マガジンのカバー画像

☆癒しのとき・宝箱☆

12,243
是非、皆さまにもご覧になっていただきたい わたしの宝箱
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

一年間 #シロクマ文芸部

一年間 #シロクマ文芸部

 十二月はじまりの
 手帳には

 ものごとが
 実現したように
 書くのです

 「恋人よこれがわたしの
 一年間の恋心です」

 てゅらてゅらてゅらてゅらてゅら
 てゅらら
 てゅらてゅらてゅらてゅらら

 声が好きだと気がついた 一月
 フリック入力にみとれた 二月
 ミモザ色が似合っていた 三月

 風になびく髪に見惚れた 四月
 潤む瞳にぶつかり俯いた 五月
 スタバであまやどりした 六

もっとみる
【詩】渦

【詩】渦

気が触れそうな

ピンと張られた糸と糸を

頭の中で響くキーキーと引く音

追いかけられる目

数知れず

雨のように

目が降ってくる

SNSの世界では責める言葉と

悪い噂が耳を閉じても

鼓膜を揺らす

きっと誰かが僕を

陥れようとしていると

大声で叫びたくなる

会社では僕は間違っていないと

理解を求めれば求めるほどに

僕は異物のように

真ん中に一人だけ立って

皆が去っていく

もっとみる
【詩のようなもの】母親

【詩のようなもの】母親

蛍光灯の青白い光の下にあるテーブル。払い忘れた請求書と飲みかけのペットボトルはいつのものかわからない。床に敷かれたカーペットには埃と髪の毛が端に寄っている。

ベッドの上の布団はカバーもなく薄汚れたまま丸まっていた。化粧ケースが開けっ放しのままなのはきっと急いで出かけたからだろう。
テーブルに置いてある千円札はそれで何か食べてと言う意味でLINEで適当にどうにかやってとだけ送られてきた。
蛍光灯は

もっとみる
【詩】手の上にあるもの

【詩】手の上にあるもの

ゴンドラが揺れている

水路は街の間を縫うように走り

街の様子をゴンドラから

ゆっくりと見る

行きたいところには

全部行った

また行きたいところにも

きっといつでも行ける

水路から川に出た時に

日常を思い出す

何もかも手にしたのに

欲しいものを買えるだけの

お金を持って

いまわたしは何をしているんだろう

もう贅の限りを尽くした

生活には何も感じない

何かに打ち込みたい

もっとみる
【詩のようなもの】そういうこと

【詩のようなもの】そういうこと

濃霧注意報が出ていた

この頃よく霧をみる

昨日も霧だった

濃霧の向こうに見えるのは

誰かではなく私

手を広げている私

きっと晴れるであろう

霧はもう少し

居座るつもりだろうか

明日には霧は晴れると

遠くで誰かが歌っていた

私の前にある濃霧は晴れ

朝には山々を見ながら

紅茶を飲む

きっとそうなる

いや

絶対にそうなる

私は羽がまう

布団に吸い込まれるように

眠り

もっとみる
【詩のようなもの】晴天のそら

【詩のようなもの】晴天のそら

雲一つない晴天

目を閉じると

太陽はない

白い霧が私の体を包む

太陽は明るく土地を

照らしていると言うのに

体は冷たく

あの時のように

手はかじかみ

思いだけが

行き過ぎる

倒れそうになる体を

壁に押し付けて

やっと立っている

気持ちは晴天なのに

よぎるものは霧

負けてはいけない

自分の心に強く言う

体は私自身を見透かしたように

答える

ゆっくりと寝なさい

もっとみる
【詩】自由へ

【詩】自由へ

嵐の音ははじめは

静かだったのに

次第に轟音をとどろかせ

近づくのに気が付いて

走っても

文字で出来た嵐は

僕をその風と雨と共に

巻き込む

悪いことはしていない

陥れてもいない

それでも嵐は強烈

文字は言葉となり

手や足に

突き刺さる

木片が胸を貫く前に

体を丸めて固くする

心臓だけは誰にも渡さない

渦の中でどこに

連れていかれるのか

わからない

Set m

もっとみる
【詩】Journey

【詩】Journey

昨日の溜息を飲み込んだまま

朝を迎える

いつか誰かにもらった本

苦し紛れに開いたページに

書いてあったこと

人生は旅であり目的地ではない

長いとは言えない

短いとは言えない人生

荒天の日ばかりが

思い出される

革靴を履けば目の前には

泥となった土の道

いつも通りの道なのに

革靴を履けば雨になる

休日に心安らぐ曲を聞けば

いつも静かな近所の犬が吠えて

止まることがない

もっとみる
まずは ここから

まずは ここから

 頼りない 足場を 踏み出して

 頼りない 私を 動かして

 どこへ 行こうか
 どこに 行こうか

 道は 今 見えている

 未知は 今 見えている

 いや 何も 見えて いない
 かも しれ ない

 私がここに いるのなら

 私がここに いるのなら

 何が できるだろう
 何か できるだろう か

 できることは ない かも

 しれない

 そんな 頼りない 足で

 そんな 

もっとみる
【詩】My Life

【詩】My Life

華美に光るダイヤモンド

天空にある星のない空が見える

ペントハウス

わたしの生活

光は鈍く輝く

そんなものはひとつも

羨ましくない

それは紛れもない本心

僕の本音

わたしは

向上心の無いかわいそうな人は

高いところには住めないと

悲しそうに目にハンカチをあて

泣いて見せる

仕方がないそんな生活が

出来ない惨めな人なのだから

僕にとっては

そんなことはどうでもいい

もっとみる
【詩】All for you

【詩】All for you

彼女は不思議なことを言う

わたしは祈るためにここにいる

僕は不思議なことを思う

彼女はそのために

命を削っている

力なく病院のベッドに寝ている彼女

それでも皆のために祈る

駆けだして祈るなと大声で言う

心細い顔で必死に祈る君を

僕は止めたくて

そこまでして自分をイジメるな

もういい もういい 

体は動かず

手だけで何かを語る

君は十分僕たちのために祈ってくれたじゃないか

もっとみる
【詩】オール

【詩】オール

小鳥のさえずりは

仕事漬けの体には優しい

今は家でくつろぐ気分ではない

ノートパソコンの入った

リュックを背負いながら

自然の音を聞き

仕事の続きをする場所を探す

犬の散歩をしている親子を見て

思わず顔がゆるむ

会社に長く縛られない

僕らの周りに一生同じ会社に

勤め続けると言う人は

殆どいない

僕の会社も入れ替わり

立ち替わり

昭和過ぎてついて行けないと言う

友達も

もっとみる
優しい人 (詩)

優しい人 (詩)

誰にでも平等に優しいのね
それがキミのいいところ

でもね、ちょっと不安になるの
特に、あの子には優しくしないで
私が傷ついてること、気づいてないでしょう?

キミの優しさに触れる度
複雑な気分になるわ
キミの真意が分からない

私だけに優しくして
私だけを、見て

  ( Xの深夜の二時間作詩に投稿しました)

【詩】すれ違う

【詩】すれ違う

立ち止まって言う

大丈夫ですよ

あなたにはわかるのですか

いいえ

私もわかるといいましょう

わたしは見えなくてもいいものが

見えて

肝心なものが見えない

自分のこと

私も同じです

わたしのことがわかるなら

おしえて欲しいのです

これから先のことを

知った方がいいこともあれば

知らない方がいいこともある

それはあなたもご存じでしょう

私たちがわかることなど

そんなこ

もっとみる