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詩「映る炎」

20230807

燃える陽を眺めている
ひたすらに焦がされて立ち尽くしている
汗が流れ落ちる感触がする
疲れ果てた脳内で会議をする

「この後はどうする」
「何もすることはない」
「どこに行けば良い」
「何も求めてはいけない」

燃える火を眺めている
まるで他人事のように灰皿の中
短くなっていく紙巻きの煙草
涼しさではっきりとした脳内が騒がしい

「これまではうまくやってきた」
「そんなことはない」
「これからもうまくやっていける」
「そんなことはない」

燃える非を眺めている
この身体の中で灰になるまで
煙を上げてのたうち回る自分が居る
眠りを妨げるのは脳内の人々

「君は良くやった」
「良かった試しなんてひとつもない」
「君はもう何も残されていない」
「それでも絶望の一つだって見つからない」

燃える日を眺めている
燃える人々を 燃える街を
燃える家を 燃える夢を
燃えている全てを眺めている

「それで良いんだ」
「悪くはない」
「それなら良かった」
「ただ 眩しくて仕方がない」

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