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詩「似合わない幸福」

20230803

誰からも愛されずに
誰も愛さずに済むなら
さようならも言わずに
出会うこともなかったら

この痛みはなかっただろう
痛みに教わることもなかっただろう
楽になるために死を選ぶように
誰とも関わらずに生きてゆけたら

自分を見つめる自分の瞳を
何度も突き刺して仕舞えば良い
何も恐れることはない
傷はすぐに塞がってしまうから

傷跡の多さに絶望する時も
なぞる指をへし折りたくなる時も
ここではない何処かに焦がれている
幸福は大したことではないとうそぶきながら

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