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ダブル ブレイン

プロローグ

 房町和雄にとってこの街は記憶にない
場所だった。
 それなのに、どこか懐かしい。
なぜなのだろうと和雄は思った。
「どうしたの、ボーっとして」
助手席の鏡鏡子が和雄に声を掛けた。
「いや、別に」
和雄がアクセルをふかした。
「奈美とのこと清算してね」
「わかってるよ」

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