【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■「クラス環境」「なかよし環境」「プロジェクト環境」 ④ ▼プロジェクト環境に必要なもの ・目標 ・目標達成のプロセス(スタートからゴールを目指す活動) ・目標に向かう努力をまとめる力
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■変わる大学入試 ▼景観論争が「大学共通テスト(仮称)」の国語のモデル問題となるが… ・ことばだけで本質を掴むのは難しい ・プロジェクトを組み積極的に関わることが重要 →そこからチームの作り方や運営を学ぶ
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■「クラス環境」「なかよし環境」「プロジェクト環境」 ③ ▼プロジェクト環境 ・目標を共有し実現を目指す ・基礎プロジェクトが存在し、目標達成のプロセス(スタートからゴールを目指す活動)がある
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■高校の新たな「公共教育」 ③ ▼行為の思慮深さを教えるには? ・「知っている」「分かっている」「できる」がある ・「できる」能力は「高度な思慮深さ」 ・教える者は「できる」段階に達していなければならない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■問題解決の秘訣 ③ ▼コンフリクト・アセスメントで大切なもの →関係者についての情報の収集 ・孫子の言葉 →戦うべき対立・紛争で勝つには、「人間がもたらす情報」「人間同士の関わりについての深い洞察」が必要
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■「思慮深さ」を磨く ▼重要なこと ・プロジェクト参加→協働経験→どんな状況でも最適な選択ができる ・同一環境を維持せず、さまざまなプロジェクト環境に身を置く→多用で複雑な選択、人間関係を学ぶ
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■高校の新たな「公共教育」 ② ▼科目「公共」の高いハードル ・教育者は「できなければならない」 →「知っている」「分かっている」だけでは不十分 →実践を積み重ねた経験が必要
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■高校の新たな「公共教育」 ① ▼「公共」という科目 ・2022年度から順次実施の学習指導要領に「公共」という科目がある ・課題解決型思考力、複数の解決策を比較考量する能力、よりよい選択肢を作り選択する能力
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■ドラッカーと教養 ▼マネジメント ・マネジメントは一つのリベラル(知識/自己知/知恵とリーダーシップの根本)アート(実践と応用) →実践的/総合的な知であり、人文科学/社会科学/自然科学のすべて分野を含む
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■対話の力 ▼クラス環境となかよし環境の思慮深さ ・既存のルールや秩序に従う選択が求められる ▼プロジェクト環境の思慮深さ ・目標に向かう行動や共同のための対話の能力が求められる ・集団に馴染むためではない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■実践のなかの教養 ② ▼現代日本の教育の避けられない課題 →以下の3つがテーマとなる ・合意形成 ・プロジェクト ・マネジメント
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■実践のなかの教養 ① ▼方法 ・プロジェクト参加 = OJT ・知識を学んでから実践ではなく、思慮深さのトレーニングから知を身につける ・「知っている」「わかっている」と「実際にできる」は違う
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■選択の結果としての危機 ① ▼1960年を境に風景が変貌 ・高度経済成長期 ・新幹線/高速道路が整備される ・小学校にはプールができる ・1964年には東京オリンピックが開催される
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■プロジェクト・リーダーの資質 ▼参考となる古典③:貞観政要 ・(一部ではなく)人々の意見をよく聞く ▼漢の劉邦と唐の李世民のエピソードの共通点 ・広く意見をしっかり聞く ・一部の取り巻きに惑わされない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■教養を磨く方法 ・学ぶことは知らないことを自覚することから始まる ・内面から学びたいと欲したとき、真の教養が身につく ・知ることは楽しい、その楽しさとともにあることが教養の本質である
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■教養と実践 ▼教養とは? ・単なる飾りではない ・分析/評論するだけのものではない ・選択の拠り所であり、選択する行為を対象とするならば、実践へと直結する
