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かどみなかずき
2023年5月31日 19:40
風が頬を撫でるとき、僕は地球を撫でていることになるのだろうか?草花に触れることのなくなった僕のことも、地球は変わらず撫でてくれます。風に吹かれるススキの葉を見ていると、あなたを思い出します。買うべき本と同じ光を、「あ」という感覚で捉えてカメラを構える。光は便利だ。光は、お金みたいに変換できて、とても便利だ。みんなみーんな、光を求めて、夜は嫌われ者になった。ピカチュウは人気者になった。
2023年5月26日 16:03
春はその年の仕事を終えたと思い、夏は低気圧の頭痛に悩まされている時期季節の目を盗んで開けた窓から吹きこむ風は、エアコンの風みたいに剥き出しではなかったカドが剥き出しになった音程で月のように頭の回転が止まって、喉が詰まって言葉が絡まって心臓が地下室のように凍るという経験を嫌という程してきたのに自分からその音程が出ることがあるだから声帯を捨てることがやさしさだと思っていたしかし、茶化
2023年5月20日 15:05
ベロは表面にある内臓。内臓は生体活動に特化しているから、人に見せられる見た目をしていないだから、ベロを出していると違和感がある 気温三十度を超えた五月の舗装路の上 突然変異種のヨガのポーズ オレの才能ってこんな形なんだぜ星空を纏ったドレスは飽きられてしまって、孵化厳選で明かした夜のチューブトップに着替える原石のままのネックレスをする。まだ、窓を開けられる時期だから風を
2023年5月15日 15:32
時間にDIVEしている魚めがけて海中にとび込む鳥みたいにDIVEしている時間にDIVEしつづけている魚めがけて海中にとび込む鳥みたいにDIVEしつづけているかみさまは気軽に時間にとび込む人間たちに魚めがけて海中にとび込む鳥みたいな、欲望に忠実な滑稽さを感じているビルの上から、サイダーにDIVEするのは躊躇する立ちのぼる泡々が発する音は、悪魔の寝息のようにぬめぬめしていて、
2023年5月12日 15:10
カメラといえばスマホの世代は、想い出がセピア色じゃないいつからか写真を撮っても、映像が手の中に残るようになったチョコレートを口に入れてちょこれいと、としかいえない味になるように混乱する墨をはかれたように一気にひろがる夜に、地面から洪水のように雨が降っているゆめで、感じた恐怖が、目が覚めても身体に残っていて、この感情が現実なのかわからない雨の度に、宇宙は溶けているのかもしれない
2023年5月8日 13:47
世界中をふきあるく風がわたしの顔と出くわすのは奇跡だろうか?エアコンの統制下にある部屋の窓を開けられるわずかな時期春は役目が終わったと思い、夏がまだ動きださなくていいと思っている隙間の時間目を盗んで深夜の高速を走るわたしが助手席に座って、言葉を空気に乗せて、運ばれるのを待つ、かすかな会話 硬くて軽くて当たると痛い音程の言葉で、思考が動かなくなったり、喉が詰まって言葉が絡
2023年5月3日 15:41
冬を、逆手で握って、ふりあげて、自分の太腿に突き立てるとあらわになる春の温度青空にも、驟雨にも、嘘をつかれているようで、でも、もともと地球は宇宙しか見ていないというような温度温度だから実体なんかなくって、体感した事実だけが、私の手の中にある自分の骨を、有害な男らしさで打ちつけて、舞う粉塵を吸い込んで、くしゃみが出る思ったより危険度が高くて、もうひとつ出る胃から這い上がる溶け
2023年4月27日 21:28
僕は歩くのが遅い何車線もある大きな道路の脇を、ちいさく歩く車がビュンビュン通り過ぎて、バイクは無数の爆発を起こしながら進んで、ママチャリが通って、学生が下校していく僕はススメバチの死骸にぎょっとしているススメバチの濃黄色には、見るだけで毒がありそうで、避けて歩くよく見たら“Have a NICE DAY”と書いてある極彩色で巨大な看板駐車場をはさんで向かいにある、黒い建物に波打
2023年4月23日 17:49
月面都市に住んでみたら、六分の一の重力が、知識ではどうにもならない不安感を、内臓がフワッと浮くみたいに与えて、みんな、太陽系を前に、惑星のように縛り付け合った。雑談で嘘をつく必要のある社会みたいに白い洞穴みたいな住居が、光の当たるところに集まっている。夜というよりはただの闇の頭上で、星というよりはただの巨岩が、大渋滞を起こしている。波が人間の世界と人間外の世界を分けるように、空が彼女と言い換えるこ
2023年4月12日 19:12
食べるが誇張された皿に、レシピで構造化された料理が、盛られている。それをだれの手もかりずに食べれるみどりごがいる。にんじんの“にん”と“じん”のあいだから溢れ出る、春の甘さと皮の香りは、実家が解体されているときに、柱の折れたとこから漂う想い出みたいなものなのに、自分が産まれる前に、うまれた廃墟に、きみは心を奪われている。いつから世界の朽ち葉が社会の歯車になったのかなぁ。電気がなくても、春
2023年4月7日 17:58
公園デビューしたときから作っていた砂の城は、具現化された死が生命を奪おうと伸ばした手みたいな白波に触れられて溶け崩れた 改札脇のキスを見られてキレる恋人たちの残酷さと同じ白さの砂が、濁ったエスプレッソに変わる黒が、白砂の中の、暗闇に消えていく金星まで5500万km 月が落ちて太平洋プレートを砕く音も、窓まで凍える夜には消されてしまう朝になったら、拡散される迷惑行為みたいな純粋
2023年4月1日 18:24
ラーメンの海苔はスープに半身浴させてパリパリ感を残したまま麺に巻いて食べる。このとき、麺は少なめに取る。口の中で海苔を楽しめるように。追加でトッピングできない私の、贅沢な食べ方。お冷がお持ちされた。すでに私の手元にはあるのだが、お持ちされた。カウンターの上にはピッチャーがあり、隣のおじさんにはきていないところを見ると、たぶんミス。ラーメン屋では珍しく、同じ人に配属になった二つ目の