「聖域」 カルロス・フェンテス
木村榮一 訳 ラテンアメリカ文学叢書 国書刊行会
「聖域」と「脱皮」、合わせて購入。フェンテスセット…
メキシコとイタリア、双方向
土曜日から「聖域」を読み始めた。フェンテスの作品。
主にメキシコとイタリアの話が交互に書かれているが、たまにどちらかがどちらかに浸透したり、片方(イタリアの話)は時間的にばらばらになっていたり、これまたイタリアの話の方では100ページ近くまで人物の名が読者に明かされなかったり(今日読んだところで判明)と、いったい、メキシコとイタリアの話はどっちが時間的に先か後か、結び付くのか離れていくのか、予測がつきません。
(これが自分の頭が寝不足でぼーっとしてなかったら、もっといろいろ気付いたのだろうになあ)
(2008 04/22)
フェンテスとビートルズ?
「聖域」も中盤にさしかかり、だんだん詩的になってきた。濃厚になったのは胎児のイメージ。ラテンアメリカ文学といえば、この間読んだ「マヌエル・センデロの最後の歌」を思い出す。
その中で流れているのはビートルズ。前にドノソの「ラテンアメリカ文学のブーム」読んだ時に、ブームの4人(マルケス、フェンテス、リョサ、コルタサル)をビートルズに当てはめると誰が誰なのか、勝手に夢想したことがあったけど(笑)、ラテンアメリカの文学読んでいて、作品中にストレートに出てきたのは(多分)始めて。
ラテンアメリカの作家はだいたいがヨーロッパに来てはいるとは思うが、当時の世相に大きく影響受けているのは、その中でもフェンテスとドノソなのか。単なる勘。
(2008 04/23)
20世紀の変身物語
つい先程「聖域」を読み終えた。なかなか難しくて、自分が理解できたのは20パーセントくらいかな?…
とにかく最後は、語り手である「ぼく」は母にそして犬に変身する。まさに20世紀の変身物語。でも、変身してからの方が語りに自信に満ちているのね。
とにかくなんかすごい作品(わけわからん…)。フォークナーの「八月の光」みたいに二度目に読む時に身震いする作品なのかも。
でも、その前に「脱皮」を(そういえば「聖域」の中に脱皮という言葉あったなあ…)。
(2008 04/26)
(この作品でイメージとして一番残っているのは、どこかの地下鉄内を彷徨うシーン…確かあったと思うけど、全く記述がない)
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