鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)ー1月30日〜31日ー
1月30日 火曜日
朝食中、恐ろしいニュースを耳にして言葉を失う。
。。。。こんな最悪なこと。。。。。
マンガ家なのかよくわからない下っ端の私でさえ、打ちのめされる事件。
メディア化されたマンガ家さんや第一線で活躍されている先生方、現在連載されている先生方は、いま、言いようのない複雑な、重い苦しい、いたたまれない胸中なのではないだろうか。。。
芦原先生の最後の呟きが悲しくてならなかった。
あのわずかな呟きは、本当の本心なんだと思う。
あの呟きが最後の言葉なんて、どれほど悩まれていたことか、
孤独に一人で抱えて苦しんでいたことか。。。と思う。
自責の念なのか、それともなんらかの訴えなのか、追い込まれて描くことさえ出来なくなってしまったのか。。。旅立った真相はわからない。
しかし今、多くの漫画家さんが、表には出さずとも、言いようのない悲しみや憤りで震えているだろう。
。。。。。今日は頭も心も真っ白で、何も手がつかなかった。
1月31日 水曜日
気持ちを切り替えて、今日は朝1番に喫茶店へ。
しんどくても日常を回してゆかねばならない。。。
無心で4冊分の資料ノートをとり、iPadでプロットを作る。
こちらは今作っているプロットの資料ノート。
「書く瞑想」ともよく言われるけれど、資料から学び、文字を書いていると、波打つ心がどんどんおさまってきた。
帰宅後はわかさぎの揚げ物を塩とレモンでかけたものを食べて、
隅田川を久しぶりにウォーキング。
空気がまどろんで、白くたゆらい、春のようにあたたかい。
まるでふわふわのお日様の中を歩いているように、すべての輪郭がぼやけてみえる。
身体中に酸素をいっぱいに吸って、燦々と日光に当たる。
自分の中のマイナスなものがすべて出てゆくイメージ。。。
ものすごく気持ちが良かった。
帰宅後は娘の宿題を叱咤しつつ、お夕飯作り。
年始から辛いこと続きである。
今年は何か、大きなことがまだ起こるかもしれない。
それでも世界は美しいし、食べ物は美味しいし、何でもない日常は楽しい。
生きよう。