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【詩】渦

気が触れそうな

ピンと張られた糸と糸を

頭の中で響くキーキーと引く音


追いかけられる目

数知れず

雨のように

目が降ってくる


SNSの世界では責める言葉と

悪い噂が耳を閉じても

鼓膜を揺らす



きっと誰かが僕を

陥れようとしていると

大声で叫びたくなる


会社では僕は間違っていないと

理解を求めれば求めるほどに

僕は異物のように

真ん中に一人だけ立って

皆が去っていく


違うと叫べばもっと去っていく


気のせいとその狭間が見えない

僕は僕を抱きしめ

違う星に飛んでいく


黒い革靴に黒いスーツを着た男が

目の前に落ちた紙を拾い

その紙を僕に渡す


僕はきっと夢を見ている

遠い世界の出来事のように


渡そうとした紙を手で払おうとすると

男は見なさいとだけ言って紙を握らせ

去っていった




そこには一言

Gaslighting

と書いてあり



意味の分からぬその言葉

ただ男の後ろ姿を目で追った































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久住ハル
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