めも。カルロス・フエンテス『アルテミオ・クルスの死』(岩波文庫/木村榮一=訳)2019年11月15日発売。メキシコ革命の動乱を生き抜き、経済界の大立者に成り上がったアルテミオ・クルスの栄光と悲惨を描いたフエンテスの長編小説が文庫化。 https://www.iwanami.co.jp/book/b482324.html
めも。ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』(新潮社/木村榮一=訳)10月31日発売。記者を務めていた頃のガルシア=マルケスが東欧を駆けめぐった90日を物語る。11編のルポルタージュ。若き日の巨匠の記録。 https://www.shinchosha.co.jp/book/509020/
河出書房新社さんからエンリーケ・ビラ=マタス氏の『パリに終わりはこない』が8月に刊行されるらしい。翻訳は木村榮一氏。邦訳は『バートルビーと仲間たち』『ポータブル文学小史』2作だけのビラ=マタス作品。河出さんが新しい風を送ってくれる。 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207315/
数年ぶりに『ポータブル文学小史』を読み返したら、本作品に関わる人物や歴史に触れていたおかげか当時より理解できた。『バートルビーと仲間たち』といいエンリーケ・ビラ=マタス氏の作風も独自の実験性があって面白い。けれども上記2作品しか翻訳されていないのはさびしい。作品数は結構あるのに。
河出文庫/フリオ・リャマサーレス=著/木村榮一=訳『黄色い雨』の話。廃村で相棒の雌犬とともに死を待ち受ける男の生活が詩情豊かに描かれる。死者の出現、死の予兆である枯葉色の影に認められる象徴性が美しい。新訳にして絶品の『遮断機のない踏切』『不滅の小説』2編も存在感があり、美味な本。