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■教養と実践 ③ ▼願望と選択肢 ・不可能でも願望しなければ、 ∟現実に至る選択肢が得られない ∟目の前に現れた選択肢に気づかない ⇒出版により国土交通省から依頼 ⇒公共事業に対する政策提言をすることに
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■「クラス環境」「なかよし環境」「プロジェクト環境」 ① ▼クラス環境 ・集団外の第三者が成立させる集団 ・「遭遇」といえるもので「選択」ではない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■テクノロジーとソフィアの統合 ② ▼近代テクノソフィア ・近代テクノソフィアがもたらした結果は「想定外」 ・フロネーシスが近代テクノソフィアの備えとなりうる ・そのようなフロネーシスは存在しない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■問題解決の秘訣 ① ▼大切なもの = 情報収集 ・どのような意見の対立があるのか? ・その意見に対する2つの観点:①どうして?(意見の理由)、②どのようないきさつで?(意見の由来)
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■プロジェクト型授業の実践 ② ▼方法 1. プロジェクトチームにするプロセスをスケジュール化 2. 課題を探し解決の提案を作成することをゴールとしたプロジェクトを組む(同時にプロジェクトマネジメントも学ぶ)
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■プロジェクト・リーダーの資質 ▼参考となる古典①:易 ・自分たちのことだけ考えると、親しい者が随い、多くの人を導けない ▼参考となる古典②:史記 ・人を用いる
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■社会的合意形成のプロジェクトマネジメント ▼事例1:国頭村森林地域ゾーニング計画 ① ・計画達成のポイント ∟少人数のチーム:3名 ∟進捗共有 ∟計画推進のための戦略を練る
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第3章 よみがえる教養 ■震災とよみがえる教養 ▼文部省の方針転換 ・バブル経済時代からの教養部解体の流れは止まらなかった ・新しい大学院(文系と理工系の融合型の大学院)が創設されることになる
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■プロジェクトへの参加 ② ▼痛感したこと ・合意を導く過程をコントロールしなければならなかった →(なぜか?)担当者が定期的に変わり引継中心に仕事を捉える →プロジェクトマネジメントを学び実践する必要があった
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■リベラルアーツと「自由」 ② ▼リベラルアーツの変遷 ・古代ギリシャ:言論技術(文法・修辞・論理学) ・ヨーロッパ:算術・幾何学・音楽・天文が追加 ・12世紀のヨーロッパ:更に人文学の諸学問が追加
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■ソフィアとフロネーシス ② ▼現代にふさわしい思慮深さとは? ・ソフィアとフロネーシスの協働 ・深慮/遠望 ▼著者の問い ・21世紀に関わる価値とは? ・21世紀の価値に関わる人間の知的能力とは?
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■変貌する風景 ・風景:人間がよかれと思った行為で変貌してしまう ・国土繁栄と利益の価値:災害対策+経済発展 ⇒その約束によって、美しかった風景の価値が忘れられ、美しいふるさとが喪失される
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■社会的合意形成のプロジェクトマネジメント ▼事例1:国頭村森林地域ゾーニング計画 ② ・森林政策と環境政策:矛盾を孕む ・林野庁と環境庁:調和ある政策を出せない ・沖縄県:国の政策をつなぐが矛盾を抱える
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■プロジェクト推進の基礎 ▼合意をまとめ上げるには? ・文系と理系の協働の場 = 人間社会と自然環境の理解が必要 ・人間社会と自然環境の深い理解と知識を共有することが求められた
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■コモンズの悲劇と資源の呪い ③ ▼資源の呪い ・伝統的なローカル・コモンズ管理(入会管理) ・近代テクノソフィアのエネルギー技術/大規模資本 ⇒両者の間には軋轢がある
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第7章 教養の磨き方 ■プロジェクト型授業の実践 ▼著者の実践 ・クラス環境に置かれた学生をプロジェクトチームに育てるプログラム ▼学べること ・スケジュール化とプロジェクトを組む方法 ・プロジェクトマネジメント
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■プロジェクト推進の基礎 ▼必要なもの ・プロジェクトには多様な要素が含まれる →優れたチームを編成する必要がある ▼メンバーに求められるもの ・多様な知識/情報をもとに合意をまとめ上げる力が必要
