ボケ老人の戯言だと思ってスキップしていただきたいが、私にとって彼女は、16歳で出会った時のままずっと美人である。 年齢を重ねても、体重が高校時代の42kgから変わらなかったように美貌も維持していた。格別な努力はしていない。しかし、私の目には死後5日間はきれいなままだった
私の我儘がなければ、つまり、せめて1週間の猶予がほしいという私の我儘がなければ、彼女は美しいままにあの世に旅立つことができたのにという悔いが残る。 時間は残酷である。死に顔になっていくのを見るのは辛かった。容貌は確実に衰えていった。頬もこけていった。 本当にごめんなさい。
生きているかのような顔のままでの火葬であれば、それはそれで辛かったと思う。 彼女には申し訳ないが、5日目ぐらいから顔が少しずつ死人になっていくのを見て、もう楽にさせてあげたいとも思った。顔を見るのが、だんだん辛くなってきていた。彼女の容貌が衰えていくのを見るのが辛かった。
私の我儘で、美しいままの顔で野辺の送りをすることができなかったこと、本当に申し訳なく思った。 身内だけの、生前の彼女をよく知る人たちばかりでの葬儀だったので、それほど気にはされていなかった。しかし、私のせいで彼女を美しいままで送ることができなかったことを激しく後悔した。