短編Ⅸ | YOU 5/5
俺は、女亭主にうまく言いくるめられただけのように思いながら、それでも、少し気持ちが楽になったように感じながら、残りのズブロッカを飲み干して席を立った。そしてドアに手をかけて外に出ようとしたところで、女亭主に呼び止められた。
「あんたさ、メソメソ悩みたいなら勝手に悩めばいいけど、勝手にお嬢ちゃんの気持ちを決めるのは止めなよ。お嬢ちゃんは、あんたの想像と全然違うことを考えてるかもしれないよ?ビビってないで、お嬢ちゃんの気持ちをちゃんと確かめてみな。どうせ、このままじゃ別れること