私、貴方のタバコの煙が宙に解けていくのを ただぼうっと見ていたの 白い煙は生きているように しばらく宙に漂っては溶けていく 鮮やかな あの夜のこと 私だけのモノじゃなくなった映画も 音楽も 貴方も 私の手から離れた方が 輝いて見える
見上げた桜は、春を惜しむように花びらを手放していく。 宙に浮かんだ白い花びらは、星の粒のように永遠の時を打つ。 「僕と一緒にいると、君を後悔させてしまう」 最後にしよう。そう言いたかった。 「それなら、ここに残って一緒に後悔しよう」 君から溢れた言葉は、ひらりと、跡を濁さない。