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UtaMochi/詩餅
2023年8月31日 18:18
20230831誰かが急激に痩せたように見えたのは少し斜めに立っていたから錯視に惑わされ 目を擦っても歪んだ幻想が頭にこびりつく彼に何かを与えるならばそれは強い酒か煙草であると良い誤魔化せば世の中 幸せだらけつまらない事ばかり見ていられない誰かが残した札束を数えたのは嘘でも充実していたいからその札の価値を 忘れていても膨大な理想が口から出てゆく彼に何かを求めるなら
2023年8月24日 13:05
20230822「次の方どうぞ」と言われる前にショットガンを構えて突入すれば頭を狙ってぶっ放す花が開いて受かるはず数日後にはお祈りされて彼の意欲に気付かないまま次の方になる前に電話をかける面倒そうに対応されるしっかりとエージェントを付けて相談してみるが埒が明かないスタンガンで目を覚ましてみれば特殊な仕事へと案内される紅茶を飲みながら日を待ち時間が近付けば準備をす
2023年8月22日 18:41
20230821キーケースの真ん中にいる彼は両隣の鍵に挟まれて寝苦しいいつも不機嫌な二つの鍵は彼を追い出したくてたまらないいつも鍵穴に差し込まれるのは彼の右側にいる鍵なので退屈な毎日を送っている(左側の鍵が何の鍵なのかは知らない)彼をつまんで引っ張り出して遊ぶと子供達はいつも母親に怒られる危険なモノになったつもりではないが菓子の粉や泥に塗れるのは嫌なので丁度良いあ
2023年8月20日 21:12
20230820テレビゲームをやりすぎたのかも知れないグリッチでキマってしまった道を歩いてライブに向かう彼の目が誰かを見る時にレベルを測るように誰かもまた 彼を品定めしている左右にズレた顔どもの行進ビルは斜めになって落ちてきそうだ誰かの車を盗んで走るのも悪くないそれとも 街ゆく人から金を巻き上げるべきか?(エクレアを頬張りながら冗談混じりで 他の男と出かけた話をしている太
2023年8月20日 12:57
20230817鏡が割れたら終わる世界が月明かりに照らされている青白い顔を撫で 冷たく暴かれ心の居場所はもうわからない睡魔に酒臭い息を吹きかけられるアルコールなど遠ざけているのにいつの間にか夜に酔っ払い発酵したカーテンが風で揺れる街はいつも騒がしい他人事であることが不思議なくらいだよく聞こえる声が同じ人のものかもわからないまま 街を眺める街は心を隠してしまう小さ
2023年8月19日 16:21
20230819君らが僕を見て逃げる夢を見たその目に映る僕は怪物だったわかっている 間違えてしまったこと数えきれない罪が僕の上に立つそれでも 追いかける僕の足が疲れ果てても たとえ千切れても君らの前に立てる時まで何かを追いかける それが君らでなくても君らが僕を見て笑いかけたとしてもすぐ微笑み返すことが出来ないかも知れないわかっていた 僕が怪物になったこと傷付けた分の傷
2023年8月19日 12:19
20230818コンクリートに打ちつけた頭の中からこんがりとした たい焼きが出てきた甘い匂いに釣られて来たたい焼き屋の前そこらの石につまずいてコケた遊び疲れてかれた声を懸命に出し助けを呼んでみた 別に必要なかった誰も来ないので不貞腐れているとたい焼きに釣られた野良猫が現れた「これはお前が吐き出したのか?」「ああ そうみたいだな」「やけに美味そうだな 食って良いか?」「
2023年8月18日 23:47
20230818剥がれかけのステッカーの上にスプレーを吹きかける鼻をつんざくにおいにやられ頭の奥に溜まった汁がはみ出すその汁が水溜まりを作る俯いて映し出すスニーカーを見る動くたび作られる波紋が飛び散る水滴と一緒に染み込む色は空気を含んで変化してゆく線は形となって立体になるステッカーの名残まで刻印し壁はにんまりと笑っている完成したものを眺めながら満足そうに休憩をし
2023年8月17日 22:13
20221002二人の子供がこちらを向いて笑っている(あぶく あぶく ぷかぷか浮かぶ ボートの影を見上げながら)今晩は美味しいサラダを作ろうおもちゃを踏んづけた痛みで怒りが湧く(ゆらゆら 揺れているこの時 醒めぬ夢のよう アルコールの匂い)子供たちは笑っているソファの位置を変える 気に入らない(深海からこちらを眺める魚たちの目が 星のように瞬いている)子供たちは泣いて
2023年8月17日 13:00
20230812隔てた壁の向こう 見えないものを空想しながら描き続ける彼の瞳に映る全てのものが絵となり文となり連なってゆくガラスの向こうでサイレンが鳴る耳を塞いで音楽を聴く彼は同じ日々を過ごしている何年経ったのかは忘れてしまった人々が彼を観て写真を撮る彼の横顔を笑って通り過ぎる絵と文が何かを示しているのでそれを研究している学者もいる生まれ変われるとしたら星になろう
2023年8月16日 08:41
20230812新宿駅東南口を降りると喫煙所に向かうそこにはつまらなそうな顔をした男女がいる煙で少しフィルターがかかりぼやける彼は煙草を取り出して火をつける前はこんなことをせずに済んだと思うつまらない顔たちがつまらない煙を吐きダラダラと死へと近づいてゆくそしてその中でも一番つまらない顔をした彼が一本の煙草を吸い終わる服を買いにビックカメラへと向かうユニクロとのコラボはいつ
2023年8月9日 06:05
20230807燃える陽を眺めているひたすらに焦がされて立ち尽くしている汗が流れ落ちる感触がする疲れ果てた脳内で会議をする「この後はどうする」「何もすることはない」「どこに行けば良い」「何も求めてはいけない」燃える火を眺めているまるで他人事のように灰皿の中短くなっていく紙巻きの煙草涼しさではっきりとした脳内が騒がしい「これまではうまくやってきた」「そんなことはな
2023年8月5日 00:25
20230803誰からも愛されずに誰も愛さずに済むならさようならも言わずに出会うこともなかったらこの痛みはなかっただろう痛みに教わることもなかっただろう楽になるために死を選ぶように誰とも関わらずに生きてゆけたら自分を見つめる自分の瞳を何度も突き刺して仕舞えば良い何も恐れることはない傷はすぐに塞がってしまうから傷跡の多さに絶望する時もなぞる指をへし折りたくなる時も
2023年8月3日 18:35
20230803呼吸に意識を集中させる瞳を閉じて研ぎ澄まされた時間に触れる鋭く尖って突き刺さる昨日と腕を組みながら待つ明日を受け入れるやる気のない今日は全身の力を抜いて横たわっている右目を開いて左目を開く瞬きが昨日と明日を手招きする昨日が深くめり込む明日の吐息が顔に当たる今日は何もせずにそれを眺める机の上に置かれた時計が騒ぐ秒針が不満を垂らす長針と短針がそれを聞