2023年5月20日 15:05
ベロは表面にある内臓。内臓は生体活動に特化しているから、人に見せられる見た目をしていないだから、ベロを出していると違和感がある 気温三十度を超えた五月の舗装路の上 突然変異種のヨガのポーズ オレの才能ってこんな形なんだぜ星空を纏ったドレスは飽きられてしまって、孵化厳選で明かした夜のチューブトップに着替える原石のままのネックレスをする。まだ、窓を開けられる時期だから風を
2023年5月15日 15:32
時間にDIVEしている魚めがけて海中にとび込む鳥みたいにDIVEしている時間にDIVEしつづけている魚めがけて海中にとび込む鳥みたいにDIVEしつづけているかみさまは気軽に時間にとび込む人間たちに魚めがけて海中にとび込む鳥みたいな、欲望に忠実な滑稽さを感じているビルの上から、サイダーにDIVEするのは躊躇する立ちのぼる泡々が発する音は、悪魔の寝息のようにぬめぬめしていて、
2023年5月12日 15:10
カメラといえばスマホの世代は、想い出がセピア色じゃないいつからか写真を撮っても、映像が手の中に残るようになったチョコレートを口に入れてちょこれいと、としかいえない味になるように混乱する墨をはかれたように一気にひろがる夜に、地面から洪水のように雨が降っているゆめで、感じた恐怖が、目が覚めても身体に残っていて、この感情が現実なのかわからない雨の度に、宇宙は溶けているのかもしれない
2023年5月3日 15:41
冬を、逆手で握って、ふりあげて、自分の太腿に突き立てるとあらわになる春の温度青空にも、驟雨にも、嘘をつかれているようで、でも、もともと地球は宇宙しか見ていないというような温度温度だから実体なんかなくって、体感した事実だけが、私の手の中にある自分の骨を、有害な男らしさで打ちつけて、舞う粉塵を吸い込んで、くしゃみが出る思ったより危険度が高くて、もうひとつ出る胃から這い上がる溶け
2023年4月27日 21:28
僕は歩くのが遅い何車線もある大きな道路の脇を、ちいさく歩く車がビュンビュン通り過ぎて、バイクは無数の爆発を起こしながら進んで、ママチャリが通って、学生が下校していく僕はススメバチの死骸にぎょっとしているススメバチの濃黄色には、見るだけで毒がありそうで、避けて歩くよく見たら“Have a NICE DAY”と書いてある極彩色で巨大な看板駐車場をはさんで向かいにある、黒い建物に波打