へびやま

フリーランスのアニメーターです。過去に読んだ本、映画の内容をまとめています(動物と人間、脳のしくみ、経済、社会)

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最近の記事

『モオツァルト』 小林秀雄

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    • 悲観と楽観

      短編アニメの、あるいはイラストを描くとき 「全然作れない」になる理由が(やっと)分かったので書いておく。 物語がイメージできないのである。 設定もストーリーも不得意で、ものすごくめんどくさい。というか興味を持っていない。 アイデアを考えるときの基準は「現実の〇〇を要約すると、△△と一緒」と類型化(?)することで、個別性を剥ぐほうが楽しいのだから、そりゃあ物語なんて作れないよなあと思う。 もちろんある種の制作物はできるが、ともかく 苦手と得意の区別がついていなかったのだ。

      • 『廃用身』 久坂部羊

        老人デイケアに勤める医師による実話 を模したフィクションです。 「麻痺した手足を切断する治療」という設定で、 患者さんとご家族、デイケアのメンバー、マスコミの反応など非常に丹念に描かれています。 タイトルの「廃用身」とは、脳梗塞などで麻痺し、リハビリをしても回復が見込まれない、動かない手足のことです(wikiより) 医療制度 麻痺した手足は以下のような状態になるらしいのですが 病名がない限り、今も切断は不可みたいです。 ・不随意な動き 健常なほう手で作業をしていると

        • 『やさしさと冷たさの心理』 加藤諦三

          甘え ・自分の要望ではなく一般論を装うことも。 「妻なら/部下なら、こうするべきだ」と責める ・周囲に誰かいてほしい 罪の意識 ・うつ病の人、SM好きになる人も関連がありそう。 ・純粋に楽しむことができず、いつも口実(言い訳)を準備している。 「身体にいい」とか「〇〇さんが喜ぶから」とか

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        • 本(いろいろ)
          53本
        • 制作ほか
          15本
        • 本(うつ、心理学)
          9本
        • 本(株、トレード)
          14本
        • 本(動物、科学)
          12本
        • その他
          3本

        記事

          小説版のレクター博士

          現代サイコスリラーを読むと余計な知識ばかり増えます。 ハンニバル・レクター博士のセリフを中心に、映画版には登場しなかった場面などを集めてみました。 『羊たちの沈黙』 ・クラリスとの最初の面談から ・他人を吊るすのは難しい ・統合失調症の体臭(疑わしいという説も) ・皮を剥ぐ手法。ティツィアーノの "マルシュアースの皮剥ぎ" に言及されている ・チルトン院長が自らの発言により独り身だと判明する場面。実は彼は医学博士の学位すら持っていない。 「言っとくがね、わたしは

          小説版のレクター博士

          『負け犬の遠吠え』 酒井順子

          この本における「負け犬」とは 未婚、子ナシ、30代以上の女性 それ以外の女性は「勝ち犬」と呼ばれ、 男性については「オスの負け犬/勝ち犬」と表記されます。 言論統制という表現は良いですよね。 本書を初めて読んだのは私が大学生のとき 佐藤可士和さんの装丁が印象的だったのと(装画は井筒啓之さん) 当時は広告業界に憧れていたり、なんとなく自分に関係ありそうだと思って手に取った記憶があります。 判断基準 『マーケットの魔術師』という本で、エド・スィコーターが 「勝っても負け

          『負け犬の遠吠え』 酒井順子

          作者が出てくるyoutube

          本に出てくる人がyoutubeで喋っているのを見つけたとき、実在したのかと不思議な気持ちになることがあります。 動画を見たあと本文を読むと頭の中で声が再生されて面白かったです 見城徹氏 (以下の箇所は林真理子さんのパートから) 岡田斗司夫氏 『性という饗宴』は伏見憲明さんとゲスト40人以上が対談している本で、かなり分厚い。現在は絶版になっているようです。

          作者が出てくるyoutube

          『美男へのレッスン』 橋本治

          雑誌「GQ」1993年3月号〜1994年8月号に掲載されたもの。 歌舞伎、映画俳優(トニー・カーティス、アラン・ドロン)整形、マイケル・ジャクソン、など盛りだくさんのトピックが扱われている。 社会(男社会) 「本来の自分」とは・男女差の話は長くなるので省略するが、この「自分」というものを過去ではなく未来に設定する考え方はすごく新しい感じがした。 男

          『美男へのレッスン』 橋本治

          『モリーズ・ゲーム』に登場するトッド・フィリップス監督

          『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が面白かったので監督がどんな人物か調べようとしたところ、小説版のモリーズ・ゲームに実名で出てたことを思い出したので、言及されている箇所を引用してみました。 リアドンというのは、モリーの雇い主(上司)である。 トッドは主人公(モリー)が最初に働いたカジノの常連の一人で、彼以外に実名で登場するのは、トビー・マグワイア、レオナルド・ディカプリオ、ベン・アフレックなど。 新しい場所でゲームを開催することになったときの描写↓ 映画版のモリーズ・ゲ

