一目山 みそこぶし 女岳から涌蓋山 あの稜線を歩くのは秋 金色銀色のススキが おいでおいでと手招きをする頃 今年も呼ばれるだろうか 呼ばれたい気もするし ここから見るだけもいいかなと 秋の始まりの風に吹かれながら 思っている 【大分県/九重町】
高度を上げると 視界に雲の海が広がる 向こうに見える 波立たない翡翠色 本当の海かと目を凝らす 私に迫る海に溺れる前に 暗い森へと進む 黄色のペンキをつけられた岩の上 九州の山が全部見えそう イワツバメに聞いてみたい キミたちには見えているよねと 【大分県/泉水山】
カッコウが遠くで鳴いている 渓流沿いの道を歩くと 夏鳥たちの澄んだ声が降ってくる 森を抜け湿原の木道を渡って ざれた坂道を上ると 急に視界が開けて峠に出る 花の色で染まる山肌 今しか見られない景色を ここにいる人々と共有している 【くじゅう連山/立中山】