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第3章 よみがえる教養 ■「高度な教養」教育 ▼時代背景 ・東日本大震災(2011年) ▼筆者の驚き ・科学者たちが「想定外」と言うことは予測できた ・科学者たちの科学観(科学が誤っているのではなく安全神話が誤っている)に驚いた
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■リベラルアーツと「自由」 ③ ▼日本でのリベラルアーツ ・日本(戦後):大学教育において、ヨーロッパとアメリカの制度をもとにリベラルアーツ教育が進められる ※「第3章 よみがえる教養」も参照のこと
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第6章 実践の中で ■問題解決の秘訣 ② ▼対立構造の把握 = コンフリクト・アセスメント ・問題解決のプロセスを実行し実行する ・問題解決の過程で現れる選択を行い、都度、目的達成に最適かチェックする
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■行為の選択と風景 ・選択の基礎:風景をどう捉えるか? ⇒そのため「風景をどう捉えるか?」もまた教養を構成する ・風景:意味を読み解かれる偉大な書物
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■現代の「思慮深さ」とはなにか ③ ▼現代の教育の問題点とは? ・ソフィア(理系的能力)とフロネーシス(人文・社会的能力)は独立した能力 ・現代の教育システムはフロネーシスの欠如を容認している
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第3章 よみがえる教養 ■震災とよみがえる教養 ▼危機の時代 ・阪神淡路大震災:下記の組み合わせが課題となった ①社会:備えが脆弱 ②科学:技術の過信 ・オウム真理教事件:優秀な学生も事件に関与した
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■現代の「思慮深さ」とはなにか ▼フロネーシス ・行為に関わる思慮深さ ・倫理的能力(社会生活を営む能力、国家運営の政治的能力) ・よりよい社会を実現する選択の営み ・ソフィアとは独立している
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■所与としての風景 ② ▼地球を認識する ・感覚器官が結んだ像=置かれた環境 ・環境認識の起点:所与としての風景=ふるさとの原風景 ▼風景体験の重要性 ・一人ひとりに固有であるが、他者とも共有できる
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■所与としての風景 ▼人類の選択 ・地球/地球上に生きるもの/人類の未来は人類の選択にかかっている ・未来に向けた選択を誤らないようにするには、地球(環境)をしっかり認識しないといけない
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■コモンズの悲劇と資源の呪い ① ▼コモンズの悲劇 ・共有地・共有資源の合理的獲得競争 ⇒結果として、資源枯渇や環境汚染を引き起こす ⇒(筆者の問い)どう回避すればよいのか?
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■メガテクノソフィアの時代へ ② ・ネットワークとロボット/AIの連動 ⇒自律的に判断する、人工の疑似フロネーシスとなりうる
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第2章 「コスモス」との遭遇 ■朱子学の人間理解 ① ・仁:朱子学の中心的思想。生きているものに対する、生きていることに対する共感 ・易:人間の選択をめぐる深い思慮がある。人間の選択には誤りがあるが、占いによって迷いを断つ
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第3章 よみがえる教養 ■「高度な教養」教育 ③ ▼東京工業大学リベラルアーツセンター ・「高度な教養」の制度化の実験 ・「人間の」「人間としての」根っこを太くすることを理念とする ・文理融合型の大学院 ・20年で解体される
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第5章 風景へのまなざし ■コモンズの悲劇と資源の呪い ② ▼資源の呪い ・資源が豊かな地域が繁栄に取り残されるパラドクス ・近代多数決原理がコミュニティを崩壊させる ・利益がコミュニティではなく事業者にもたらされる
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■メガテクノソフィアの時代へ ▼科学技術と社会の不調和 ・インターネット:外部記憶装置(個人の認識を超越した巨大知的装置) ・SNS:書く行為の変容(拡散に伴う利便性とリスク)
【読書メモ】 桑子敏雄『何のための「教養」か』 第4章 ソフィアとフロネーシス ■リベラルアーツと「自由」 ① ▼リベラルアーツとは何か? ・リベラル:自由 ・アーツ:芸術や技能 ・リベラルアーツ:人間が自由であるための知識や能力