          『モリーズ・ゲーム』に登場するトッド・フィリップス監督

          アニメーターの年収

          7年経過した領収書は破棄しても良いとのことで過去の書類を整理していた。それらを眺めながら、制作物だけではなく数字も残るのだなあと写真アルバムを見ているような感慨に囚われたので2017年以前の収入を公開してみることにしました。 専業/副業で映像を作りたいという人の参考になれば(?) 大学院を卒業→フリーランスの映像制作。実写ではなくアニメ 経費、控除などを計算した課税金額も一緒に並べた。千円以下は切り捨て 2011 ¥4,419,000(課税金額 ¥2,376,000)

          アニメーターの年収

          『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 ピーター・ターチン

          国のような複雑な組織は、内乱と平穏な時代が交互に繰り返されており、その平穏が崩れ去るのは、エリートになれなかった人(椅子取りゲームで座れなかった人)が増えすぎた結果である、という趣旨の本。 公式noteで序盤が公開されています↓ 歴史安定的な段階(統合期)と不安定な段階(崩壊期)は100年で入れ替わるケースが多いが、一夫多妻の文化圏ではエリート過剰の段階が早く訪れるためサイクルが早く50年ほどになる。 中世フランス/イングランド 13世紀フランスは黄金時代だったらしい

          『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 ピーター・ターチン

          『アシモフの雑学コレクション』 星新一(編訳)

          特許を取らなかった発明、バルチック艦隊の話など、もっとたくさん紹介したいのですが、長くなりすぎたので削りました。 ユーモラスなものを中心にピックアップしています。 Ⅰ宇宙、気象 いきもの Ⅱ古代の人々 文化、宗教

          『アシモフの雑学コレクション』 星新一(編訳)

          『エコノミック・ヒットマン』 ジョン・パーキンス

          CIAと手を組み(?)お金を儲けていく米国企業のEHM戦略。説明が分かりやすく、その国の民衆から敵視されている雰囲気も伝わってくる。 後半は中国のエピソードと、同じ手口が先進国でも展開されている様子。 パナマアメリカ軍、1989年12月にパナマに侵攻(→ノリエガ政権) パナマが攻撃された理由  ・特定の政治家/企業からの要求を断った  ・新パナマ運河条約が尊重されるべきだと主張した  ・日本の資金と施工による、運河拡張事業を模索していた トリホスもアメリカに暗殺された疑

          『エコノミック・ヒットマン』 ジョン・パーキンス

          リーマン・ショックの原因の一つ?

          『リーマンの牢獄』齋藤 栄功 (著), 阿部 重夫 (監修) ポンジスキームでリーマンブラザーズ日本法人を騙したらしい この話は全然知らなかった、、 未読なので、メモがわりに記事をアップしました。 読み終わったら内容まとめるかも というか、この動画1つ見たら 裏社会、地面師とかのyoutubeがオススメにめちゃ出てきて笑ってしまったw 1995年のニック・リーソン(マネートレーダー/銀行崩壊) 2010年のナビンダー・シン・サラオ の本は、こちらの記事で紹介しています

          リーマン・ショックの原因の一つ?

          『トルーマン・カポーティ』 ジョージ・プリンプトン

          小説家カポーティ本人の手紙や、友人たちの証言、インタビューを元に構成された本。1944〜1984年ごろの話がメインです。 ヤドーでの執筆トラスク夫妻は邸宅に作家、画家、作曲家を招待し、創作活動に集中できるよう支援していた。 朝8時にはランチボックスを届け、みんなそれぞれ各自の仕事場に籠る。日中は誰にも邪魔されず、騒いで良いのは16時〜22時まで。夜はディナーが提供され、メンバー同士の交流も活発だった。 カポーティが滞在していたのは1946年ごろ。 人びとアイザック・デ

          『トルーマン・カポーティ』 ジョージ・プリンプトン

          題名のメモ(短編など)

          ただひたすらのアナーキー "Mere Anarchy"ウディ・アレン短篇集(井上一馬訳)2007年 ●過ちは人の業、浮遊するは神の御業 "To Err Is Human ー To Float, Divine" ●身代金はタンドゥーリ・チキン "Tandoori Ransom" ●サム、ズボンが芳しすぎるぜ "Sam, You Made the Pants Too Fragrant" ●売文稼業 "This NIB for Hire" ●美容体操、うるし、ファイナル・カッ

          題名のメモ(短編など)