そっと開けたドアーの前で、腕組している妻と目が合った。深夜だと言うのに、お出迎してくれた。すでに寝てると思ったのに。これはただ事ではない。「今日は何の日か知ってるの」「こんな時間に大声出して!ご近所に迷惑だよ」「迷惑なのは私よ」互いの深い沈黙で、結婚記念日だったことを思い出した。