「ラテンアメリカ十大小説」 木村榮一
岩波新書 岩波書店
ラテンアメリカ十大小説は、訳書で随分お世話になり、ラテンアメリカ文学に眼を開かせていただいた木村氏の本。ラテンアメリカ文学の入門書といった位置づけの本だけど、内容見る限り「十大作家」の方がよかったかも?
ボルヘス、カルペンティエール、アストゥリアスが第一世代、コルタサル、ガルシア=マルケス、フェンテス、バルガス=リョサ、ドノソが第二世代(ブームの世代)、そしてプイグ、アジェンデが第三世代(ポストブームの世代)となるのか? 第三世代の二人はひょっとしたら好みで異なる作家を挙げる人もいるかもしれないけど、まあ、「まずは、これは必須」という感じかな。
(2011 03/27)
読み終えたけど、何よりスゴいのは、ここで挙げている10人の作家のうちアストゥリアス以外の9人の作家の何らかの作品を、木村氏が訳している、ということ。
そんな木村氏はあるメキシコ人に日本語を教えている(それもそのメキシコ人が修行している禅寺で)うちに、彼が「こんな小説あるんだよ」と教えてくれたのが「石蹴り遊び」と「百年の孤独」だったらしい。ちなみに、最初に文学に目覚めたのは「罪と罰」からだったらしい。
(2011 03/28)
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