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美しい死顔

私は今まで、何人か全くの他人様の死顔というものを、二十代の頃から見る機会が多かった。

別に葬儀屋に勤めていた訳でもなければ病院勤務という訳でもなく、その頃していた仕事上、ご年配の方と知り合う機会が多かったのだが、自然と情が湧き、亡くなったと報せを聞けば悔やみに行くといった、私はそんな質だった。

多分、あの時いつだったか正確には覚えていないのだが、初めて他人様の死顔というもの見たのは二十代前半の時だったと思う。

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