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詩「就活男」

20230822

「次の方どうぞ」と言われる前に
ショットガンを構えて突入すれば
頭を狙ってぶっ放す
花が開いて受かるはず

数日後にはお祈りされて
彼の意欲に気付かないまま
次の方になる前に電話をかける
面倒そうに対応される

しっかりとエージェントを付けて
相談してみるが埒が明かない
スタンガンで目を覚ましてみれば
特殊な仕事へと案内される

紅茶を飲みながら日を待ち
時間が近付けば準備をする
スーツのほつれが気に入らず
千切って整え着こなして

「次の方どうぞ」と言われても
無視をし続けてみる
待合室で石になる
偉人のような石像になる

毎月美人に体を拭かれ
重要そうな会議に参加する
その顔は自信が溢れていて
見るものに金をもたらすと噂される

お祈りを聞き入れれば
人々は彼を尊敬する
美人が老人に変わっても
彼は変わらずにそこにいる

会社が倒産する年になると
彼をどうするか会議が始まる
放蕩息子は気味悪がって
彼を粉々にすると決める

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