クリスマスパーティーから逆算して行動する土曜日、酒を飲んで40分真夜中の村を走ることを想定する、月明かり星のひかりときおり走り去る車のヘッドライト点々と点在する家の灯り、乏しい光量を頼りに走らざるを得ないから疲れてしまうのだ、ミッドナイトの空気は冷たく空が高い、静けさが心地いい。
蛇って不思議、にょろにょろ進む、国道4号線を走っているとばったり遭遇することが多い蛇この前は蹴ってしまった、紐かと思ったら蛇だった、今日は蛇と10メートルくらい並走した、何処に向かうんですか蛇、側溝に入りかけてなんか違うなって出てきて、滑らかすべすべの肌とつぶらなひとみ蛇と並走。
ノウムに行く前に大町のセブンでジャンプを買っていくっていうルーティンはこれで最後になるのかも知れない、8月11日で営業終了一旦ね、一旦、でも今のノウムは終わるわけで、この空気感は一期一会、汗で水浸しの身体に熱々の薬草茶を飲みながらミキてぇと待ち合わせ、茶のもつ本来の甘さがしみる。
暑いんだなやっぱり、特に走ることもなく、30分歩いていたら汗だく。汗じみが魚拓みたいに映し出されている。宮崎智之の平熱のまま、この世界に熱狂したい文庫版を駅ナカの書店で購入してパラパラとめくってみる、SNSで呟くかどうか少し躊躇って何もしない、時に見える化に敏感になったりもする。
早朝降り積もった雪を、踏みしめながら走っていると、普段は何も起こらない道すがら、声をかけられる。降りましたねだとか、いってらっしゃいだとか、いつもはこの時間誰もいないのに、今日は雪かきで皆朝が早い。やわらかい雪は、踏みしめた足裏でぎゅっとかたまり足跡を残す。足跡の行方は知らない。
この時間の ここは涼しいは言えないものの 水彩絵の具みたいに 淡いスッーとした空気だった さらに歩を進めること200メートル 角を曲がった途端にムワッとした 亜熱帯湿度が高い 高校生達がママチャリで行く手を阻む 空気の流れで体感は変わる 街は流動している それは人? 空気?
雨が汗と交わって 頭から頬を伝って 顎から滴になって 零れて落ちた このカスタムウォーターで 何が生まれる?
行き場を失ったエネルギーが 迸って親指から放出されて 靴下に 穴が開く 主に親指 から穴が開く
水風呂に浸かる時のように 寒空の下を走る 冷たくヒヤッとする最初は 肌の表面温度が奪われていく 体温ドロボー冷水セイホー 表面下内側に火が灯る キープする体温 巡る血流 この手順 はしる そうにょう 循環する熱量は 蒸気となって 空に漂い 浮かんで消える
ミネラルが足りてない。身体に。おそらくミネラルだ、水は飲んでいる。珈琲も飲んだ。珈琲の利尿作用は脱水症状を起こすほどではないと知っている。手足がピリピリする、動機息切れ、頭がクラクラする。ギブミーミネラルウォーター。人間の水分に近いとされるあの濁った灰色の甘い飲み物が必要な時が。
愛のポイ捨ては止めて下さい、これっくらいのおべんとうばこに、おにぎりおにぎりちょいとつめて、タコタコさんさんウインナー、うずらのたまご、からあげ、にんじん、パプリカ、誰かの愛情を詰め込んだ、誰かの生活の残滓が路上で残骸になって気づけば靴の裏でうずらの黄色が潰れてはみ出している